室蘭旅行記 ② (日高本線)
[前回はこちら↓]
苫小牧着
研究室の用事で室蘭に行くことになったので、フェリーで北海道に向かうことに。
仙台港を出発し、朝起きると下北半島沖を進んでいた。
出遅れたものの、日の出を拝む事が出来たので部屋に戻り二度寝。
ゆっくりしているといつのまに苫小牧港に到着していた。
他の人は殆ど出ていってしまったが、歯磨きをして予定到着時刻の11時丁度頃に下船する。
約4年ぶりの苫小牧港。
団体のツアー客もいるようで、仙台港とは異なり賑わっている様子だった。
11:30には苫小牧駅行きのバスが来るので、バス停に並ぶ。
約15分程で苫小牧駅に到着。
毎回乗り換えでしか利用しないので、駅の外観を見るのは初かもしれない。
日高本線
今回は折角苫小牧に来たので、目的地の室蘭に向かう前に日高本線に乗車する。
日高本線はここ苫小牧駅から、北海道の下のとんがり部分である襟裳岬の隣町、様似町の様似駅を結んでいる150km程度の長大ローカル線であった。
かつては海岸線沿いや牧場近くを通る長閑な路線だったが、2015年に発生した高波の影響で長期運休となり、2021年に遂に被災区間が廃止と相成った。
現在は被害を受けなかった苫小牧駅ー鵡川駅間の約30kmのみが残されている。
残存区間はその全てが胆振管内に位置しており、日高本線はその名を冠していながら日高管内に至らない路線となっている。
実はここに来るまでに現金を1,000円程度しか所持していなかったのでまずはATMへ。
駅に直結しているMEGAドンキにATMがあるようなので向かう。
無事金を下ろし苫小牧駅に戻ってくると、遅延に関する不穏な放送が。
よく見てみると遅れが出ているのは特急列車なので、室蘭には何とか到着出来そう。
ちょうど1年前に来た時も大沼公園駅付近の事故で遅延が発生していた気がする。
日高本線が出ているホームに降りる。
ここは日高線専用ホームではなく、札幌方面・東室蘭方面と様々な列車が入ってくる。
鵡川行きの列車が来る1番線には、札幌方面・ほしみ行きの電車が止まっている。
北側を眺めていると、見慣れない列車があった。
一面ピンクの変わった配色で最初は検測車両か何かだと思ったが、どうやら今年の5月末から投入された新型車両のようだ。
ほしみ行きを見送り、続いて本題の鵡川行きが表示される。
やってきたのはキハ40。
北海道といえばこのカラーリングのイメージだが、先ほどのような新型車両への置き換えが進み、どんどん数を減らしている。
苫小牧駅を出発し、苫小牧貨物駅付近を通過。
この辺りは白老から続く日本最長の鉄道直線区間で、ひたすら真っ直ぐ東へ進んでいく。
日高本線はこの直線区間から一足先に分かれ、南へと進路を変える。
約10分程で最初の停車駅・勇払駅に到着。
勇払川を渡ると、列車は原野の中を抜けていく。
原野の奥には微かに太平洋が見える。
その後は北電の苫東厚真発電所が見えてくる。
苫東厚真発電所は道内最大の発電所で、2018年の北海道胆振東部地震の影響で停止した際は道内全域に渡る停電が発生したらしい。
発電所の近くには苫小牧東港がある。
今まで苫小牧港と呼んできたのは実は苫小牧西港で、苫小牧には2つの港がある。
西港よりも規模的には小さいが、ここからも旅客フェリーが出ており、敦賀・新潟・秋田と苫小牧を結ぶ新日本海フェリーが見える。
勇払駅から10分程で浜厚真駅に到着。
勇払はまだ街がある感じだったが、浜厚真は近くに道路しか無い。
また隣には浜田浦駅があったが、丁度今年の3月に廃止されたらしく、隣駅は終点・鵡川駅と書き換えられている。
苫小牧駅から30分程で鵡川駅に到着。
苫小牧から使用した切符を持ち帰りたかったが、運転手さんにあえなく回収されてしまった。
鵡川駅は無人駅なので恐らく回収されるだろうとは思っていたが、運転手さんによっては持ち帰らせてくれる場合もあるのでダメ元で聞いてみた。
JR東日本では快く持ち帰らせてくれる場合が多いが、JR北海道はその辺りに厳格なイメージがある。
日高地方に向けて伸びている線路は錆びて草が生えてしまっている。
この先には微かに車止めが見えるが、滞在時間はそんなに無いので見にいくことは断念した。
終着駅らしく、列車の到着時刻まで時刻表に記されている。
廃止された鵡川ー様似間に関する展示がなされている。
元々は窓口だったのだろうか。
現在は地域の交流スペースになっているらしい。
駅舎はかなり立派だが無人駅。
駅前に立っている町内案内板はもう解読不可能なほど荒れてしまっている。
折り返しの列車で苫小牧駅に戻る。
若干列車が遅れていたが、接続する列車が待ってくれていたので無事に予定通り東室蘭駅に到着。
東室蘭に17時に集合するように言われていたので、余った時間で登別温泉などに行っても良いかなと思っていたが、フェリーの疲れもあるので先にホテルで休んでおくことに。
乗車してきたのは今日の昼に初めて見た新型電車。
室蘭行きだが、ここ東室蘭で20分程停車する。
この電車はワンマン運転なので、無人駅では運転手側1番前のドアから降りる必要がある。
それを知らずに開かないドアの前でひたすらドアを開けるボタンを押している乗客を何人か見かけた。
旅行や仕事で来ている人ならともかく、地元の高校生らしい客もワンマン運転に困惑しているようだったが、新型車両だと何か勝手が違うのだろうか。
室蘭は多くの製鉄会社がある鉄の街で、駅内でもその広告を見る事ができる。
室蘭で有名なグルメの1つとして、カレーラーメンと呼ばれるものが存在する。
東室蘭駅西口にある味の大王はその有名店で、去年の9月に訪れたことがあったのだが、丁度そのすぐ後に閉店してしまったようだ。
東室蘭駅から歩いて10分かからない程度の位置にあるホテルテトラに宿泊する。
すぐ近くにあるアパホテルが満室だったので仕方なく予約した少し古めのホテルだが、部屋には手書きと思われるメッセージカードが用意されており、人の暖かみを感じられた。
ホテルで少し休憩したのち、17時前にホテルを出て集合場所の店へ向かう。
やってきたのは伊達市の回転寿司店・和さびの室蘭店。
回転寿司と銘打ってあるが、殆どは寿司を注文する様になっている。
一般的な回転寿司と比較すると高く1人4,000円程度の会計となったが、先生が一部お金を出してくれたので2,000円で済んだ。
本日は深夜に用事があるので、この場はすぐに解散し仮眠をとって24時半にまた集合する事に。
室蘭市内には製鉄記念病院や日鋼記念病院など、病院名にまで「鉄」が入っており、鉄の街であることを強く実感する。
③に続く・・・
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