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男性目線の無痛分娩(完全計画出産)体験談

うちの奥さんは、「痛いのがイヤだ」という至極まっとうな理由で無痛分娩を希望しました。幸いにも我が家は家計には比較的余裕があるため、2つ返事でOKしました(そもそも自分に却下する権利があると思ってないw)。

欧米ではすでに無痛分娩が主流と言われていますが、日本ではまだ少数派にとどまっているようです(ある調査によると15〜16%程度)。ただ、日本でも、いくつかの調査を見てみると年を追うごとに割合が高まっているので、主流になるのも時間の問題のようには見えます。

無痛分娩の話をした際に、奥さんから言われて印象に残っている一言。

2人目欲しいなら、無痛分娩にさせておいたほうがいいんじゃない?(無痛にしないと)「あんなに痛いのもうイヤ!」ってなるかもしれないよw

もともと反対するつもりは全くありませんでしたが、この一言には深く頷きましたw

無痛分娩には麻酔医が必要なため、陣痛が始まったタイミングで麻酔医がいないといけないので、万全を期するには「計画出産」とセットにする必要があるとのことで、いわゆる「計画出産(予め日を決めて出産する)」となりました。

計画上の予定日は、もともとの予定日よりも1週間程度前に設定しました。自分は仕事上、休みにくい日もあるので個人的にも助かりました。ちなみに予定日は、確実に同席できるように土曜日です。

無痛分娩と言っても事前準備としてはそれほど特別なことはなく(自分の知る限り、なので実は何かあるのかも)、あとはドキドキしながら当日を待ちます。

そしていよいよ当日(土曜日)。いや、そういえば、奥さんは前日(金曜日)から入院して準備をしていました。

自分から見ていた限りでは、入院中に行うことは主に、陣痛促進剤と麻酔をちょうどいい塩梅で点滴し続けることです。

看護師さんが定期的に来て子宮口の開き具合をチェックしたり、下のお世話をしてくれたりします(麻酔をしているので自分ではできないらしい)。

また、強すぎる麻酔もできないため、痛みが強くなってきたら看護師さんを呼んで麻酔を点滴量を増やしてもらいます。これは、傍から見ていても判断が難しそうでした。痛みというのはあくまでも主観的なものなので、どこまで痛くなったら麻酔を追加すべきなのか。当然強すぎれば危険を伴うはずですので、痛いけど、できるだけガマンはしたい、という葛藤はなかなかストレスフルだったのではないかと思います。

Q:(痛みは)10段階でいくつですか?
A:5…、いや、6…。

みたいなやりとりが頻繁になされていました。

前日金曜日は奥さんの母親が付き添ってくれて、土曜日からは自分が主に付き添いました。何かと細々と身の回りの世話(飲みものを買ってきたり)をしたり、話相手になったり、それなりに役には立てたみたいです。

初めての出産で病室に一人長時間、というのは精神的にもなかなかしんどそうですので、その点でも計画出産で仕事が休みの日に合わせる、というのは非常にGoodだと思います。

陣痛促進剤と麻酔の調節、子宮口の開き具合のチェックをひたすら続け、その間自分は、時たま奥さんの世話をしながら、病室内のソファで本を読んだり、ゲームをしたりしてリラックスして過ごします。奥さんとしてはイラッとしたかもしれませんが、幸い特にクレームはありませんでした。笑

そんなこんなで一日が過ぎていきます。そう、この日は結局子宮口が十分に開かず、一日が終わってしまいました。夜間は母体を休めるのと、おそらく病院スタッフのみなさんの体制も変わるので、陣痛促進剤と麻酔は一旦休止。自分も帰宅します。

計画出産とは言え、その日に必ず生まれるわけではないとは事前に説明を受けていましたので、まあやっぱりこういうこともあるよな、くらいの気持ちで病院をあとにしました。

翌日、日曜日、再度点滴を打ちながら子宮口が開くのをひたすら待ちます。

開け!私の子宮口!

というのはこの時の奥さんの名言。

お産はパッション

というのは担当してくれた副院長の名言。

そして日曜日も生まれず(子宮口が十分に開かず)。このあたりからやや緊張感が出てきます。一定度子宮口は開いてきているため、胎児が外気に触れるためかあまりこの状態で時間をかけることができず、このまま子宮口が十分に開かないようなら、帝王切開もありうる、ということらしいです。奥さんは帝王切開は避けたかったようなので、マジか!やばいぜ!という感じでした。

そしてこの日も自分はおとなしく帰宅し、明けて月曜。重要な会議があったのでとりあえず出社します。が、出社してほどなく、

いい感じになってきたっぽい!

という連絡を受け、結局会議は欠席w
病院へ向かいます。

そして、生まれたのはここからさらに約24時間後。この日はさすがに夜はかなりいい感じになっていたので自分も病院に泊まって(特別に許可してもらいましたw)、翌日昼頃、無事赤ちゃんが誕生しました。

生まれるまさにその30分くらい前までは病室で過ごし、いよいよ分娩するぞ!というタイミングで奥さんは分娩室へ。自分は立ち会いは希望しなかったので、外のソファで義母さんとドキドキしながら待ちました。生まれた直後の話は、色々あるのでまたどこかで書きたいと思います。

予定通りにいかない可能性について事前に説明は受けていたものの、すっかり土曜に生まれるつもりになっていました。しかし蓋を開けてみれば、予定日からじりじりと悪戦苦闘すること3日間、やっぱり人間の思い通りにはならないものだな、と思いました

金曜に入院して、火曜に生まれるまで4泊5日の入院生活。費用も嵩んでしまい、約30万円になりました。それでも、麻酔のおかげで過度な痛みや恐怖なしに、出産のまさに直前まで(少なくとも表面上は)普段のように会話などしながらゆるゆると過ごせたのは、奥さんにとっても自分にとっても、幸せなことだったと思います。

将来第二子を授かることがあれば、また同じ病院で同じようにして出産に臨みたいと思います。

最後に、日本には陣痛の痛み信仰(痛い思いをして生んだ分だけ愛情が強まる)があると一般的に言われていますが、恐ろしいことに、実際にありますw(少なくとも自分は、耳にしたことがある)

まあ言うまでもないですが、そんな意見は気にしないようにしましょう。

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