見出し画像

フェルミ推定 手元の限られた数字で想像すること

フェルミ推定とは、一見予想もつかないような数字を論理思考を使って答えを考えていくことを言います。

フェルミ推定を使う問題として有名なのは
・日本にはマンホールがいくつあるか
・日本には電柱がいくつあるか
といったものです。

一見、「そんなものわかんないよ!」という数を、自分の手元にある数字から導き出していくのです。

例えば、
・日本の人口は1.2億人
・都道府県は47
みたいなところから、考えて考えて答えを出していきます。

私はどちらかというと数学は苦手で、中学・高校と数字を避けてきた人間です。
生業としているテーマパーク業でも現場の運営畑を主に歩いてきた人間で、マーケティングや経理のように数字を扱うことがメインの仕事ではありません。

でも、数字で考えること、数字で状況を理解することはとても大切で、「いっぱいあるね」「ちょっと急ごう」みたいな人によって捉え方が異なる言葉で話すよりも、具体的な数字で示した方が各段と仕事の精度が上がります。

本来のフェルミ推定や具体的なビジネスの数字の扱い方などは専門ではないのですが、想像しながら数字で考えることの楽しさを経験したことがあるので、そのお話をしてみることにしました。

私が以前働いていた複合商業施設で、同僚がこんな提案を持ち出したのです。
「駐車場は夜空いていてもったいない。RVパークをやろう。」

RVパークとは、コロナの影響もあり流行り出したキャンピングカーを停めて車中泊ができる場所・駐車場のことです。

会社に眠るリソース(色んな資源)を活用するのは、ビジネスにおいてとても大切です。

この提案を聞いたとき
「すごいな。頭いいな。」
と思いました。

そして、現場の運用管理については私が担当だったこともあり、導入に向けた準備とあわせて、どれだけ売上が上がるかを試算することなりました。

そこで、まず自分たちの施設を利用してくれそうなキャンピングカーが何台あるかを調べました。

その施設がある関東で東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県。
恐らく商圏となるであろう茨城・栃木・群馬・山梨などを加え、該当エリアで販売されたキャンピングカーの数をネット検索でおさえました。

今の時代は素晴らしくて、インターネットで検索すれば何らか数字が出てきます。
数字の信憑性はともかくとして、検討するための参考値にはなります。

さて、キャンピングカーの台数確認後、実際にどれくらい稼働しているかや、土日の利用意向などを調べ、気になる数字を組み合わせて私たちの施設のRVパークの利用見込み数を試算したのです。

結果、似たような利用実績があがり、とても嬉しい気持ちになりました。
提案した同僚も感心してくれたのを覚えています。

販売において実際の売上見込みを出すのは至難の技です。
キャンピングカーの事例はたまたま上手くいきましたが、他のサービス商品を企画した時、色々と売上想定を立てましたがほとんどが外れることばかりでした。
だいたいが想定に届かない数字で売上に苦しみます(笑)

ただ、やみくもに商売や物事を始めるよりも、手元にある数字を組み合わせながら想像・想定した方が、ビジネスははるかに上手くいきます。
その数字があれば、実際の販売数と比較して「何がダメなのかな」「どこに問題があるのか」といった次の検討もしやすくなります。

フェルミ推定という難しい単語を出しましたが、難しく考えずとも、例えばレストランに入った際に、
・何席あるな
・1席あたり何人座ってるな
・1人あたりだいたい800円のメニューを食べてるな
・1席あたり、滞在時間は●●分くらいだな
・営業時間は10-19時で9時間だな
こんな数字をかけ合わせれば、おおよその売上見込みを計算できます。

その繰り返しで数字で考えたり、数字で表現する力がついていきます。

仕事だけでなく、数字で考える力は色々なところで役立ち、説得力も増します。

ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?