見出し画像

既婚者なのに相席居酒屋に通っていた話【その2】

二回目の相席居酒屋

前回の話(https://note.com/shinjo_akira1234/n/na2864a8f0c0b)で、初の相席居酒屋デビューはものすごく若いメンズに当たり、ただただ罪滅ぼしに終始したという苦い時間を経験した。そこでリベンジを決心した私は、婚活をしている友達と飲みに行くと、二次会は必ず相席居酒屋に行くという流れの週末となっていった。

設定を考える

二回目になると設定をちゃんと打ち合わせして臨んだ。歳は5つ誤魔化し32歳にしておけば20代が来ても40代が来ても対応できるだろう。職業は看護師と言うととてもウケが良い。住まいは少し遠いことにしておけばハズレだった時の帰る言い訳になる。私はバツイチ子持ちということにしよう。全く的外れな嘘ではないし、少し事実も交えている絶妙な設定だ。こんな裏設定をしている時点で本来の目的である友達の彼氏作りをするというミッションをすっかり忘れている。

緊張の殿方との対面の時

着席し、二回目なので何となく心に余裕を持って殿方を待っていると…

「男性の方いらっしゃいました。…あの、今入り口にいらっしゃるのですが、席に到着するまでに少しお時間がかかるかもしれません」

バツが悪そうに店員さんが私たちに説明をする。

????どゆこと????

気になって通路の方に目をやるとすぐに謎は解けた。杖をついている白髪まじりの初老の男性と寄り添う30代後半ほどの殿方。杖をついていて歩くのに時間がかかるはずだ。

????どゆこと????

推察すると、この二人は職場の上司と部下で、30代の部下になかなか出会いが無いため、上司である杖の男性が相席居酒屋に誘ったのではないかと思った。家族経営のような会社で女性の少ない職場なのではないか。

私の予想は的中した。初老の男性は社長で、30代後半の男性は従業員だった。年齢も予想通り30代後半の37歳であった。何でも、会社の飲み会があり、二次会的なノリで今話題の相席居酒屋に来たとのこと。二次会的なノリとは私たちと一緒ではないか。

今回のメンズはよかったと思いきや

前回と違って私たちの設定上の歳と近い、いや、正確には私たちも37歳なのでもはや同い年の人と初老の男性。それだけで本当に気が楽だった。しばらく談笑をしてお酒が進んだ頃、初老の男性が「後は若い者同士で」と去っていった。もちろん階段を降りるまで介助をして差し上げた。

残された私たちはカラオケにでも行こうかという話になったが、何故かその37歳の男性がソワソワし始めた。

「僕、お金…が…なくて… カラオケは割り勘で…お願いします…」

あ、いいんですよ、そんなのは気にしなくて…と思っていたところ、彼は続ける。

「実は…お小遣い制で…妻が厳しくて…」

_人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
>既婚者かよ!!!!!!!解散!!!!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

どの口が言うのかと自分でも思うが、既婚者が来るととっても冷める。

私は次なる設定を考え、私の相席居酒屋リベンジの旅を続けることとなるのである…続く。

読んでいただけるだけで感謝感激雨嵐です!! いただいたサポートで飲みに行きます!嘘です!いただいたサポートで新たな体験・勉強をし、それを漫画エッセイにて還元させていただけたら…と思っています。