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「コロナ症状を1日短縮するが、催奇形性あり」「腹囲が4.7㌢減少したが、おならと一緒に便が漏れることも」薬のデメリット

今月初め、コロナ飲み薬の製造販売が、脂肪減少薬の市販が相次いで承認されました。新薬は効果ばかりが強調され、一般の期待感も高まりますが、デメリットにも十分注意する癖をつけた方がいいと思います。
新聞記事と厚労省資料から考えます。
 
▽3月5日読売新聞朝刊(大阪版)
「ゾコーバ通常承認 了承 コロナ飲み薬、102万人使用 厚労省部会」
 
ゾコーバは2022年11月、新型コロナウイルス感染症の軽症・中等症向けの治療薬として緊急承認。緊急承認中の今年2月まで約102万人に使用されました。ゾコーバは、安全性は厳格に確認するが、有効性は推定で良いという緊急承認制度の初適用例です。とすると、有効性には眉に唾を付けて受け取るべきですが、102万人の大半がそんな説明は受けていないでしょう。
期限付きで製造販売が認められ、有効性を推定ではなく確認したデータを提出するなどの条件を満たしたとして、塩野義製薬は通常承認を申請したということです。
さて、その確認した有効性ですが、新聞記事には
<12歳以上が対象。発症3日以内に飲み始め、1日1回5日間服用する。せき、発熱などの5症状がなくなる時間を約1日短縮する効果があるとされる。>
わが目を疑うほどの情けない効果だと思いました。ロバート・F・ケネディ・ジュニアが「真実のアンソニー・ファウチ」で、ファイザー製新型コロナワクチンが95%有効と喧伝した臨床試験の真相は「一人の命を救うには22000回のワクチンを接種する必要がある」と指摘したことを思い出しました。
 
医者が「あなたは新型コロナ陽性で発症して3日目ですね。新型コロナの新薬ゾコーバを処方しますね。1日1回5日分を服用してください。飲まないより1日早く症状が治まります」という説明を聞いて、
「はい、飲みます」となるのでしょうか。はなはだ疑問です。
 
そうなると薬価次第ですが、Gem Med(https://gemmed.ghc-j.com/)というサイトによると
<コロナ感染症治療薬「エンシトレルビル・フマル酸」(販売名:ゾコーバ錠125mg)は昨年(2023年)3月15日に保険適用され、1錠当たり7407円40銭、1治療(7日間)当たり5万1851円80銭に薬価が設定されています。>
 
決して安くない薬です。
 
それ以上に、気になるのがデメリットです。
「ゾコーバ錠の妊娠に関する注意喚起の実施について」という資料には、
<○ 添付文書において、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」を禁忌と設定。
○ 同意説明文書、医薬品リスク管理計画に基づく、患者及びその家族向けの患者ハンドブックや医療従事者向けの資材(事前チェックリストを含む)にて注意喚起。
⚫ 女性の患者さんへの注意事項
本剤は、動物実験で、ウサギの胎児に催奇形性が認められており、 妊娠中に服用することで、胎児奇形を起こす可能性があります。
また、本剤は、動物実験で、乳汁への移行が認められています。人での乳汁への移行はわかっていませんが、授乳中に服用することで、乳児に影響を及ぼす可能性があります。>
 
妊婦だけでなく、授乳中の人にも十分注意喚起が必要で、それは徹底されるのでしょうが、これは妊婦でなくても気になるデメリットではないでしょうか。
 
次に
▽3月8日読売新聞朝刊
「脂肪減少薬来月から市販 『アライ』内臓と腹囲効果期待 *食事や運動記録が条件」
大正製薬が脂肪減少薬を4月8日に発売すると発表しました。医師の処方箋なしに薬局で購入できます。対面で薬剤師のチェックを受ける「要指導医薬品」です。アライは飲み薬で、脂肪の吸収を抑え、便と一緒に排出する仕組みで、記事によると<日本人の臨床試験では、生活習慣の改善に取り組みながら1日3回、約1年間にわたり服用した人は、内臓脂肪の面積が約21.5%、腹囲が約4.7㌢減少した。>となかなかの効果だと思いましたが、
<一方、便が油っぽくなり、おならと一緒に便が漏れることがある。>というのはかなり気になるデメリットです。3月5日読売新聞の全面広告には「事象に備え事前に対策をし、上手に付き合っていきましょう」と付け加えられていました。
服用の条件は、
<18歳以上で、腹囲が男性は85㌢以上、女性は90㌢以上。糖尿病や高血圧など肥満に関連する疾患を持つ人は対象外>
30日分90カプセルは税込8800円とのことです。

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