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実例:コミュニティの種類

コミュニティの育成・活性化を支援している立場から、改めて過去の経験・知見を整理して今後に活かしたいと考えました。コミュニティのご相談を受ける際に、議論の「土台」になれば幸いです。

今回はコミュニティの「種類」について考えてみます。コミュニティの立ち上げを予定している方や実際に運営する立場の方の助けになれば幸いです。

コミュニティの定義

今回の考察では「コミュニティ」を以下のように定義します。

「特定の製品やサービスについて共通の興味・関心があり、相互に知識や知見を共有したいと考えている人の集まり」

コミュニティの種類

それでは、先述の定義に沿ってコミュニティの種類について考えてみます。

ユーザーコミュニティ
特定の製品やサービスについて興味・関心がある人が、個人的な動機で知見の共有や社外との交流を目的として参加するコミュニティ。誰も参加することができるイベントプラットフォームや、Slack/Discordなどの「任意で決めた」オンラインコミュニケーションツールを用いることが多い。

【参加者】一般ユーザー
【参加企業】複数
【運営者】一般ユーザー
【コミュマネ】ベンダー・メーカー社員
【目的】社外との知見共有・交流
【関わり方】個人的な活動が主流
(※コミュマネ=コミュニティマネージャー)

社内コミュニティ
特定の製品やサービスについて興味・関心がある「社内の」人が、業務の一環として(又はその延長)の動機で知見の共有や社内の交流を目的として参加するコミュニティ。会社内のポータルサイトや、Slack/Teamsなどの「会社指定の」オンラインコミュニケーションツールを用いることが多い。

【参加者】お客様企業の社員
【参加企業】1社(グループ会社)
【運営者】お客様企業の社員
【コミュマネ】お客様企業の社員
【目的】社内での知見共有・課題解決
【関わり方】業務としての活動が主流

上記を図説すると、以下のようになります。

この図でポイントとなる点は、以下の通りです。

・ユーザーコミュニティは、複数の企業から参加
・社内コミュニティは、企業(グループ)内から参加

・ユーザーコミュニティは、個人的な動機(が前提)
・社内コミュニティは、業務として(の性質を帯びる)

これには物理的な「場」が関係していることが大きいといえます。社内コミュニティでは、打ち合わせやイベント、また開催の時間帯や運営者の稼働は「業務」の範疇である性格が強いためです。

社内コミュニティの種類

また、社内コミュニティにもあくまでお客様企業内で内発(自発)的に組成されたものとベンダーが主導するものがあります。

内発型
社内で内発(自発)的に組成され、個人的な向上心(または所属組織単位での向上心)を前提にコミュニティ活動が行われるもの

ベンダー支援型
コミュニティのプラットフォームベンダーが、コミュニティマネージャーをお客様企業に専任で割り当て、プラットフォームの利用を促進する目的でコミュニティ活動が行われるもの

この図でポイントとなる点は、以下の通りです。

・内発(自発)型は、あくまで社員個人(または所属組織)の向上心による動機が前提

・ベンダー支援型は、ベンダーの社員がコミュニティマネージャーとしてお客様企業に専任で割り当てる【受動型】

前者はコミュニティへの参加や運営の動機が【能動型】ですが、後者の場合は【受動型】になることが多く「プラットフォーム(ツール)の導入=コミュニティの活性化(利用促進)」にはなりにくいのが現状です。

このため、ベンダー支援型の社内コミュニティにおいては「自発的行動を促すための仕組み(工夫)」が必要になることが多いといえます。

上記の説明は、あくまで一例と考えています。その他の実例やご意見などあれば、ぜひコメント欄やDM(X)などお持ちしています。

#コミュニティデザイナー
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