毒が薬に転じる時
人からよくメンタルが強いと言われます。
自分では強いの弱いのかわかりませんが、一昨年までいた会社では私のことを「鋼のメンタル」と言う人がいました。
もしメンタルが強いのであれば何故そうなんだろう。。。
そう考えた時、人生を振り返ると思いあたる節が一つありました。
中学一年生の時、やんちゃなグループにいたのですが、その中にあまりにも腹が立つ人間がいてある日殴り合いの喧嘩になったのです。
多分仲裁に入られたように思うのですが、負ける形になりました。
そしていじめが始まったのです。
そこから不登校になりました。
何度か学校に行ったこともありましたが、色々辛くて続きませんでした。
中学3年の時に先生の配慮で仲の良い友達と同じクラスにしてくれたこともあり、また登校することができて無事高校受験も終わりましたが、それまでの1年半ほどはそれはそれは地獄の日々でした。
学校に行かないといけない。
でも行けない。
家から出れない。
いじめられることを考えると、恐怖でいっぱいになるのです。
少し前まではまだ小学生で精神的にもかなり未熟な年ごろで、見える世界は中学校の中の人間関係しかありません。
恐くて恐くて、学校に行きたくても行けなくて、毎日が地獄の日々でした。
不登校の間、精神的な苦しさが続きます。
上手く言えませんが、心を鷲掴みにされて、雑巾を絞られるようにギュウっと締め付けられる感じで、ともかく苦しいのです。
言葉では言い表せない苦しみです。
恐怖とその苦しみが毎日毎日続くのです。
どうしようもなくて部屋にこもり、苦しさの中で過ごしていました。
両親もとても悩み、辛かったことと思います。
高校生になってからは環境も変わり、部活などで楽しい学校生活が始まりましたが、不登校だったことはその後何年も劣等感として残りました。
ただ、振り返ってみれば、この苦しんだ経験が自分のメンタルを強くしたのだと思います。
褒めてるのかけなしてるのかわかりませんが(笑)、鋼のメンタルと呼ばれた会社の別の同僚が、
「shinはしなるけど折れない」
と笑って話していたことがありました。
要はかなり大変なことがあって、一見凹むような姿を見せることもあるけれど、決して折れない、負けない、やり切る。
そんな人間だと言うことです。
精神的に未熟で多感な時に徹底的に雑草のように踏み潰されまくったことで、何度でも起き上がる芯の強さが作られたのだと思います。
そしてもう一つ。
いじめられるのが嫌で、恐くて恐くて同級生の顔色ばかり伺っていましたが、そのことで人より敏感に感情の機微に気づく力が養われたと思います。
顔色、雰囲気、目の表情、ちょっとした声のトーンで相手の気分に気づいてしまうのです。
もともと気を使う性格なのか、いじめのトラウマでそうなったのかわかりませんが、機微に気づくと気疲れがひどくてそれはそれでしんどいものの、ビジネスにおいては相手の雰囲気を察知できるのは強みの一つなのではないかと思います。
人生色々あります。
順風満帆な人生なんてありません。
辛いときがあっても、恥ずかしい過去があっても、失敗がたくさんあっても、いつか振り返ったときに
「あのことがあったから今の自分がある」
そんな風に思える生き方が大切なんだなと思います。
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