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サッカー選手の腕のテープ、あれって何?

こんにちは、守屋です。

試合などを観戦していると、選手が腕にテーピングを巻いているのが気になりました。先日行われた高校サッカー選手権でもテーピングを巻いている選手がいました。

さらにプロ選手であればカラーテープで巻いている選手もいます。でも、すべての選手がしているわけではなく、だからと言って怪我でもなさそうだし…何だろう?と疑問を持ちました。

考えられるのは、

1.装飾品を隠すため
2.汗を拭くため
3.怪我をしたときの固定
4.何かバランスを整えるため

など仮説を立てて調べてみることにしました。

1.装飾品を隠すため

まず疑問に感じた装飾品を隠すという点に関してJFAの競技規則で、 

第4条 競技者の用具

1. 安全競技者は、危険な用具を用いる、あるいはその他のものを身につけてはならない。すべての装身具(ネックレス、指輪、ブレスレット、イヤリング、皮革でできたバンド、ゴムでできたバンドなど)は禁止されており、外さなければならない。装身具をテープで覆うことは、認められない。
競技者は試合開始前に、交代要員はフィールドに入場する前に検査されなければならない。競技者が、認められていない危険な用具や装身具を身につけている、あるいは使用している場合、主審はその競技者に次のことを命じなければならない: 認められていないものを外す。
競技者が外すことができない、またはそれを拒んだ場合、次に競技が停止されたとき、その競技者をフィールドから離れさせる。競技者が拒んだり、再び身につけていた場合、その競技者は警告されなければならない。
引用元:サッカー競技規則2017/18

しかし、なんだかミサンガなどを隠しているのでは?という疑問がまだ残るので本当なのかなという疑問のために、JFAに問合せてみました。

質問:「昨日の高校サッカー選手権でも、高校生が腕にテーピングを巻いていたりしました。プロでも多くの選手が腕にテーピング、カラーテープを巻いていますが、装身具を隠すためではないかと疑問に思ったのですが、ピッチに入る前に審判団でチェックして装身具を身につけている場合は、外すように指示をするのですか?」
回答:「その通りですね。規則では装身具をテープで覆うこともダメですので完全に外すこと。ただ、隠れている場合(足首のミサンガ、覆面をパンツの中に忍び込ませている)などまでチェックはしませんが、見える範囲及び危険な用具と判断する装身具に関しては外すように指示します。」

との返答がありましたので、腕のテーピング又はテープは装身具を隠すためではないということがこれが判明しました。

ただ世界中で同じ基準かと言えば、指輪を隠すため薬指などにテーピングを巻いているのかな?と思う選手もいますので、日本では競技規則が適用されているということになるでしょう。

2.汗を拭くため

汗を拭くならテーピングではなく、リストバンドでも大丈夫では?というか、シャツもあるしテーピングでは吸収力もないしこれはちょっと違うかなと思います。

3.怪我をしたときの固定

これに関しては、

元川崎フロンターレトレーニングコーチ、現名古屋グランパスのトレーニングコーチ(※2018年シーズンの発表がまだありませんので更新された場合になります)の川崎英正さんが「SIXTUS」のテーピングについてのインタビューでこんな風に語っています。

- テーピングをまくことの効果って何でしょう?
けがをした時の固定はもちろん、特に関節が不安定な部活プレーヤー達は、人工芝やハードなグランドでストップする際、間接のブレ等を防止するには非常に効果的です。
また、最近ではヨーロッパの選手を中心にJリーグの選手たち手首にテーピングを巻く選手が多くなってきましたが、これは相手選手をブロックしている時のグリップ力アップや手首の捻挫防止効果があると思います。

つまり、怪我をしたときの固定、捻挫防止、関節のブレ等を防止する効果があるというのも有力な情報となりますね。

カラーテープを巻いている選手がいるのは「SIXTUS(シクスタス)」のテーピングかも知れませんね。

4.何かバランスを整えるため

自分の時代は貼るファイテンが流行ったときでしたので、鼻に通気性を良くするシール、痛みのある部分(膝、肩などにファイテンシール)に貼ると同じように何かしら効果の得られるものではないかと仮説を立てました。

そこで調べたところ、ある理学療法士の方のブログに辿り着きました。

実はパフォーマンステストをすると大部身体の動かしやすさが違います。
1、左右か?両側か?しないか? まず、巻き方ですが、左右の手首を締めて全身の反応のある側を選択します。そして手首を絞めることで全身のどの部位が変化するか評価します。例えば手首→首の安定、手首→脛腓間、左手首→右脛腓間みたいな。最も多いのが大内転筋が収縮しやすくなる感じですかね。
2、前腕回内外のポジションを決める 肩甲骨が最も中心化される前腕と上肢のポジションを選択。腹圧もチェック。
3、巻く方向を選択 前腕のアライメントをよく見てくだされ。
4、筋発揮チェック
1~3をしながらモモ上げなどで力の入り方をチェック。テーピングをすることで発揮が向上していれば成功。

さらに詳しく知りたいと思ってブログを書かれている理学療法士であり、ボディコンディショニングスタジオ Blue Birdオーナーの大曽根さんに電話とメールで確認してみました。

スタジオ BLUE BIRD

「科学的根拠はありませんが、検証している段階ですね。まだ発表はされていませんがテーピングを巻くことでパフォーマンスが向上した選手もいます。ただ、根拠が無いので選手の体感の評価になってしまっている部分があるのが事実です。」

とのことです。しかも大曽根さんは前橋ジュニアユース、桐生第一高校サッカー部専属フィジオセラピストもされているとのことなので、より一層科学的根拠が発表され、認められた場合には一気に普及する可能性もありそうです。

※すぐマネをしないこと

これは私の考えになりますが、このブログを読んでもし


「よっしゃ!今からテーピング巻いてパフォーマンス最大にするぞ!」

と思っている子供や選手などいたら大間違いだということです。大曽根さんのブログにも書かれているように、腕にテーピングを巻けばいいってものではありません。

・自分の身体のバランスを知ること
・手首を締めることで全身のどの部位が変化するか評価する。
・適切な巻き方を学ぶ

が成り立たないと効果が得られないということです。むしろパパフォーマンスが下がる可能性もあります。そして今現在、その効果に関しても検証中であり科学的根拠がないために確証があるかどうかということなのです。

なので、そもそもマルセロや槙野選手、井手口選手、有名選手、プロの選手が巻いているから、マネしてテーピングを巻こうなんて思わずに、まずは理学療法士(しかもサッカーを専門とする)もしくは専門のトレーナーに一度聞いて(信頼できるかは自己チェックが大事)判断することが大事です。

大前提になるのは、自分がパフォーマンスを最大にするためにその手段が必要かどうかです。誰かのマネをするのではなく、自分にはその手段が合っているかどうかが何よりも重要だということですね。

つまり検証の結果、選手が腕にテーピングを巻いているのは

・怪我の予防、固定のため
・関節のブレ等の防止
・テーピングを巻くことでパフォーマンスを最大にする可能性があるため

という結果が一番近いのではということが分かりました。まだまだサッカー選手を取り巻く環境は色んな側面から膨大なデータをもとに検証されて数値化されたりしていくと思われます。

戦術や選手の技術的練習だけではなく、選手の走り方や体幹、競技規則の範囲内で認められるものの中で、あらゆる疑問、仮説、検証の結果、良いパフォーマンスに持っていく取り組みはさらに進化していくように感じました。


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