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ネガティブケイパビリティについて

今日は、最近、意識して取り入れようとしている考え方「ネガティブケイパビリティ」について今まで分かったこと、考えたことについて軽くご紹介したい。

そもそも、ネガティブケイパビリティとは何か?

ネガティブケイパビリティとは何か、を説明する前にその対にあるポジティブケイパビリティについて
話したい。ポジティブケイパビリティとは、要は「問題解決」であり、「曖昧なものに白黒つけて、前に進めるチカラ」
と言える。

俗に言う「コンサルタント」とは、問題解決を生業とする人間である。
この問題解決というのは、「そもそも、どんな問いを解かなければいけないのか」、という定義に始まり
「その問いを出来るだけ早く、必要とされる精度で解く」、ということがある。これはこれで重要なスキルなのだが、自分には以下のような悩みがあった。

  • ポジティブケイパビリティ一辺倒で考えていくと、どうも「浅い」と感じる

  • 問題解決が目的のように感じられ、何でもかんでも解きにかかってしまう

そんな時に、こちらのTweetを見かけて、ネガティブケイパビリティについて知った。

正直、この本を読むまで、ポジティブケイパビリティ↔ネガティブケイパビリティも対概念としてあることは知らなかったし、
「宙ぶらりん」でいることは悪いことだとすら思っていた。

私も、中身や内容を全部理解できているわけではないかもしれないが、
ネガティブケイパビリティとは、要は「宙ぶらりんでいること、白黒つけないこと、答えを出さないこと」
の為のチカラだといえる。

なぜ、コンサルタントにとってネガティブケイパビリティが重要なのか

なんで問題解決が生業のコンサルタントにとってネガティブケイパビリティが重要なのか。
にわかには分かりにくいかもしれない。

医者に例えて考えてみると、ネガティブケイパビリティの高い医者はもしかしたら患者の症状を見てすぐには答えを出さないかもしれない。

それでいいのか?

もちろん、一発で症状と処方箋が分かればいいのだが、お医者さんだって
症状を見て判断がつかないこともあるだろうし、コロナウィルスのような新種の病原菌の可能性もある。
その時診察した内容では見えていない側面もあるかもしれない。

そうした時に、「無理くり白黒つける」というのは間違った処方ではないか。むしろ、今の時点では断定することはせずに、もう少しどんな可能性があるのか調べてみる・考えてみるというのはどうか。

こうした「安易に答えを出さない」チカラこそがネガティブケイパビリティだと考えているが、これこそまさに自分にとって重要なスキルだと感じたのだ。

(最後に)ちょっとばかり自分の反省話

ネガティブケイパビリティという考え方を知って気づいたのだが、コンサルタントとして自分の弱点(の一つ)は、
「早期に答えを確定・断定しすぎる傾向がある」ということだった。
(そして、そのことを悪いと考えていなかった)

コンサルタントと言えば、「仮説思考」。
誰かから、「プロジェクトが始まって最初の1週間で最終報告の仮説を立てろ。そこから逆算して物事を進めろ」
と教わり、愚直にそれを信じていた節があった。
ただ、これは仮説思考の本質ではないと思う。仮説思考の本質は、日々、毎時間、仮説を進化させることにあり、
安易に答えを確定・断定しない、ということがポイントなのではないか。

こういったことを思うと、昔のクライアントには申し訳なく思うのだが、
今からでも遅くはないと信じてやっていきたい。