新川国語教室

自らも中学受験を経験し、都内国立中学・高校から東京大学経済学部へ進学。卒業後、ロンドン…

新川国語教室

自らも中学受験を経験し、都内国立中学・高校から東京大学経済学部へ進学。卒業後、ロンドン大学で経済学修士号を取得。「東京都中央区新川の国語教室です。小学生を対象に、完全マンツーマンで個別指導を行います。家庭教師により、ご家庭のニーズにマッチした教材・方法で指導します。」

最近の記事

SAPIXテスト物語文「女子の心情把握」は男子に不利?②

前回ブログ①に続いて、SAPIXテスト物語文「女子の心情把握」です。物語文で問われるのは「登場人物の心情変化」ですから、これを丁寧に追いかけなければなりません。6年生4月のマンスリーで出題された『給食アンサンブル』を例に説明します。 主人公の女子中学生は、過去への「未練」からクラスメイトに「心を開けず」、「意地」を張って「自己嫌悪」に陥ります。一方、クラスメイトは、主人公に「裏切られ」たと「怒り」を感じ、「意地悪」を言ってしまって「後悔」します。そして最後には、仲直りしたい

    • 【読書メモ】『八秒で跳べ』坪田侑也

      現役医大生による高校バレー部の物語。 プレー中の描写がわかりやすくて、チームがギクシャクしている試合も、絶好調の試合も、リアルに伝わってきた。 主人公にとって、バレーボールが「好きとか嫌いとかじゃない」「生活の一部」であったように、私も青春を何かで埋め尽くしてみたかった。 最終章「八秒」稲村東高の和泉君がかっこいい。

      • 【読書メモ】『風に立つ』柚月裕子

        少年春斗が、南部鉄器の工房に、補導委託(問題を起こして家裁に送られた少年を一定期間預かる制度)でやってくる。 工房の大人たちが春斗に注ぐ愛情の深さに、たびたび胸が熱くなった。 男4人のパンケーキ屋さん、晴天のチャグチャグ馬コの場面が良かった。

        • SAPIXテスト物語文「女子の心情把握」は男子に不利?①

          SAPIXの6年生は、4月はマンスリーとオープンの2つのテストがありました。物語文の出典は、マンスリーが如月かずささんの『給食アンサンブル』、オープンが吉野万里子さんの『いい人ランキング』です。どちらも女子中学生が主人公で、女子校の入試で多く出題されています。 前者は、主人公が意地を張って悪態をつくものの、優しいクラスメイトに受け入れられる場面。後者は、主人公に非がないのに、クラスメイトの妬みから、いじめに遭う場面です。女子同士の人間関係が描かれ、男子小学生は「女子ってめん

        SAPIXテスト物語文「女子の心情把握」は男子に不利?②

          【読書メモ】『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』廣嶋玲子

          生徒さんに借りた本。 小学生に人気でアニメ化されていることしか知らず、読む前は、悩める子どもが銭天堂の駄菓子を食べて、問題を解決してもらうハッピーお気楽ストーリーを想像していたが、心をえぐられるような展開の物語が多く、良い意味で大いに裏切られた。 『笑ゥせぇるすまん』を思い出した。 これはおすすめ。 廣嶋玲子さんすごい。 既刊の他作品も読みたい。

          【読書メモ】『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』廣嶋玲子

          【読書メモ】『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈

          一途で邪念のない成瀬が魅力的。 成瀬推しの小学生北川みらい、ゼゼカラの相方島崎、観光大使の相方篠原も好き。 想像の斜め上をいく展開が楽しくて、人の書く物語は無限だなあと再認識した。 さらなる続編を読みたい。

          【読書メモ】『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈

          「国公立大医学部に強い」上位5校に東京はなし

          「国公立大医学部入試で高い合格実績を上げている学校はどこか」という記事がありました。2024年入試の上位5校は、すべて中部以西です。 1位:東海(愛知)104人 2位:久留米大附設(福岡)73人 3位:ラ・サール(鹿児島)71人 4位:灘(兵庫)70人 5位:洛南(京都)68人 東京の高校は、7位に開成52人、9位に海城47人、10位に桜蔭46人が入っていました。 東京の高校が上位に入らない理由として、首都圏に国公立大医学部が少ないことが挙げられていました。難易度が東大理Ⅰ

          「国公立大医学部に強い」上位5校に東京はなし

          【読書メモ】『タスキ彼方』額賀 澪

          昭和と令和の箱根駅伝の物語。 箱根駅伝が中止されていた戦争中、神宮外苑ー青梅と靖国神社ー箱根で、駅伝が開催されていたことを、初めて知った。 登場人物に魅力的な人が多く、このページ数ではもったいない。 もっと長い小説として読みたい。

          【読書メモ】『タスキ彼方』額賀 澪

          【読書メモ】『キオクがない!』いとうみく

          自転車事故で記憶喪失になった中2男子の物語。 いとうみくさんの作品を読むのは『朔と新』『夜空にひらく』に続き3作目。 自転車屋のスイーツ男子と弟のキャラが良かった。

          【読書メモ】『キオクがない!』いとうみく

          算数の文章題に国語力が必要か?

          算数の「誠実な難問」に送られる「良問大賞」において、2024年入試では、開成の大問1が「ベスト新問題形式賞」に選ばれたという記事がありました。トップ校の問題は、追随する併願校でも似た形式の問題が出題される傾向にあるそうです。 【開成の大問1】※解答は最終行にありますので、挑戦してみてください。 数字1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9と四則演算の記号+, -, ×, ÷とカッコだけを用いて2024を作る式を1つ書きなさい。ただし,次の指示に従うこと。 ① 1つ

          算数の文章題に国語力が必要か?

          【読書メモ】『シャーロック・ホームズの凱旋』森見登美彦

          スランプに陥っているホームズの憂うつが伝染したのか、読んでいる間、何となくモヤモヤしていた。 それにしても、このように盛大な虚構世界を文字だけで作り上げるのだから、すごいものだ。

          【読書メモ】『シャーロック・ホームズの凱旋』森見登美彦

          【読書メモ】『青春をクビになって』額賀 澪

          古事記の研究者(35歳)の物語。 主人公瀬川と友人栗山と、そして小柳先輩。 日本の古典文学研究者が、生活費を心配せず、安心して研究を続けられるような日が来てほしい。

          【読書メモ】『青春をクビになって』額賀 澪

          「優秀層は東大or国立医学部へ」という風潮は終わり?

          「開成の生徒のうち1割は海外大志向」という記事がありました。希望者に海外トップ大への進学を支援しており、2023年卒業生はコロナで2人と少ないが、それ以前は年5~10人が海外大学へ進んだそうです。「優秀層は東大or国立医学部へ」という風潮はそろそろ終わりを迎えるのかもしれない、とのことでした。 裏を返せば、開成の生徒の9割は東大などの国内大志向で、98~99%は国内大学へ進んでいます。開成でも1~2%という数字で、これからは海外大学だ!と言うのは早計でしょう。実際、開成の生

          「優秀層は東大or国立医学部へ」という風潮は終わり?

          【読書メモ】『星を編む』凪良ゆう

          北原先生の、世間には理解されにくいけど、相手を思えばこその優しさが、印象深かった。 生きるって日々を重ねていくことなんだと、しみじみ感じた。

          【読書メモ】『星を編む』凪良ゆう

          【読書メモ】『今日もピアノ・ピアーノ』有本 綾

          第31回小川未明文学賞大賞作。 小学6年生の海斗の成長物語。 好きなことを見つけて、自分の意思で人生を歩き始める海斗は、応援されるべき主人公だと思った。

          【読書メモ】『今日もピアノ・ピアーノ』有本 綾

          注目される東大「現役」合格率

          2024年の東大合格実績において、話題の中心は「100名」に達した聖光学院でした。現役合格率(現役合格者÷卒業生)38%は、開成の29%を超え、筑駒の43%に迫ります。東大合格者全体で見ると、現役生の割合は、30年前(1994年)の63%から、74%に上昇しました。 現役合格が増えた背景に「先取り学習」があります。数学の場合、中高一貫校では中3から、鉄緑会では中2‼から、高校数学に入ります。鉄緑会の指定校なら、学校の努力にかかわらず、ある程度、東大合格者を生み出せるメカニズ

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