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なぜ独学はあまり上手くいかないのか

尺八の稽古中に気づいたことがあります。

それは「同じことを繰り返し指摘されている」ということです。新しいことを指摘されることは殆どありません。あるとすれば成長の段階が一段アップ(レベルアップ)したときのように感じます。

ゲームでもレベルが上がらないうちは同じモンスター達とひたすら戦ってレベルアップをはかるのと同じように、同じことをひたすら指摘されて攻略を試みる、そんな構造になっているように感じます。

ここから汲み取れる知見は「足りないのは新しい知見ではなく、散々指摘され知った気になっていることの習熟や深い理解」ということです。私たちはともするとすぐに新しい何か、まだ見ぬ何かが必要だと考えて、既に何度も指摘されている(だが出来てはいない)ことに取り組むことから目をそらします。

独学が難しいのはここが原因なのかもしれません。まだ出来ていない分かりきった(と思っている)ことを何度もしつこく言ってくれる存在がいないと、私たちは新しい何かを求めてフラフラする誘惑を止められないからなのかもしれません。

だから師は耳の痛い話をするわけですね。でもそれが学びを駆動する非常に有効な構造になっている。

これはドクターショッピングを繰り返す患者さんの予後があまり良くないこととも共通するのかもしれません。新しい診断、新しい薬、新しい手術を求めてフラフラする患者さんは、既に指摘されている事項には目を向けない。むしろ目を向けないために彼らは新しい何かを探し続けるのかもしれません。

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