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考察:「行けなかった人」の理由

あなたは(そのイベントに)
「行なかった」のではなく
「行なかった」のです

イベント主催者として、過去にそう思っていた時期がありました。そして公言もしていました。今から思えばとても偏った考え方をしていたなと振り返っています。発起する人間の性質として「ワンマン」であるがゆえの、物事を強力に進める情熱とパワー。その表裏一体となるのが自己中心的な考え方です。そんな思考性から離れて、「行けなかった人」の本当の理由を自身が実際に聞いた例も交え考察してみます。なお、この考察では「登録」ステップの有無は考慮しておらず、結果としてそのイベントに「不参加」だった人の理由を包括的に探ります(例:「登録はしたが実際は不参加」など)。

前提条件

・特定テーマのMeetupイベント
・毎月や隔月など定期的に開催
・対面(会場)での実施
・参加費無料(懇親会あり)

それでは、上記の条件で実際に聞いた例や自分の想像も含めて不参加の理由を列挙してみます。

不参加の理由(実際に聞いた例)

【会社(業務)起因型】
「イベント開始時間まで、上司との面談があった」
「社内イベントがあり、そちらを優先せざるを得ない」

「異動が決まったので、直接関係なくなってしまった」
これらは本人の意思では変更することができず、業務優先の必要性から仕方がない例です。

【プライベート起因型】
「子供が生まれたばかりで、家族が感染を恐れている」
「突発的に子供の対応が入ってしまったので行けない」
「別のMeetupの運営(参加)をするので行けない」
「『飲み会』に行くだけと思われていて理解がない」
子供への対応も優先的に行う必要性が生じるため「行けない」理由になることが多く、Meetupイベントは18:00以降に行われることがほとんどのため「家族優先コアタイム」との競合が起きやすいといえます。

不参加の理由(想像)

次に、人に実際に聞いたわけではなくとも「こういう状態や心情がありそうだ」という想像をしてみます。心情は表面に出てくる(SNSで吐露される場合はある)ことも他人に伝えることもなく、全てが「内面」で完結してしまうので「推し量る」ことで対策を考えることができます。

「フルリモートなので、わざわざ出ていくのが億劫だ」
「いつも同じ人ばかりなので、つまらなくなってきた」
「いつも似た内容なので、つまらなくなってきた」
「アウェイすぎて話についていけるか不安」
「『コミュ障』なので、初対面の人が怖い」
「体調不良」(本当に症状がある)
「体調不良」(ということにする)
「精神不調」(行く気持ちにならない)
「主催者がどんな人かわからない」
「参加者数が少ないからやめよう」
「なにより業務が優先だ」
「忙しくて忘れてしまった」
「アーカイブで観ればいいや」
「Xポストで見ればいいや」

以上のように、個人としての「行かない」判断は

【リモート勤務】・・社会環境
【代わり映え】・・・コンテンツ
【コミュ障】・・・・心理要因
【心身不調】・・・・心理要因
【信頼不足】・・・・心理要因
【業務多忙】・・・・業務要因
【後追い】・・・・・業務要因

などの理由によって行われることがわかりました。では、この様々な「行かない」判断を覆すほどの参加という行動を誘発するにはどのようにしたら良いでしょうか。

行動を誘発する設計例

「行かない判断」を「行きたいと思える」に変えるには以下のような対策が考えられます。

・社会環境
「わざわざ行く価値」がある交流時間の設定

・コンテンツ
「この内容を聞きたい」と思うテーマ設定
「この人の話を聞きたい」と思う登壇者選び

・心理要因
「初めての人も歓迎です」などの記載をする
「ひとりぼっち」対策を運営スタッフで行う

・業務要因
イベント公開〜実施まで十分なリードタイムをとる
(1ヶ月〜3週間前にはイベント公開が望ましい)
リアルタイム参加の希少性を表現する

まとめ

相手が発する「行けなかった」の言も、それを責める「行かなかった」の主催者の言も、本質は同じです。つまるところ、そのイベント主催者は

「選ばれなかった」

のです。そのイベントは、相手にとって価値があるか。参加者の「わざわざ」を払底するほどの、価値を提供できるか。この観点を忘れずにイベント設計すれば自ずと人は集まってきます。しかし、実際には何らかのイベント実施においては

「コンテンツ」につく
「人」につく

という「エンゲージメント」には2つの側面があり、コンテンツ力が弱い場合や、人的ネットワーク資源(過去に培ってきた人脈)がない場合には「企画するだけ」では集客ができないこともあります。この場合は、かなり「人力」で信頼関係を構築してからコアメンバー組成をしていくことになります。今回のスコープ(範囲)は「イベント不参加の理由」のため、ゼロからのコミュニティづくりのステップについては別途、アウトプットします。

お読みいただき、ありがとうございました。コメントやDM(X)などぜひお持ちしています。

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