KOSSO RICOTTA CHEESECAKE 誕生秘話 経営者&企画側からの視点
CHEESE STAND公式noteでは、KOSSO RICOTTA CHEESECAKEの概要について語られているので、経営者&企画側からの視点でいくつか書いてみました。
そもそもの誕生理由
2020年4月と5月。僕はとある理由で入院していました。すこしずつコロナの拡大により、病院で不要不急の手術を控えるように言われていたけれども、僕にはお尻に火がつくように急ぎたかったのでした。1週間の入院ということで、集中できる環境にいたため、コロナで売上が下がる中で自分たちの強みをまとめ、出来ることを考えていました。
これです。2020年3~6月ぐらいは次々とやれることをやっていきました。
その病院の中で、強みを列挙していく中で、パティシエ経験者がいる、1号店のSHIBUYA CHEESE STANDに有効活用できる未使用のスペースが有る、保健所の歌詞製造業の許可もあるということで、チーズケーキ作りをしようというアイデアが浮かびました。
実はオープン時から考えていたことでもあり、先日顧問の方と話していたことなのですが、Mr.CHEESECAKEさん以前は「チーズケーキといえば?」といっても中目黒の「ヨハン」など美味しいところはあっても、全国レベルで言ったら「りくろーおじさん」や「LeTAO」「BAKE」などであり、食材やストーリーにこだわったチーズケーキを作れれば勝機があると考えていました。
ヒアリング
最初は「チーズのおやつ」という商品名で今ある電気オーブンで、オープン当初からある「のびるチーズケーキ」とクリスマスなどで作っていた「(バスク風の)ベイクドチーズケーキ」小さなケーキを作っていきました。
これはこれで十分に美味しかったのですが、CHEESE STANDならではのもっと特徴のあるチーズケーキを作りたかったです。
5月に動き出し「チーズのおやつ」製造販売は開始し、爆発はしなかったけれどもそこそこコンスタントに売れていました。そして多くの有名レストラン、更にはあの三つ星のカンテサンスさんや、中華料理、和食店も乗り込んでくるじゃないですか。多額の設備コストをかけて改装をしてまで投資回収できるのかな、お客様に受け入れてもらえるのかな、と二の足を踏んでいました。
いろいろな人と相談をしていくと、
え、「今からそのチーズケーキ戦国時代にのりこんでいくの?」「和菓子とかのほうが面白いのは?」という声をいただいたり、逆に「新しいなにかデザートをやるよりもチーズケーキなら買う」「CHEESE STANDならではのチーズのプロが作ったチーズケーキなら食べたい」というアドバイスを頂きました。
けれども、Mr.CHEESECAKEさんが、12月にコンビニでアイスやチロルチョコを販売するのを見て、チーズケーキの可能性を感じたのです。僕たちもヒット商品をつくりたい。と。
重いお尻を上げて動き出すことにしました。
試作
僕たちの強みである大手で働いていたパティシエ経験者の日向は技術や経験は多少ある一方で商品開発は未経験。クリエイティブ面を考えると、もっと力が必要と判断しました。
そこで、いままで様々なプロデュースを手がけられていて、尊敬する友人である西麻布HOUSEの谷さんに作ってもらうことにしました。ただ谷さんは2年ほど前からNYへ移住。電話の打ち合わせからスタートしました。
■CHEESE STANDのチーズらしさが出ること(リコッタの予定)
■リコッタを使うのであればリコッタの食感が残ること
■自分たちの使っているチーズを使うこと
電話で話したので、覚えてはいませんが、こちらから出した要望はそのような内容だったと思います。
当初は多くの飲食店がやっているテリーヌ型を考えていました。
その後、谷さんからいくつか案をだしてくださり、HOUSEのスタッフさんが作ってくれ、試食、ミーティングを繰り返しました。
その後、パティシエの日向と一緒に、HOUSEの厨房に入らせてもらい製造を習い、厨房メーカーのテストキッチンにも行って、導入予定の機器を使って試作を繰り返しました。
当初は、グラハム粉のクッキー生地をつけたり、少量入れるクリームチーズとマスカルポーネの違い、焼き方の違い、色々試しました。結果水分が多いリコッタのチーズにはクッキー生地が向いていなかったりと、発見がありました。
その間に、コンビニから有名レストランまでチーズケーキをたくさん食べてきました。
消費期限テスト、栄養成分検査、細菌検査などを経てようやく製造へと向かっていきます。
厨房設備
平行して、厨房機器メーカーに見積もりを取りました。
また、今までのチーズ工房とは別であることを伝える必要があると思ったので、わかりやすいネオンを作りました。
ざっくりいうと
・スチームコンベクション一式....80万円
・ブラストチラー..........................40万円
・設置費用・動力追加費用............32万円 ※窓を外すためコスト高い
・出荷保管用冷凍庫.......................30万円
・ネオン.........................................45万円
合計 227万円
これぐらいの費用がかかりました。まぁ色々高い。
小規模持続化補助金を使い、50万円の補助が採択されたので実質、180万円の出費です。(2020年は最大100万円補助だったので判断が遅いと機会を損失することを痛感しています。)
採択を待っていたりして稼働が遅くなってしまった。費用対効果、スピード感を考えると、補助金の利用というのは慎重に考えなければいけないなと考えています。
パッケージ
パッケージは、「バターのいとこ」などデザインを手掛けるALNICO DESIGN平塚大輔さん。元スタッフの紹介でお会いして、何年もかけて他の仕事も今一緒にやらせてもらっているのですが、とても丁寧な仕事をしてくださっています。
パッケージのやりとりについては公式にも書いてあるので、ぜひそちらをご参考にしてください。
こちらではパッケージ案の裏話も。大輔さんには最初に試作品を食べてもらい、そこからイメージしたものを得にしてもらいました。
・家族で食べている
・優しい感じ
・懐かしさ
などというところから最初のデザインはこういった感じでした。
可愛さはあるのだけど、今まで大輔さんが作られている作品からはシンプルで、特徴があまりないパッケージだと判断したので、もうすこしキャラクターっぽいものをつくってほしいと話をして、すぐに現在の案を出してくれました。
それは、
・さっぱりしていて、リコッタを使っていてカロリー低めなので一人でも食べれてしまう。
・小麦粉もクリームチーズも使っていないからカロリーが低い。
・夜中に食べても罪悪感を感じない=こっそり
というところから「こっそり食べたい」といったフレーズや「KOSSO RICOTTA CHEESECAKE」というネーミングまで決まっていきました。
箔押しをする、材質をどうするなど製紙会社を含めて何度もやりとりをして、外面が完成しました。
味からストーリーまで、デザインて全てがつながっている必要性があるのだと大輔さんと仕事をして改めて考えさせられています。多くの方から反応があったのはストーリーがバシッとはまっていたからだと思っています。
他にも箱の大きさの合った中のパックをさがしたり、水分が多いので解凍の際に水が出てこないような紙を探してテストしたり、配送用のダンボールなどをさがしたりと細々と時間がかかりました。
販売へ
チーズケーキの製造、厨房設備、パッケージなど同時並行に進めながらも、なんだかんだ時間がかかりました。いやー、遅いな、反省。
パッケージの納品日が決まり、そこに合わせてプレスリリース日+販売日も決めました。
11月1日によーいどん、で発売開始して、1週間分は売り切れ。
今は次の週のものを販売しています。おかげさまで店舗でもたくさん売れています。
よりよく届けられるために、オペレーションを現在もなおスタッフと喧々諤々とやり取りしています。
自信を持った商品なので、多くの皆様に届くといいなー!
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