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【本】振り返ることで気づきをもらえた~「たった1つの言葉が人生を大きく変える/マーディ・グロース」再読②

ビジネス本再読シリーズ。今回は前回引き続きのマーディ・グロース著「たった1つの言葉が人生を大きく変える」です。こうして過去のビジネス本を振り返っていると、その時々の記憶が蘇り、また年齢を重ねて感じることなど、やっぱり考え方って立場によって、経験によって変わってくるんだな、ということを感じますね。もちろん当時はそんなことも分からず、とにかく日々改善・改良のために何か一つでもヒントを得るために必死だったわけですが・・・。では、早速前回の続きから進めていきます。




第5章  今日地球が滅びようと、ギブアップするな

「決して、決して、人様から笑われるようなことはするな」
(オードリー・ヘップバーン/女優)

マーディ・グロース著「たった1つの言葉が人生を大きく変える」より

「上品」という言葉がこれほど似合う女優さんはいないのでは?というくらい気品のあるオードリー・ヘップバーン。コメディ映画でお客さんに「笑ってもらう」のと、本人自体が「笑われる」のはもちろん雲泥の差ですからね。どんな時でもプロ根性、いや人間としての本質ですかね、「笑われる」ことのない生き方をしたいものです。余談ですが、昨今の日本の政治事情(日替わり醜聞)を鑑みると・・・いやはやなんとも・・・。これぞ国民、いや全世界に「笑われている」のでは・・・となんとも悲しい気持ちになります。

第6章  1日の「始め」から、1日の「終わり」かた

「自分を貶めるな。特に『愚か』、『醜い』、『創造的でない』、『失敗者』、『救い難い』など、どうにもならないネガティブな特性を自分のせいにしてはならない。」
(フィリップ・ジンバルドー/アメリカの心理学者)

同上

日本の「言葉は言霊」信仰とは異なり、西洋の場合は「潜在意識」というものを大事にしていることと関連するのでしょうか。この手のネガティブ事を考えすぎないように、という思想をよく目にする気がします。私もこの手の本に影響されて、夜眠るときにこうしたネガティブなことを考えるのではなく、その日に起きたポジティブな出来事を考えて眠りに就く、というようなことを実践していました。ま、シンプルにこのように日々ネガティブな考えをする人と一緒に居ると、こっちまで陰気くさくなるから遠慮したくなる、というのもありますよね(笑)。

第7章  人生と仕事に効果的な「混沌と秩序」のアプローチ

「従業員を叱るのに感情的になるな。どんな状況であっても、労働者を冒涜するような言葉を吐いてはならない。」
「部下が嫌がることをやらせるな。相手が意図的に犯した悪を償わせるのでない限り。」
「部下の感情を踏みにじるな。そうした行為は建設的ではない。相手の憤りをかきたてて、自分を害することになる。」
「本人に面と向かって言えないことは、他の誰にも言うな。」

(アルフレッド・P・スーロン/アメリカの学者、近代マネジメントの父)

同上

全部正解!!!でも、正論はそうだと分かっていても、自分が責任者だった時には、どんなときでもこれほど冷静だったかというと・・・涙。そこまで「大人」になりきれなかった反省はあります。「冒涜する言葉」は吐いていないと思いたいですが、相手がどう受け取ったかは・・・。二番目の「相手が嫌がることは」というのは、「自分がやりたくないことは、相手にもやらせない」というふうに考えていたので、これはまあまあ及第点はもらえるような気がします。

「感情を踏みにじるな」はその通りだし、極力そうありたかったですが、どうにも我慢できなかった相手がいたことも確かなので、これは落第ですね。でも、どうなんだろう?常にそんなに聖人でもいられないと思うんですよね、人間なんで(←最早、開き直り!笑)。そして「本人に面と向かって言えないことは・・・」も、もちろんそれが大正論だし、逆に自分が陰で言われていたら怒り爆発なんでしょうが、それでもどうにもならない時(というか相手、というか人?)っていませんか?そういう時ってみなさんどうされていたんでしょうか?それでもグッと我慢して我慢して我慢して・・・なんでしょうかね?それでメンタル崩した身としては、正解は分かりません(涙)。

第8章  大切なのは立ち直る力、心のスタミナ、エネルギー

「友人を雇うな。友達を社員にするよりは、社員と友達になる方がいい。」
「ビジネスに友情を邪魔されるな。」

(ジョー・キタ/アメリカの編集者)

同上

これはよく言いますよね。友人とビジネスをすることで友情が崩れるという話。さらには「保証人」問題も。つまりは、「お金」が絡む問題には友情を挟まないこと。もしもお金を貸すなら、それはもう相手にあげる覚悟で。そして決して決して決して「保証人」にだけはならないこと!これは宮部みゆきさんの不朽の名作「火車」を読みましょう。私はこの作品こそ、中高生の国語の教科書に載せるか、全員に課題図書として読んで感想文を書くくらいしてもいいと思ってます(あ、でも今ならチャットGPTでみんな同じ感想文を書くのかな・・・涙)。

「耳触りのいい言葉ばかり振りまくやつを取り立てるな。」
(ジョージ・S・パットン/アメリカ軍司令官)

同上

さすが、パットン将軍!にもかかわらず、愚かな人間は「甘言」に弱いんですよね。分かっていても、お世辞とかおべんちゃらって、言われて嫌な気持ちはしませんからね・・・。こういうところに自分の甘さや弱さがあります。古今東西、こうした部下や周囲の者による「甘言」でまんまと騙され、哀れな末路を辿った君主や殿様が非常に多いですよね。それだけ「権力」というのは恐ろしいということなんでしょうね。そう思うと、「貞観政要」を遺した唐の太宗は本当に偉大ですね。自分に「諫言」をするためだけの役職をつけて、本当にダメ出しをさせてたわけですから。


私も教室運営が比較的良好に回っている時には、こうした信頼できるサポート役が周囲にいてくれたことを記憶しています。この場合、私自身が信頼しきっていたので、彼らにどう言われようと(つまりはダメ出し)、彼らは「こいつ(つまりは私のこと)はとにかく自分のことより、教室のことを考えているんだ」と思われてた(というか現にそうだったんですが・・)こともあり、的確に「諫言」をしてくれていたように思います。もちろんそれすら「忖度」があったのかもしれませんが。とはいえ、彼らの提案によって、自分のジャッジを変更することを厭わなかったですし、むしろ意見をしてくれることが嬉しかったですね。


「何に対しても、言い訳をしたり人を責めたりするな。」「誰かが代わりにやってくれるだろうと望んだり、願ったり、信じたりするな。」
(ブライアン・トレーシー/カナダの経営コンサルタント)

同上

要は自分が責任を負うんだ、という覚悟を持て、というふうに読み取りました。それくらい責任者という役職は、重たい任務を背負っているんだということをこの言葉から感じ取り、そうあるようにと思いながら仕事をしていましたね、当時は。それでも、いろいろあるんですよ、本当は。自分のやったことでない場合でも、頭を下げなきゃいけないし、部下のトラブルやもめ事(一緒かw)の仲裁というか、こうもり役もやらなきゃいけないし、それこそ問題の半分以上は人間関係だったり・・・という日々。それでも、チーム一丸で事にあたり、見事に成功に導いたときには、そうした疲れが吹き飛ぶくらいの爽快感を得られることもあり、それが楽しくて忘れられずに走りきっていた10数年間だったように思います。

ま、全速力はそうそう続かないということが後々分かるのですが、それはまた別の話と言うことで(笑)。とはいえ、この有名なコンサルタントである、ブライアン・トレーシー氏の厳しいメッセージは、もちろん手厳しい印象を受けますが、それくらいの覚悟がなければリーダーは務まらない、ということをハッキリ言ってくれているという意味では、非常に親切ですし、むしろ優しいという風にもとれるように思います。大丈夫だよ、誰でも出来るよ・・というように甘く考えていたら、そんな事なかった・・・というパターンよりはよっぽど親切。そして、いくら本を読んだり、先輩の経験談を聞いて擬似的体験をしたとしても、実体験に勝る勉強はないということが分かるのは、そうした「痛み」を経験した後だという・・・。ま、悲しいけど、それが現実なんですよね。

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