見出し画像

U-NEXTの韓国バラエティおもろ

韓国のサバイバルバラエティ番組が思いのほか深かった話です。

U-NEXTに登録

伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキが書いた「笑いのカイブツ」という本を読んだ。この本は岡山天音さん主演で映画化されていて、絶賛上映中とのこと。「映画化ってどんな感じになるんだろう…」とモーレツに気になったけど、読み終わったタイミングは夜中の2時過ぎ。今!NOW!ホカホカの状態で観たい!!という気持ちだった私は、「笑いのカイブツ どこで観れる」でグーグル検索をかけた。

検索上位に表示されたとあるブログ記事の冒頭、こんなリンクが貼られていた。

あ、もうU-NEXTで出てるんだ!!……ということでさっそく登録を済ませた。

騙された。ない。

しかし……探せどさがせど、「笑いのカイブツ」は見当たらない。さっきのご親切なリンクは、どっかのブロガーのアフィリエイト広告だったのだ。騙された……ムダに登録させられた。ちゃんと確認しなかった自分への情けなさと同時に、ブロガーのミスリードに対して欲まみれがよ!!と苛立った。でも時すでに遅し。ここはポジティブに考えたい。このタイミングでU-NEXTに登録したのも何かの縁かもしれない。とりあえずどんな作品があるのか見てみることにした。

いろんなジャンルがあるけど、韓国のバラエティがけっこう充実してそう。韓国の俳優?がわちゃわちゃ交流するバラエティとか、恋愛バラエティとかがたくさんある。そんななかで私が気になったのは「血のゲーム」というサバイバルのバラエティだった。

先に言っておくと、血は流れないのでご安心ください。内容はこんな感じ。

地上波放送不可!頭脳、フィジカル、裏切り、色気、勝利のためならどんな手段も問わない超過激なサバイバルゲームが幕を開ける…。

https://www.bloody-game.com

頭脳派には、IQ156のメンサ会員・eスポーツプロゲーマー・プロポーカープレイヤー。フィジカル派には、NBA選手・海軍特殊戦旅団出身・ダンサーなどがいる。個性ゆたかな14人のプレイヤーで賞金3億ウォン(日本円で3000万円くらい)を奪いあうという趣旨の番組だ。ちなみにゲームはこんな感じ。

ほぼ数字ゲーム!!記憶力とか運の要素もあるっちゃあるけど、冷静に数字で判断できる頭脳派の人が有利になるゲームが多い。「じゃあメンサ会員の優勝じゃん」と思いながら見はじめた。

メンサ会員の優勝?→そうでもない

実際プレイヤーたちも、メンサ会員を一番敵視していた。しかし!!!蓋を開けてみたら、ほとんどが人と協力しなければ勝ち残るのが難しいゲームばかり。個人プレイを得意とするメンサ会員は、窮地に立たされてしまう。たとえば「昼と夜」というゲーム。

選んだ時間に短針が止まれば得点をゲットできるが、夜は短針が何時を差しているかがわからない。「今は何時で、何時に得点したいのか」を複数人で確認しながらサポートしあうことが生き残りのカギになる。しかし……メンサ会員は「他人と群れる必要がない」といわんばかりで、ほとんどチームの輪に入ることなく個人プレイを続けた。そんな姿を見たプレイヤーたちは、「あいつはたしかに賢いけど、協調性がない人と組むと生き残りにくくなる」という理由からデスゲームに送りこんだ。そしてメンサ会員は割と早い段階で脱落してしまったのだった……

超賢い一人のプレイヤーよりも、特別賢くなくても人と協力できるプレイヤーのほうが結局生き残れるということなのだろう。

最初は「ただのゲームバラエティ」だと思って見ていたけど……そういうやりとりを見ていくうちに「なにこれ、とんでもない人間ドラマじゃないか!!」と気づいた。そこからは食い入るように見入ってしまった……(そして朝の4時になった)(20話以上あるからね)

これ戦争の話じゃ??

生き残りをかけたサバイバルバラエティ。これは「戦争」をなぞっているようにも思える。(考えすぎですかね??)

舞台はバリ島。チームAはプール付きの豪華なホテルに泊まりながらゲームをする。一方でチームBは森のなかにテントを張って、水と卵とイモしかない極限状態で生活をしている。チームBがホテルを襲撃してミッションをクリアできれば、チームの寝床が入れ替わるルールだ。まずこの「領土を奪う」みたいな考え方からしてまるっきり「戦争」じゃないか???

襲撃の直前。チームBのメンバーは、空腹と疲れから「本当にうまくいくんだろうか…」と不安になる。そんな空気を打破しようと、海軍特殊戦旅団出身が「もうここには絶対に戻ってこない」という意味を込めてテントをザクザクに切り刻みはじめた。それを見たメンバーは「そうか…俺らはもうここには戻らないんだ!」と決意を堅くし、イスから毛布までみんなでぐちゃぐちゃにすることで士気を高め、襲撃に挑んだ。

その結果、襲撃は成功。チームAは、突然襲撃された理不尽さとゲームに負けた悔しさを抱えたまま、森のなかへと入っていく。着くやいなや目にとびこんできたのは、ザクザクに切り刻まれたテントやイス、牛乳がかけられた毛布。……唖然である。「あいつら、こんな卑劣なことまでして俺たちを苦しめたいのか……?絶対にぶっ殺してやる!!」……そんな共通認識から、思わぬかたちでチームAの士気も高まったのだった。

実際の戦争でも、こういう「ちょっとしたボタンの掛け違い」が起こっているんじゃないのかな?と思うなどした。

韓国のバラエティすご……

韓国って、本も映画もちゃんと社会問題に根ざしているからすごい。でもまさかバラエティでここまで考えさせられるとは……そのバイタリティに驚かされる。

バラエティだから、ある程度面白くするための台本みたいなものはあるのかもしれない。でも、たとえ100%ヤラセだったとしても、くだらないクイズ番組に走らずに血の通ったドキュメンタリーチックなことをやれてるのがすごい。モキュメンタリーに匹敵する。

日本のバラエティがあまりにもくだらないので、久々にこういう刺激的なバラエティを観れてちょっと感動した。もっといろんな国の番組が観てみたいな〜!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?