見出し画像

マンガ脚本概論について

マンガ脚本概論とは

『漫画脚本概論』は、面白い漫画を作るために必要な脚本ストーリーの書き方のエッセンスが書いてある本です。ビジネスパーソンにとってもストーリーの重要性が広く認識されており、面白いストーリーを話すことが仕事を成立させる要素の一つであるということがあります。この本で語られている面白い話に共通する三つの要素は、ストーリーを前に進める推進力、リアリティのある描写、そして広がり、深みを持たせるテーマ設定です。これらの要素は、ビジネスにおいても重要であるため、価値のある本であると思われます。

例えば、コンサルティングの場合忙しい事業責任者の方々にこいつの話は何か面白いなと思わせることが意外と重要だったりします。私もそんな面白い話をしたい面白いプレゼンテーションをしたいという欲求からこの本を手に取りました。面白い話をすることはコンサルティングで重要であるが、人を引きつけるストーリーを作る方法はあまり知られていません。この本は、そんなストーリー作りの方法を解説したものです。

面白い話の3要素

この本では、面白い話に必要な三つの要素について説明されています。それは、①ストーリーの骨格と推進力②リアリティによる実在証明、そして③テーマの広がりと深みです。これらの要素について、一つずつ説明していきます。

①ストーリーの骨格と推進力

一つ目はストーリーを前に進める推進力です。これはお話の骨格と言ってもいいかもしれません。基本的にはお話としては、最初に問題提起があり、その次にそれぞれハードル障壁があり、最終的にどのように解決するのか、このような3段階の構成になっています。ここで筆者が言っているのは、この問題提起の段階で、読者があらすじをある程度想起できることが重要であるということです。問題提起の場合、あらかじめどのような人物が登場するのか、どのような舞台設定があるのかということも説明することが重要です。

②リアリティによる実在証明

二つ目はリアリティのある描写です。これによってストーリーに説得力を持たせるということが重要です。リアリティというのが、要はこの話、このストーリーというのは現実に存在するんだということです。実在証明と言っていますけれども、これを読者オーディエンスに対して立証するというのが非常に重要だと言っています。なので、リアリティのある描写、登場人物であったり、お話の設定であったり、細かなディテールなどにリアリティを持たせることが重要なポイントです。もう一つ説得力を増すという観点で重要なのが、手錠の2人です。これは手錠で繋がれた対照的なキャラクターの2人がもがきながらストーリーの中で右往左往するというようなことです。これによって揺れ動くストーリーの揺れ揺らぎというものが出てきまして、読者が引き込まれる要素の一つになってきます。

③テーマの広がりと深み

そして最後は、広がりを持たせるテーマです。端的に言うと、このストーリーで扱っている主題が、オーディエンスにとって意味のある話なのか、あるいは時代を超えて国境を越えても重要視される主題なのかが非常に重要になってきます。ここをどういうテーマ設定するのかが、実は一番の肝であり、うまく適切にテーマ設定することは非常に難しいタスクの一つでもあります。日々、鍛錬をして、引き出しを増やして、どういうテーマだったら響くのか考え続けることが重要になってきます。
新入社員の人が話せるテーマと、その道30年の経営者の方が話せるテーマは、必然的に違ってくるわけですが、それがやはりテーマの広がり、深みの違いですね。自分にとって、その時の自分にとってどういうテーマが話せるか、どういうテーマが響きそうかというリンケージの繋がりを常に意識していくことが重要だと思います。

纏め(明日から何をするか)

最後に、明日からの仕事に役立つ、三つのポイントを挙げたいと思います。一つ目は、あらすじを中心にストーリーの構造を意識してプレゼンテーションすることです。問題提起と主題をお伝えした瞬間に、あらすじが早期に伝わるように、うまく言葉を練り込んでやっていきたいと思います。二つ目は、リアリティを意識し、上記の2人をうまく使って、オーディエンスをストーリーに引き込むことです。そして最後の三つ目は、自分の話せるテーマと、オーディエンスが求めているテーマを常に意識しながら、最適なテーマ設定をしていくことです。

以上が、漫画家本概論の解説でした。

参考リンク

マンガ脚本概論 漫画家を志すすべての人へ | さそうあきら | マンガ | Kindleストア | Amazon
https://youtu.be/q1wy3Cd-0qQ