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8月28日は“わあえ(わが家)”で酒蔵ライブを見よう!


東日本大震災から知り合った酒蔵「鈴木酒造店」(山形県)から、8月28日(金)に日本酒を飲みながらライブを自宅で楽しむというオンラインイベントの知らせが届き、さっそく自宅用と、当日の出張先の農家宅へ2口注文しました。

※注文は文末の注文書、または氏名、配送先、連絡先、配送日時(8月25日までの配送)を記入して info@iw-Kotobuki.co.jp まで。

鈴木酒造店といえば知る人ぞ知る蔵元で、もとは福島県浪江町にあり、「日本で最も浜に近い酒蔵」として地酒ファンを集める醸造元でした。

東日本大震災の津波で蔵も家も流され、原発事故の放射能汚染で郷里を追われ、苦労の末にたどりついた山形県長井市で廃業した蔵を買い取り、浪江時代のブランド「磐城壽(いわきことぶき)」を中心に酒作りを続け、見事に再生を果たした醸造元です(このストーリーは上野敏彦著「福島で酒を造りたい『磐城壽』復活の奇跡」(平凡社)に見事に書かれているのでぜひご一読を!)。

800本の「しぼりたて」

偶然にも私はこの長井市に大学時代から通っていて、ちょうど震災取材をしていた時に鈴木酒造店が同市に来ると聞き、それ以来、書籍(「震災以降」(三一書房))やドキュメンタリー映像(ニュースONZE)の素材に使わせてもらったり、友人の居酒屋で酒を紹介させてもらったりするようになっていたのでした。

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(日本酒「甦る」を取材した2013年。鈴木大介さんとの取材風景/撮影:越智貴雄)

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(↑かつての記事。「生活と自治」(生活クラブ連合会)より)

そんな大介さんから案内されたのが、冒頭のイベントなのですが、意外だったのがそのイベントで出される酒が「しぼりたて」だったことでした。

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(鈴木酒造店HPより)

「しぼりたて」といえば、鈴木酒造店では例年であれば11月の発売から春先には完売してしまう季節限定商品で、うす濁りで香りが高く、スルスルと飲めてしまう人気商品です。

私が初めて大介さんと盃を交わしたのがこの酒で、大介さんが一升瓶をドンっとテーブルに置き、目の前で酒造りの話を聞きながら注いでくれたのがたまらなく嬉しく、飲み過ぎて記憶を失った思い出のお酒です(苦笑)。

人気の酒にもかかわらず、今年は「 山ように冷蔵倉庫に入っている」というのです。上質な味わいに仕上がったものの売れ行きが鈍い。やはり新型コロナウイルス感染症拡大が影響しているとのこと。

「毎晩、父親と晩酌で飽きずに飲んでるけど、当たり前だけど全然なくならないです」というので、「山のよう、とは何本ぐらいですか?」と、無頓着に聞いてみました。

蔵元として在庫量を聞かれるのはイラっとすることでしょうが、大介さんは「フッ」と電話口で笑い、「800本です」と答えてくれました。一升瓶で2,000円はするものが800本。売り上げを単純計算すると160万円❗️にものぼるわけです。

「甦る」を歌うミュージシャン伊東和哉×磐城壽

誰もが気を落としそうなシチュエーションにありながら、大介さんの気がかりは酒蔵よりも、コロナ禍の影響を受けた仲間にありました。それは、アーティストの伊東和哉(いとうかずや)さんでした。

伊東和哉さんは、大介さんと同じ福島県出身のシンガーソングライターで、鈴木酒造店や福島からの避難者、新天地の地元農家らと作り出した純米吟醸「甦る(よみがえる)」をテーマにしたオリジナル曲の作り手です。

お盆が過ぎた頃、大介さんはコロナ禍の影響を受けた伊東さんの実情を知り、「しぼりたての酒、ただでもいいがら出してよ、うぢの蔵からライブ発信して、お客さんは、わあえ(わが家)でライブと酒を見て呑むってどうだよ?」(FB投稿より、方言のまま)と、思いついたのでした。

そして、いわき市に住む映像作家の坂本博紀さんの協力を取り付け、技術面でも可能と確認が取れてオンラインライブの開催が決定しました。

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(申し込み書は→コチラ←からダウンロード)

困りゴトから楽しみゴトを作ろう!

酒蔵からアーティストに呼びかけたこの企画。大介さんから「オンラインライブと酒を飲む会をやろう」と連絡を受けた伊東さんは、「是非やらせてください!」と即答しました。

「売り上げを全部和哉くんに渡す!」

と提案された伊東さんは戸惑いながらも、「自分だけ応援金として頂くのではなく、自分も作品を皆さんに届けたい」という思いを抱き、今回のオンラインイベントの購入者には、日本酒とセットで新曲を届けることを決定。

「自分のファンの皆さんにも磐城壽を知ってもらう機会にしたい」と伊東さんは話しました。

ちなみに、伊東和哉さんは鎌倉に住む友人ご夫婦の紹介から、私が過疎の村の100人のために作った映画「にぎにぎ川谷」のオリジナルテーマソング「flower」を作ってくれた愛のあるミュージシャンで、そういう意味でもぜひ友人のみなさんには買って、共有したいところでもあるわけです。

大介さんの呼びかけで決まったこのオンライン酒蔵ライブ。さっそく申し込みの受付が始まりました。(フェイスブックイベントは以下を参照)

8月28日(金)の19時に、山形県長井市にある鈴木酒造店長井蔵から生ライブが始まり、鈴木大介さんと伊東和哉さんのトークショーの二本立てになるようです。

困りごとを楽しみにかえるイベント。

みなさんもぜひ注文して、伊東和哉さんのライブと、シーズン限定の「しぼりたて」を味わってみてください。(締め切りは8月24日までなのでお早めに!)

あと、今回の注文フォーマットは4合瓶(720ml)×2本ですが、一般家庭の冷蔵庫を想定したもので、今回のために一升瓶から詰め替える(瓶代もかかる)そうです。注文の際に「一升瓶でお願いします」と書くと、手間もコストも省けるようなので受け入れの余裕のある方はぜひ一升瓶で❗️

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