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これから起業する人が共同創業者・初期メンバーをどう探し選ぶべきか考えてみた

これから起業をしよう!と思っている人、もう1回起業しようと思っている強くてニューゲームな人、どんな人にとっても起業はいつでもチャレンジでワ
クワクすると思いますが、この旅路に欠かせないのが共同創業者です。

世の人はどこで共同創業者を見つけているのか?

  • 44%:学校の同級生

  • 15%:仕事の同僚

  • 12%:イベント

  • 10%:昔からの友人

という結果になっています。多くの人が大学など学校の友人と起業しているんですね。有名なところだと、Apple社創業者であるスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックは大学時代からの知り合いでした。

ただ、一回会社に勤めてから起業すると大学時代の友人よりは会社の同僚のほうが身近になるので誘いやすいと思いますので、年齢にもよる結果なのかなと思います。

ちなみに共同創業者がいないのは4%と、ほとんどの人が誰かしらと一緒に創業していることがデータからわかります。みんな起業するときは不安ですからね。

共同創業者選びで大事な3つのこと

まず最初に結論から言うと、共同創業者を選ぶうえで大事なのは3つだけです。

  1. ミッション共感:同じ目標に向かって進めるか

  2. 人間性のマッチング:人間的に好きかどうか

  3. スキル:そのマーケットで勝つためのスキルがあるか

この3つは並び順も大事で、多くの人は3のスキルを最も重視すると思います。しかし、起業を1回やってみると分かるのですが、スキルだけで共同創業者を選ぶことはおすすめしません。実際、私だけでなく周りの起業家でも、共同創業者とお別れした人の多くにあてはまるのがこのスキル偏重主義でした。

なぜスキルだけでは駄目なのか?

優先順位は「スキル<<<人間性<ミッション共感」

スキルだけでは駄目と言いましたが、実際のところ仕事を進めるうえでスキルはもちろん大事です。ただ、スキルだけでは上手くいかない、ということです。よくスタートアップの共同創業者選びは結婚に喩えられますが、美人なだけでは結婚「生活」はうまくいかないのと似ています。

また、スタートアップは同じ目標を目指せるミッション共感がないとうまくいきません。これがあると、同じプロダクト作りをするうえでも熱の入り方が違いますし、この熱こそがスタートアップにとっての最大の武器です。ここを共感できない人だと、結果的に人間関係もうまくいかなくなりがちです。

ちなみに、アメリカのY Combinatorでは、共同創業者の選び方で大事なことを以下のように表現しています。

引用:https://www.slideshare.net/takaumada/startup-cofounder-skill

適正とは、スタートアップというストレスの多い環境でやっているかどうかです。これはもちろん大事なのですが、共同創業者で苦労を分かつことができればここは乗り切れることが多いので、私は2つめに大事なものを「人間性のマッチング」にしています。

また、これに追加して個人的には、スキルよりも大事なのは「学習能力」だと思っています。なぜなら、スタートアップ初期は創業者のほとんどが起業の素人です。マーケットの事前知識はあっても、超えなければいけないハードルは山程あります。プロダクト作り、資金調達、採用、オフィス設置、書類上の手続き、などなど。そんな中で、心が折れずにやっていくためには変化に適応する学習能力が大事になってきます。

学習能力というのは一言で言うと「地頭」と「素直さ」の掛け算です。昔、あるVCの人とこんな話をしました。

うまくいくスタートアップは、VCがアドバイスをしても半分だけきいて、残り半分は自分たちで考えて行動する。逆にうまくいかないのは全部鵜呑みにする人と、全部聞き流す人。

これは言い得て妙だなと思いました。アドバイスは聞きすぎてもいけないが、聞かなすぎてもいけない。自分たちで必要なアドバイスは取り入れつつ成功確率を上げていくためには、やはり学習能力の高さは欠かせない資質でしょう。

学習能力が高い人であれば、最悪スキルは後から身につけることもできます。スタートアップで非エンジニアの共同創業者が自分でコードを書きプロトタイプを作るのも創業者に学習能力が高いからこそできることです。

結論:「ビジョンは同質に・スキルは異質に」

これに尽きる気がします。スキルは共同創業者の間で異なっている(かつそのマーケットで勝つために必要)こと、そして同じ方向を見て頑張れるビジョンがあるときっと良い仕事ができるんじゃないでしょうか。

人間関係のストレスはスタートアップ初期では甘く見てはいけない

かく言う私も、起業したときに2人いた共同創業者のうちの1人とお別れを経験しています。あれはとても悲しい経験でしたが、今振り返ってみるとあの時お別れすることがお互いにとって正解だった気がします。

当時、私はそのお別れした共同創業者と仕事の話をするとき違和感を覚えることが増えていました。彼はエンジニアだったのですが「彼はお客様の課題をちゃんと見ているのだろうか?自分が作りたいものを作っていないか?」と感じるようになったからです。

そしてこう私が思っているときは、面白いもので相手も似たようなことを感じているものです。話し合った結果、袂を分かつことになりました。スキル的なダメージは短期的にもちろんありましたが、その後幸いなことに違う優秀なメンバーと出会いその穴は埋まり、前より良いチームになれました。結果オーライでしたが、当時は辞めると言われた時に我ながら顔面蒼白になったことを鮮明に覚えています。いやー辛かった(笑)

仕事やプライベートの話していてストレスがないか、飯を食べて楽しいか、こういう一見仕事には関係しないことがスタートアップにとっては大きく影響するでしょう。創業者の心が折れないためには、一緒に話していて楽しい仲間の存在はどうしても必要です。特に起業1周目の人はなおのこと、仕事をしていてストレスがない相手を選ぶことをおすすめします。

スタートアップ初期のメンバーは、それはもう家族以上に密な関わりを持つことになります。起業で共同創業者を選ぶことはスタートアップにとって最初の大きな決断であり、かつ最も重要かもしれない意思決定であることはあまり語られていません。人は起業するとき、アイデアやマーケットの話ばかりをしがちです。スタートアップ初期は、うまくいかないことの連続です。そんな中で相談できるのは共同創業者であり、その共同創業者が人間的に好きではないというのは想像以上のストレスになります。

話して楽しいと思う人を見極める「ショッピングセンターテスト」

アメリカのVCでは共同創業者を見つける1つもものさしに「ショッピングセンターテスト」というものがあります。

ショッピングセンターで不意に、その姿を見つけたときに、
走り寄って会話したいと思うかどうか。
走り寄りたいと思わなければ、NG。

非常にわかりやすく、かつなんとなく納得感がありませんか?(笑)確かに、街で見かけたときに声をかけたいと思わない人と起業できるイメージはわきませんよね。こういう具体的なシチュエーションをイメージしてみて、相性を見極めるのも大事かもしれません。

共同創業者を見つけるにはとにかく会いまくれ!!!

私がどうやって共同創業者を見つけたかと言うと、インターネットで声かけをしまくっていました。

共同創業者探しでやったこと

  1. Googleフォームで共同創業者を募集

  2. TwitterとFacebookで拡散

  3. さらにTwitterでスタートアップに合いそうな人にDM爆撃

  4. 知り合いに優秀な人を紹介してもらう

  5. 1人ずつお茶しつつ面談をする

起業するときよく聞かれたのが「リクルート時代の知り合いとやらないのですか?」という質問ですが、リクルート時代の知り合いは意図的に避けていました。当時やろうとしていたのがSaaSだったので、下手に異なるビジネスであるリボン図モデルでの成功体験を引きずりたくなかったためです。なので、意図的に自分がやってきたサービスとかぶらないIT経験のあるエンジニア・デザイナーを探しました。このように、自分の経歴を考慮して足りないスキル・経験を基準にすることも大事でした。もし同じリクルート出身の人とやっていたら上手くいかなかったのではと今振り返っても思います。

最終的には当時30人以上にはお会いして、やっと1名の共同創業者候補を見つけました。そこでもすぐには「一緒に起業しよう!」とはならず、まずは副業から手伝ってくれることになりました。そこでお互いにマッチングを見つつ、3〜4ヶ月ほど働いた後に、結果的に共同創業者としてジョインしてくれました。

共同創業者は今候補がいたとしても、自分がやろうとしていることに強く共感してくれる仲間を探すことはとても大事です。なので、基本たくさんの人と会いましょう。知り合いの成功している起業家の方も、基本何人も会ったうえで共同創業者を選んでいる人がほとんどです(例えばSmartHR宮田さんもそうだったとのこと)。

余談ですが、実は1番最初に「一緒にやろう!」となった他の人がいたのですが、その方とは結果的に仕事の進め方が合わずにお別れしました。その人はスキルは優秀だったのですが、仕事のスタンスが「Biz側で仕様を決めてください」というタイプで、一緒に作っていくスタートアップのスタンスには合わないところがあったためです。お互い無理することなく、合わないなら合わないでしっかりお別れすることも長期的には大事なので、自分に正直に共同創業者を選ぶことをおすすめします。

それでも共同創業者とお別れすることになっても大丈夫、スタートアップの多くが経験することだから

せっかく一緒にやっていたのに、共同創業者とお別れをする。これはスタートアップではとてもよくある光景です。残念ながら袂を分かつことがあっても、必要以上に落ち込む必要はありません。自分にはコントロールがきかない領域でそれは一定の確率で起きるからです。ある意味では、スタートアップにとって最もありふれた悲劇と言えるでしょう。

どれだけ注意深く共同創業者を選んでもお別れが起こりうるなら、起業家にとっては心が折れないようにすること、粘り強くまた新しい仲間を探すガッツのほうが大事だと思います。

おわりに

共同創業者探しはとても難しいものです。意外な人が共同創業者になったり、あてにしていた人と合わなかったりします。とても大変な作業ですが諦めず粘り強く探してみてください。ひょんなことから良い人と出会えることもあります。

ちなみに僕も次の事業ネタで共同創業者候補をMeetyで募集していますのでご興味あればどうぞ。




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