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ビクターザウィナーの逃げを捕らえるのは?馬場バイアスを活かす騎手は誰かを探す高松宮記念展望

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.03.24 16:30~からの文字起こしです。


第54回高松宮記念

蒼山サグ(以下、蒼):高松宮記念の展望に移っていきましょう。こひさんからお願いします。

こひ(以下、こ):高松宮記念は、例年のことですが、そのときの馬場状況や天候などのコンディションも含めて非常に読みづらいレースだと思います。今年は、トライアルをしっかりと実績馬が結果を残してきました。これまでの芯力からの回顧のスプリント戦でも触れていましたが、かなり能力順は一定決まっているのかなというところではありますが、そこに対して馬場状態や雨模様も含めてどういうふうに影響してくるかというところで、予想のし甲斐のあるレースかなと思います。

レース全体をみたときに勝つ可能性があるのは、果たしてどの馬なんだろうというところで見ていきますと、まずは昨年のスプリンターズステークスの1着と2着のママコチャマッドクール。それから、トライアルでしっかりと結果を残してきていて、その前からも実績を持っているナムラクレアトウシンマカオウインマーベルですね。それに加えまして、中間からしっかりと4歳馬で頭角を表してきましたシルクロードステークスを勝ちましたルガル。京都牝馬ステークスでは距離短縮でかなり高い打点を出したソーダズリングと、これらがトップグループというところで、日本勢の一定の勢力図はそこで固まっているレースなのかなというふうに思います。それに対しまして、香港からやってきましたビクターザウィナーですね。この馬が、力関係に対してどれだけやれるのかというところが、まず大きなこのレース全体の構図かなと思っています。

それから問題の中京の芝なんですが、今日雨が降っている中で競馬をしている中で言いますと、内前の方がいいというような傾向だったかなと思います。ただ明日の中京競馬場の天気の予報を見てますと雨は上がっていきそうでして、その馬場がどう回復していくかというところ。その回復状況を踏まえても含めて、内がどれだけ掘れた状況で本番を迎えるかというところで、今日の時点でどこがいいというのを明確に予想するのは難しいなと思いまして、そのあたりはぜひ明日のレースを見ていきながら探っていければなと思います。

ただ先ほどのトップグループで言ったところで言いますと、その傾向で当てはめると、ママコチャウインマーベルですね。この2頭はかなり外を引いてしまったなというような印象であります。やはり先ほど言いましたようにトップグループが固まってはいますが、これらの馬は非常に高いレベルで能力を発揮しているので、ちょっと枠的に他の有力馬と比べるとこれだけ外を引いてしまうと、それだけで苦しいところがあるんじゃないのかなというところで、ちょっと馬場の傾向が大きく変わらない限りは、この2頭は枠的には苦しいかもしれないというところは頭に入れておいてよいのかなと思います。

展開のほうを予想していきますと、たぶんテイエムスパーダですとかモズメイメイが行こうとするとは思うんですが、行く気になったときにはビクターザウィナーが行ききれるような隊列、能力関係になるかなとも思います。もしビクターザウィナーが行かないにしろ、2番手3番手あたりつけるというところで収まるのではないかなと思います。ビクターザウィナーは、香港での戦績を見ますと、少なくとも馬場が悪いことによって大きくパフォーマンスを落とすという印象はありませんので、どの馬がこの馬をちゃんと潰しにいけるのかというところが一番の見どころだと思います。

ここまでを踏まえると今回のレースの枠順を見ますと、マッドクールナムラクレアが2枠3枠をそれぞれ引いているというところが大きなポイントだと思います。この2頭はロスのない競馬が可能なポジションを取れるのではないでしょうか。これらの馬がビクターザウィナーの後ろから追っかけていくのか、いつ先頭に並びかけるのかというところも含めて、積極的な騎乗をして行ったときにビクターザウィナーをひっくり返してそのまま押し切るというような舞台設定が整っているように思えます。

あとはトウシンマカオは、ルメール騎手に乗り替わってきましたので、どういう競馬をしてくるかはわかりませんが、おそらくルメール騎手もこのビクターザウィナーをめがけた競馬をするのではないかと想像できます。これらのトウシンマカオも含めた位置取りですね。2番3番5番のところがどういう並びで2列目3列目に収まるかというところが非常にレースの見どころだと思います。そこで一番ロスのない場所を取ったところが比較的優位になるのではでしょうか。

あとは、その横のルガルの西村騎手。西村騎手とってはG1勝ちの最大のチャンス到来ぐらいの状況かなと思います。ただ前走のパフォーマンスがかなり抜けていたところもあったにせよ、意外に抜けた人気になってるなという印象です。3.8倍の1番人気で2番人気馬が6.0倍というような形になっている、となると最近西村騎手は特にロスをなく上手く丁寧に乗ってくることで、どちらかというと穴馬を良い結果に持ってくることが多い騎手ではあるんですが、自身の経験のないG1勝ちというところがかかる舞台で、この人気でそういった競馬ができるのか。これでちゃんと落ち着いて乗ってくるなら大したもんだなと思います。ただ隣にルメール騎手含めて、今年はドバイミーティングと開催が一週ずれたことにより、騎手もかなりいいメンバーが揃っていますので、そんな楽な競馬にはならないだろうと思います。

以上が大きな構図にはなっているかなと。先ほども申しましたように、今日の馬場状態を見ていると極端な外差しまで明日変わるというところはあまりないかなというふうに思いますので、早めに抜け出そうとするビクターザウィナーに対して、外から行くのか内から行くのか、どうやってそれを捌いに行くのかというところ、そのポジションが取れるというところで、マッドクールなどの内枠勢がどういった競馬を見せるかというところで、一番注目してみたいなというふうに思っております。そういう意味では若干キャリア的に不足をしていて、ここで勝ち切るまでのインパクトはないんですが、例えばビッグシーザーですとかがそういったところで一発かませるような条件設定は整ったなというふうに見ています。

それだけにスタートから200、300、400メートルでどういうふうに隊列が内からできていくかを、すごく楽しみにしています。また、私個人の思いとしては、ナムラクレアがG1を獲得する再チャンスが巡ってきたと思っています。去年のスプリンターズステークスの時に、これほどまで条件が揃ったところはなかったのに、攻めきれなかったと話していたのですが、もう一度攻めれば、何とかなる可能性がある舞台設定になってくれたなと感じています。今日は粗相をしましたが、改めて浜中騎手には強さを見せてほしいと個人的には思っています(苦笑)。はい、以上です。

蒼:ありがとうございました。浜中騎手には期待したいですね。それでは続きまして、ゆたさんからもう一度見解をお聞かせください。

くらみゆた(以下、ゆ):はい、お願いします。高松宮記念についてですが、私個人的には出走が決まった時点で、ビクターザウィナーが多分2枚くらい力が上なのではないかという印象があります。この枠順で逃げたら、捕まらないのではないかと正直に感じています。日本のスプリント路線については、去年のスプリンターズステークスも別路線のママコチャにあっさりと勝たれてしまったように、今の1200メートルを使っている馬は、どうしても緩い勝負している形になっているところがあります。ですから、ビクターザウィナーについて、現時点で10倍ではなく9.6倍がついていることを考えると、もうこれは単勝で行ってもいいのではないかと思っています。

あとは今回、ビクターザウィナーと前でバチバチやろうとする逃げ、2,3番手のモズメイメイテイエムスパーダあたりに、この芯力で覚醒を見届けた藤岡佑介、富田暁が乗ってるのは個人的に注目ですね。この2頭がG1で上手く着を拾う展開になると、その後ろの3列目以降の有力馬たちが苦しい展開になる可能性があるかなと。以上になります。

蒼:ありがとうございました。お二方から見解を伺いましたが、何か補足はございますか?

こ:面白いと思ったのは、ビクターザウィナーの外にメイケイエールがいる並びは、久しぶりにメイケイエールが望む競馬を実現できる舞台は整ったのかなと。引退式に向けて、力は出し切った競馬ができることを期待しています。また、少し気になるのが、ビクターザウィナーに騎乗するリョン騎手です。今日もフランスゴデイナで中京競馬場で騎乗していますが、この中京1200という特殊な条件のレースに挑むのは、今回が初めて。そのため、馬の能力を最大限に引き出すことができるかどうかが気になります。

蒼:ゆたさんの方はよろしいでしょうか?

ゆ:今回みたいなドングリの背比べで勝つ馬が予測しづらい状況を見ると、ソーダズリング、武豊はあまり注目されないポジションで、おそらく自分の競馬を貫くことができるのが怖いなと。フェブラリーステークスのセキフウではありませんが、3着以内に入る可能性は大いにあるのではないかと。

こ:今回の出走メンバーを見ると、そのような戦法がハマる可能性がありますよね。

ゆ:前が競り合って、ビクターザウィナーが追いかけていく中で、みんなバタバタになればハマることを期待したいですね。

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