雑記 10月3日~

10月3日

 ずっとずっと、ずーっと苦労してきた、RFIDに触れたくだりをようやく書き終わる。誰も書いていないようだし、ちょっと掘り下げてみようと思ったことからこんな地獄が始まるとは夢にも思わなかった。

 長い文章を書くのに苦労する理由が突然わかった。わかりやすく書くには、各段落は結論がさき、続く文はそれの補足、という形にすべきだが、文章全体は、前提・問題提起から結論に向かう。つまり、真逆の二つの方向に思考を働かさなければならないのだ。

 ちまちました分析とか読解とかを書くのはそれなりに得意だと思うのだが、全体の文脈のなかでその分析が何の意味を持っているのかを示すような記述、一つの分析からもう一つの分析へと移る箇所でうまく文脈のつながりを理解させるような記述を書くのがものすごく苦手でしんどい、という話を彼女にしたら、普段の会話からそうだよ、といわれる。なにが意図か、よくわからない話を熱心にしていることが多いそうだ。病気の人みたいである。

10月4日

 警備仕事。右翼の街宣車をみかける。拡声器からの声が十代ではないかと思うほど若く、おまけに途中でトチッたりしている。新人研修中なのだろうか。

 会社の同僚が、かつて性風俗の店長をしていたことを知る。朴訥な雰囲気の人なので意外。

「女の裸もみあきた。股ひらいて『店長剃って』やぞ。逃げんようご機嫌とらなかんし、黙って剃るしかない」

10月11日

 しばらく間が空いたけれど、そのあいだに、チキンとプラム、コララインとボタンの魔女、ギャレス版ゴジラなどをみた。コララインがとにかく圧倒的に面白い。チキンとプラムもなかなかよい。ゴジラはうーん。

 10月3日の日記に、RFIDの話をようやく書き終わったバンザイ、みたいなことが書いてあるけれど、じつはそののち問題が発見され、ふたたび泥沼の格闘が数日に及んで展開されていた。もう本当に嫌だ。一生書き終わらないんじゃないかという不安に襲われる。

 アンカル、絵はすごいけど話はなー、と思っていたのだが、読み返したらストーリーも面白く感じてきた。ホドロフスキーによる洗脳が進んでいるんじゃないのか。恐ろしい。ホドロフスキー自伝が書店にあったのでぱらぱら立ち読みしたが予想以上にオカルト話が多くてちょっとひく。

 ジョー・ヒル脚本のコミック、ロック&キーを読んだ。なかなか面白い。ロック&キーもコララインも、呪われた屋敷に引っ越したために怪異に襲われるという、昔からよくあるホラーのパターンにのっとっているのだが、そういうお約束ネタにも新しいバリエーションがどんどん生まれているのだな。


 



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