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ビフィズス菌で人生変わった話

ビフィズス菌で人生が変わった。その感動を伝えたい。

ここまで本当に長かった。

受難【少年編】


おれはずっと、お腹を壊しやすいOPP(おなかぴーぴーの略※サバンナ高橋が提唱)人間だった。

この種の悩みは、出てほしい時に出ない。
出てこられると困る時に出ようとしてくる。これに尽きる。

子供のころから朝、家を出る直前に腹が痛くなったり、テスト中にくだってきたりしておれを非常に悩ませた。

例えば小三の時、珍しく親父が長野の山にキャンプに行くと言い出した。
早朝から叩き起こされ、車で長野に向かう。
そして途中の高速道路、やっぱりおれは腹を下した。

次のサービスエリアまで時間がかかるから「がまんしろ」と言われても、うんこは急に止まってくれない。
おれは「もうダメだ」と親父に伝えた。

車は路側帯に停まり、のぐそをした。
シティーボーイを自負するものとして屈辱的な体験だった。
「あんだけ家出る前に済ませろって言ったでしょ!」と母親に小言を言われたが、おれは押し黙る。

おしりを拭いたティッシュが風に舞って飛んでいった。

受難【学生編】


お腹を下す癖は大人になったら自然に治る、と色んな人に言われて期待していたが、しかし中学生になっても、高校生になっても定期的にうんこを漏らし続けた。

何らかの説教を受けている学年集会、通学電車の中、犬の散歩中、今だけは絶対にダメだ、もしくはありえないというタイミングで非情にも腹痛に見舞われるのだった。

大学でアンコールワットにサークル旅行に行った時も、おれは腹を壊した。
男女五人ずつ、人生で一番輝かしく、楽しいはずの一大イベントである。

でもおれは、初日から食あたりを起こした。
タイミング的に現地の食べ物ではない。恐らく飛行機の機内食に当たったのである。

二日目から、観光中に何度もグループを離脱してトイレにいった。 

遺跡を巡っても、マーケットに行っても、地雷博物館に行っても、ずっとおれはトイレを求めつづけた。 

その時以来、大学の女子達がおれに付けたあだ名は「大魔王」だった。

おれはそういう風に大人になった。

受難【社会人編】


そして社会人になってからも苦難は続いた。

新高円寺に住んでいた25歳の頃、通勤に使っていた丸ノ内線に乗った瞬間に腹が痛くなったのに気付いた。 

会社は新宿御苑にあり、そう遠くはない。
今途中下車したら遅刻するので我慢しようと決めた。

しかしおれは次の東高円寺で電車を降りた。

そしてホームを歩いてきた駅員に焦りながら「トイレはどこですか」と聞いた。

「トイレですか?トイレはここから地下通路を潜って、反対側のホームに出て、そこから改札口を出て、地上階段の上がった途中にあります」

遠い。あまりにも遠すぎる。 


しかしなんとか急がないといけないと思い、反対側のホームに行くための地下通路へ繋がる階段を駆け下りた。

でも、駆け下りたのがよくなかった。

無念なことに、ほぼ全部漏らしてしまった。

しばらしくしてから、トイレの中から会社に電話をかけた。

電話に出たのは直属の女性の上司だった。
社会人は報連相が大事である。

なおかつ、当時の女性上司は非常に優秀で頭の良い人だったので、ここはロジカルに説明をしないといけないと思った。

「結論から申し上げますと、うんこを漏らしました」とおれは冷静に言った。


少し間があった後に、「…マジで?」と聞かれた。


一度家に帰る旨を伝えると、上司は「みんなには内緒にしとくからね」と言って電話を切った。

模索、そして諦め

そんな腹痛の宿命を背負ってから三十年過ぎ、いつしかおれは独自の対処法を編み出すようになった。

それは「呼吸を止める」という事。

呼吸で肺が膨らみ、肺の下の横隔膜が下がり、それが腸を圧迫することで徐々にうんこが下ってしまうのではないかという推論から編み出した技である。

すなわち息を止めれば、一時的に消化器系の動きが鈍くなり、それで脱糞までの時間を長引かせることができる。

言わば水の呼吸、全集中、糞止めの型である。

そしてこれは一定の効果があった。

上手くいく時は、時間を稼ぐどころか腹痛が完全におさまる時もあった。

しかしこれは「お腹がちょっと痛い」程度の時に効果がある技であり、「もう限界だ」レベルの時に使っても意味がない。

何より呼吸を止めたままだと人間は死んでしまう。

限界まで息を我慢したあとに、んはぁ!と大きく息をした瞬間、今まで押しとどめていたものが一気に迫ってくる感じもある。


下痢止めを飲む、というのも手だが、あれは常用すると便秘になる。
そして、ここぞという時に何故か切らしていたりする。

三十代半ばを過ぎ、おれの中に生まれたのは一種の諦念だった。

こういう体質で生まれてきたのだから、一生付き合っていくしかない。
お花見、歓送迎会、母の日、父の日、うんちを漏らす日。
そういう風に定期的なイベントとして受け入れていこうではないかと。

邂逅


それからアラフォーになり、アンチエイジングが気になりだした今日この頃、ビフィズス菌サプリが美容に良いと聞き、試してみる事にした。

おっさんが急に美しく生まれ変わるという事はなかったが、おれは体の急変を感じた。

定期的に訪れるはずの腹痛が一切なくなった。

腹痛を感じる→トイレにダッシュする、という流れから、「そろそろ済ませて置くか」→余裕をもってトイレに行く、という流れに切り替わったのだ。

つまりタイミングを自分で選べるようになった。
便意をコントロールできるようになったのだった。

ビフィズス菌サプリで圧倒的に腸内環境が改善されたようだ。
思いがけない救世主との出会いだった。

そして今こそ言いたい。同じ受難を抱えている同志達に、それからお子様のお腹が弱くて心配しているお母様方に。

ビフィズス菌サプリ。効くよ。

終わりに


アフィリエイトとかではないので商品を紹介したりリンクを貼ったりしないが、今回はただ感動を伝えたかった。

便意をコントロールできる大人になった事で、コイキングがギャラドスになったくらいの自己成長を感じた。

思えば本当に長い道のりだった。

ぐっばい、腹痛。

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