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僕たちの考える広告&広報戦略

広告って邪道?

飲食店の皆さんにとって広告って、マイナスイメージがないでしょうか?

グルメサイトやクーポンにお金を払って集客するということは、資本が入った大手飲食ビジネスがやるもの。

「お金を払って、集客する。」

味で勝負する飲食店の方には、お金を払って集客する行為は、食の本来の味で勝負していなく、邪道なモノのような気がしませんか。

僕たちも自分たちの商品を味で見てほしいという考えから、一度だけコンセプトや雑誌のスタイルに共感したため雑誌RiCEさんに協賛広告をうったとことがありますが、それ以外はありません。

でも、広告も広報もとてもとても大切なものだと感じています。なぜなら雑誌やメディアに取り上げてもらうだけでなく、自分やブランドの想いを伝え続ける必要があるからです。

松下幸之助さんがこう言っています。

正しい広告、宣伝は、社会になくてはならないものだ。良い製品であればあるほどより早く、より広く、世間に知らせることが企業の義務である。

自分たちがよい商品を作っていさえすれば、多くの人に認知していただくという意味で、当たり前ですが広告は決して悪いものではありません。

広報と広告の違い

広報と広告が紛らわしいので、一度辞書を引用してみようと思います。

こう ほう [1]くわう- 【広報】 ・こう- 【弘▼報】
官公庁・企業・各種団体などが、事業内容や活動状況を一般の人に広く知らせ、理解を求めること。また、その知らせ。文書 PR 。 「 -活動」 〔同音語の「公報」は官公庁がその施策について国民に発表する公的な報告のことであるが、それに対して「広報」は官公庁・企業などが事業内容を一般の人に広くわかりやすく知らせ、理解を求めることをいう〕三省堂(weblioより引用)
こう こく くわう- [0] 【広告】
( 名 ) スル
① 人々に関心を持たせ、購入させるために、有料の媒体を用いて商品の宣伝をすること。また、そのための文書類や記事。 「新製品を雑誌に-する」 「新聞に-を出す」 「新聞-」
② 広く世の中に知らせること。 「新聞紙にして…天下に-する/明六雑誌 20」 「その為に一言-します/侏儒の言葉 竜之介」 〔 (1) advertisement の訳語。 (2) 類義の語に「公告」がある。広く世間に告げ知らせるという点では、共通であるが、「公告」が公的な性格を持つ内容を告知することをいうのに対し、「広告」は私的な内容のものを知らせることをいう〕三省堂(weblioより引用)

広告はお金を払って出す宣伝行為。

こういった意味では自社のオウンドメディアは自社広告でもあり、マーケティングの一環であるとも言えます。

SNSの台頭

2000年代後半からSNSが出てきたことで、(無料で)自分たちの想いを伝えることができるようになってきました。

飲食店の事例としては初期に西麻布・豚組さんなどがTwitterを集客のツールとして効果的に運営されていました。(が、私たちは真似できるほどの能力がなかったため、Twitterをうまく活用できませんでした。。)

オープン当初の2012年にはFacebookのアクティブユーザーが増え始めた活発な時期。instagramユーザーも徐々に増え始めていた時期。僕たちも創業当初は看板娘の牛をFacebookのファンページやinstagramに載せていただいたり、おかげさまでとても助かったものです。

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ただ、2018年に行われたFacebookのアルゴリズムの変更により、小さなブランドにとって、とても貴重なニュースや新商品の告知などの声を届ける手段がなくなってきました。

運営していて、これはとても大きな打撃でした。


そもそも広告が届かなくなっている

さとなおさんこと佐藤尚之さんが情報量について著書で以下のように語られています。

今、世界は、いまだかつて人類が誰も経験したことがない多量な情報に囲まれている。アメリカのIDCの調査によると、世の中に流れている情報量は、2011年の段階で「世界中の砂浜の砂の数(1ゼタバイト)より多い」そうである。
世界中の砂浜の砂の数より多いって・・ほぼ無限だ。それどころか、東京オリンピック・パラリンピックがある2020年には、45ゼタバイト流れると予測されている。(「ファンベース」佐藤尚之著 ちくま新書)

どう考えても日々生活していく中で情報が多い。いろいろなニュースサイトに加え、各企業が運営するオウンドメディアやまとめ記事。こういったnoteやtwitterで多くの経営者も自分たちの想いを発信している。

せっかくお金を払って運営しているオウンドメディアも、きちんと考えていかないと、届かなくなっている。

さらには有料で掲載する広告は、インターネットのニュースの中では、もはやノイズになってしまっているものも多く、広告であることを隠して見させる記事も多くなっています。

そんな時代にどうやって自分たちの想いを伝えていくのか。


僕たちの広報・自社広告の考え方

僕たちは、2012年オープン当初すぐにご縁があって、パートで広報を採用しました。小さな飲食店では稀なことだと思います。

僕たちのように全く今までに同様の業態がないような未開拓な分野は、取材も多く、発信の仕方次第では流行り廃りのものになってしまいかねなく、自分たちの想いや姿勢を発信することの重要性を感じていたためです。その後、入れ替わりもありますが、ほぼ全ての期間に広報担当者がいます。

これまで500件以上の雑誌や100件近くのテレビ・ラジオの取材をいただきました。

また、多くのライターさんやシェフの方々のお力を借りながら、2015年ぐらいからオウンドメディアも運営しています。

当初の目的は、もっとチーズを普及する。= いろいろなチーズを紹介するといった理由から「CHEESE Media」と名付けましたがその後ファンベースの考え方からもっと自分たちのチーズにフォーカスしたようなサイト「CHEESE STAND Media」にリニューアルして運営しています。

また、料理研究家の方に力を借りて、レシピカードというものも継続して作っています。


これらはすべて、「チーズがまだまだ身近でない」という想いから作っています。もっともっと身近にするために、もっともっとより多くの方に食卓にチーズがある生活の提案を投げかけていると行った状況です。

こうやって、チーズを使った生活を提案することで真摯に作っている自分たちのチーズをもっともっと広めていきたいという想いがあります。

ファンベースとしての紙媒体

僕たちは今現在ファンベースを軸とした会社作りを行っていこうと考えています。

そのために、まずは僕自身が多くのイベントに参加して、お客さまと会話などを増やそうとしています。もっともっとお客様との関係を密にしていきたいと考えています。

そんな中で思うのは、今後日々の発信としてSNSも同様に力を入れながら、ご来店いただいていたり、ECで購入してくださっているお客さまへ、私たちの想いや最新のニュースを確実に届けられる自社広告として紙媒体の新聞のようなものを作っていくのが現段階で一番良い方法なのではないかと考えています。

そもそもが弊社の商品を購入してくださる方は、私たちのブランドや商品を好きでいてださる可能性が高い。その方々に届けるものは、決して店舗の営業時間や住所が書いたものだけではなく、タイムリーな情報や私たちの想いやスタッフの声、またチーズの美味しい食べ方といったものなのではないか。そしてファンの方に、近く、早く、濃厚に確実に、届けられる媒体が紙であると考えました。


決して新しい考え方ではなく、昔から多くの方がやってきています。また、紙を印刷するということは時代に逆行することかもしれません。デザイン、印刷、写真など諸々お金もかかるでしょう。

けれどもファンでいてくださる方とのタッチポイントとして、最強のツールなのではないかと見直し、現在制作の進行中です。


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楽しみにしていてください。

また逆説的ではありますが、同時に何ヶ月間のみ実験的に宣伝広告をうってみて、認知の効果測定みたいなことをやってみようと思います。


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