京都大学大学院 生命科学研究科 大学院入試

2024.5追記

共通専門科目の実施形態が、

2022年度→2023年度 試験時間:1時間 (据え置き)、問題数:2→3
2023年度→2024年度 試験時間:1時間→2時間 問題数:3 (据え置き)
2025年度 試験時間:2時間(据え置き) 問題数:?

とここ数年毎年なにかしら変更点があるようなので、最新の情報を十分確認してください。試験時間伸びた分また問題数の調整が入ってもおかしくなさそう……

あと一応入学後に得点開示ができますが、本当に得点しかわかりません。順位とか合格最低点とかの情報はないです。あと英語民間試験の換算方法も謎。

はじめに

ずいぶん機を逸してしまったが、せっかくなので外部院試受験期を記しておこうと思う。
別にえらそうに何かを語るようなトピックでもなく、勉強すれば受かるよという感触なのだが、自分が入試と聞くと不安になるタチで先達の体験談に励まされていたので、これから試験にのぞむ皆さんの気が少しでも楽になれば幸い。

さて、タイトルにもある通りこちらは「京都大学大学院 生命科学研究科」の修士課程の受験記である。もしかしたら他の大学や研究科でも、同じように分子生物学が試験範囲であれば多少参考にはなるかもしれない。

ここの院試は4種からなり(2022年当時)、
・英語 (各種スコアシート提出可)
・共通筆記問題 (エッセンシャル細胞生物学より出題)
・研究室別筆記問題
・面接

である。英語は各試験対策のノウハウがたくさんあると思うのでそちらに譲り(4年生の4月には提出可能なスコアシートを持っている状態にはしていた)、研究室別問題は希望研究室の先生か在学生に聞くしかないので、共通問題について。といってもそんなに目新しい話は特になくて、結構ギリギリから院試対策を始めたクチだったのでそのあたりに勇気づけられていただけたらなと。

※ただし、大学受験の段階から生物選択で、学部時代も授業の中で細胞生物には触れてきたので、正確にはゼロからの積み上げではない

院試対策スケジュール


・6月中旬~下旬:実験の合間に指定参考書のエッセンシャル細胞生物学を通して読む

・6月下旬:一旦通読したので過去問を解き、得点が2割ぐらいしかなさそうな出来に絶望。

・7月上旬~中旬:不安で実験の失敗が増えていたので、進捗報告を区切りにに院試休みの許可をとる。頭に入っていない知識は適宜ノートにまとめつつ、エッセンシャル2周目。章末問題もセットで解く。院試の大問はだいたい分野ごとに出来ているので、阪大理学・九大理学(化学専攻の生物化学部分)・北大生命科学あたりの「エッセンシャル細胞生物学」か「CELL」を元に出題している大学院の院試の過去問を解く。阪大は模範解答も大学が公表していて、たいへん勉強になった。

・7月中旬~:京大過去問に戻る。他大の過去問も併用しつつ、基本は
①解く→②答え合わせ→③知識不足や理解不足の部分はCELL(エッセンシャルの大元のめっちゃ分厚い細胞生物の本)を読み込み、2周目の際に作成したノートに書き足していく。この時、ついでに目に止まった周りの記述にも目を通して知識を強化(例えば、miRNAについての調べ物のついでに、piRNAとか含めノンコーディングRNAについて一通り読むとか)

を繰り返す。阪大理学、前の年に京大生命で出た問題出しがちなのか……? とか要らん傾向に気づく。どうでもよい。

この頃には演習しながら大問ほぼ完答、全体の得点も7割5分以上はあるやろ、といった手応えを感じており、だいぶなんとかなる気がしてきていた。

当日

試験当日は午前中雨が降っていて、道中濡れるわ、試験会場もじめっとしていた。前々日に京都入りする交通機関が大遅延をかますなど色々不吉なことが起こっていたが、試験開始直前に衝撃的なことが告げられる。

「例年2題を選んで解答でしたが、今年から3題になっています。間違えないでください」

試験時間は1時間のままなので、単純に問題量が1.5倍である。会場がざわつき、自分も不安になる。結局、序盤で登場した計算問題を深追いしすぎた感覚があり、時間不足を感じながら過去問演習の際には考えられない解答用紙の完成度で試験時間が終了し絶望しながらお盆をすごしたが、合格していたのでめでたしめでたし。

自分にしては珍しくかなりきちんと試験に対する準備をしたはずだったが、それでも心の余裕を持って乗り切ることできず。なんで急に増やすねん……。

でも、ちゃんと勉強すればイケるなとは思った。これを読んでくれた受験生には、「話が違うやないか!」みたいなことがたまに起こるから一応心の準備をしておいてほしいところ。

むすび

外部院試となると3年生から勉強していたり、なんかとにかく周到な方が多くて焦ったのだが、短期決戦のほうが得意な人は直前2ヶ月弱ぐらいでふつうに対策できるので自分に合う方選ぶといいと思う。
自分と似たようなことをやっていた先人のブログにだいぶ励まされていたので、置いておく。というより、阪大筆頭に他の旧帝大の院試過去問を演習材料にするやり方はこちらを参考にさせてもらった。

おまけ

面接はオンラインかつ「合否に関係ないから気楽に」と言われ、研究室別問題の出来を褒められ、共通問題の手応えを聞かれ(時間配分を間違えた気がする、という話をしたところ突然の問題量変更に他の受験生も当然大パニックだったらしいことを教えられる)、最後少し時間が余ったところでは教授の論文で気になっていたところを質問させてもらい、終了。第2志望の研究室も自己紹介・大学生活の思い出・院試の出来といった感じだった。

併願で一応受けていた自大学院試の面接が一番しんどかった。

生命系の院試だと色んなところでおすすめされている問題集があるが、個人的には古い本なので近年の研究内容や研究手法をカバーしておらずイマイチ。最近の他大の院試を漁るほうが有益だと思う。

では、体に気をつけて勉強頑張ってください!

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