留萌旅行記 ② (留萌本線#1)
[前回はこちら↓]
前日に北海道入りして軽く札幌散策をし、中島公園近くに宿泊。
本日は遂に主目的である留萌本線に乗りに行く。
(この記事は2021年12月に投稿したものを再編集しました。
留萌本線起点へ
2021年7月3日、朝5時前に起床。朝1番の特急に乗る為に札幌駅に向かう。
中島公園からは札幌駅前通りをひたすらまっすぐ進むことで駅に行ける。
特急ライラック1号に乗車し、6:35 札幌駅を出発。留萌本線の分岐駅である深川駅まで向かう。
ちなみに切符は特急の為にSきっぷ(札幌↔旭川)、その他留萌本線の乗車券は全てそのまま券売機で購入した。
Peachで来ているので無論きた北海道フリーパスの方が安くはなるのだが、普通にそれぞれ切符を買ってもそこまで高くならないことに加え、留萌本線に乗車した証として乗車券を記念に持ち帰りたかったので今回はフリーパスを買わなかった。
深川駅
約1時間の乗車で深川駅に到着。
駅舎は国鉄時代からのもので、無機質な建物に駅名が掲げられているのが良い。
このような国鉄型駅舎は昔は至る所にあったらしいが、現在は改築などにより激減してしまっている。
地元民としては、今風の綺麗な駅舎の方が良いかもしれないが・・・。
かつてはここ深川駅から深名線(1995年廃止)という深川と名寄を結ぶローカル線も伸びており、ここまで乗車してきた函館本線、そしてこれから乗車する留萌本線と3つの路線が通る鉄道の要衝であった。
駅付近を散策した後はホームに戻り、7:59 発の留萌 行に乗車。
峠下駅
約30分乗車し、峠下駅に到着。留萌本線初の途中下車。乗ってきた車両は宗谷本線でも乗車した1両編成の気動車キハ54。
かつて留萌本線では単線区間を走る時に、他の列車と衝突しないように通行票を持った列車だけがこの先に進めるといったシステム(閉塞)を設けていた。
峠下駅はその通行票(タブレット)の受け渡し駅となっていた。
写真のように上下線が大きく離れているのは、上下列車が進入してきたときに運転手が通行票の受け渡しをしやすくする為である。
かつては貨物の取り扱いも行っていた有人駅であったが、1998年、前述したタブレット閉塞の取りやめにより完全に無人駅となったそうだ。
駅の外に出る。
駅舎は開業当時(1910年)からのものではないらしいが、それでも廃墟に見えてしまう程の古さだ。
入口に掲げられた大きなJRのマークは恐らく後付けのものであり、物凄い違和感を覚える。
駅付近には森が見えるのみで民家などの建物は皆無だが、少し歩くと近年全線開通した深川留萌自動車道が見える。
この自動車道は留萌本線に沿うように通っており、留萌本線の廃止が協議されている一つの理由にもなっている。
駅には私たち2人だけと思われたが、近くに車が止まっていた。
同じように駅を見物しに来た観光客かと思われたが、駅の敷地の手入れを行っている人のようだ。
なにやら困っているらしく、私たちに声をかけてきた。
話を聞くとスマホを無くしてしまったので電話を掛けて見つけるのを手伝ってほしいとの事だった。
電話を掛けるとすぐにスマホは見つかり、お礼として缶コーヒーを頂いた。
駅を散策すること約1時間、深川行の列車がやってきたので乗り込む。
北秩父別駅
北秩父別(きたちっぷべつ)駅に到着。
埼玉県民なら"きたちちぶべつ"と読んでしまいそう。
先程の峠下駅とは打って変わって、駅舎は非常にこぢんまりとしており、ホームも板張りと簡素な造りになっている。
留萌本線は1日に7往復(2021/12/3時点)運行されているが、当駅は上り4本と下り2本しか停車しない。
普通列車ですら半数以上がこの駅を通過してしまう。
9:46に当駅に着いたので、留萌に向かうには16:21の留萌行の列車を待たなくてはならず、深川に引き返すにしても17:02まで列車はない・・・
が、流石に6時間半以上もこの駅で待つわけにはいかないので、歩いて隣の秩父別駅に向かう。
駅に掲げられた駅名標はとんでもなく古いように見える。
「ちっぷべつ・いしかりぬまた」の隣駅を示す文字はほとんど消えてしまっている。
国鉄時代の駅名標とも違うように見えるが、いつ作られた物なのだろうか。
北秩父別駅は1956年に北秩父別仮乗降場として設置された。
仮乗降場とは駅を設ける程ではないが利用者が付近に存在する場所に仮に設置されるものであり、時刻表にも掲載されない。
現在は"駅"であるが、これは1987年の国鉄分割民営化と同時に仮乗降場から駅に昇格されたからだ。
当駅も一般的には秘境駅に分類されるが、すぐ後ろに前述した深川留萌自動車が通っているので残念ながら秘境感は薄れる。
駅を後にする。
初めてここを通る人は、踏切の左側に駅があるなんて気づかないんじゃないだろうか。
秩父別駅に行く前に、道の駅に向かう。
約3km、ひたすら真っすぐに進んでいく。
秩父別の市街地に入るまではずっと写真のような田園風景が続いている。
歩くこと約30分、秩父別町の市街地に到着。
遥か彼方に目的地が見えているのに中々着かない感覚は不思議だった。
道の駅にある開基百年記念塔に登る。
秩父別町は開拓されてから百年以上経過しているようだ。
北海道には各地にこのような開基記念塔が存在している気がする。
この塔の最上部には国内最大級のスウィング・ベルがあり、実際に鳴らすことが出来る。
私も鳴らしてみたが、丁度良い音を出すのは難しく爆音を響かせてしまった。
道の駅は市街地の南端にあり、北を見ると住宅が広がっているが、南には来た道と同じような田畑が広がっている。
このように市街地の境界線がくっきり見えるのは北海道の街特有で面白い。
塔を降りて道の駅に入る。
風流一人旅さんという、鉄道旅行の動画を上げている方の動画から、ここに秩父別特産のトマトジュースが売っていることを知っていたので購入する。
風流一人旅さんの動画は大変興味深いので鉄道趣味のない方でも是非見てみてほしい。
陳腐な表現になってしまうが、本当に瑞々しくてくどさが無く、トマト嫌いの私でも美味しく飲むことが出来た。
秩父別駅
10分程歩いて秩父別駅に到着。
こちらは北秩父別駅とは違い町の中心駅といった感じで、自転車が数台止められていることから地元の利用者がいることが窺える。
駅舎の外装は綺麗になっているが、1971年の駅舎改築以来の姿を保っているらしい(1910年の開業より変わっていない可能性も)。
ホームには国鉄型のホーロー駅名板がこれでもかと掲示されている。
当駅も峠下駅と同じく2面2線を有する列車交換可能な駅であったらしく、向かい側のホームを撤去した時に駅名板を移したのかもしれない。
留萌駅
11:20 の留萌行に乗車し、留萌駅に到着。
途中下車したり折り返したりしたので時間がかかったが、遂に一応の目的地である留萌駅に到着した。
③へ続く・・・
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?