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第一印象は覆せない – 初頭効果

「第一印象を大切にしましょう」
当たり前の様によく聞くフレーズです。その大切さはほとんどのビジネスパーソンが理解していると思います。

ただし、その効果について、過小評価しているのではないかと思わざるを得ない場面にしばしば遭遇します。

第一印象は初対面の見た目のことだけを差しているわけではありません。視覚情報に加え、ビジネスであれば言葉と論理という言語コミュニケーションで成立するわけですから見聞きする言葉に対しての第一印象、同じ場を共有する上では匂いという第一印象、など見た目に限らない印象が、その後の交渉やコミュニケーションの質に影響します。

心理学では第一印象が与える影響度を、初頭効果と言います。

第一印象で与えた印象は、その後も長らくその印象に引っ張られ、コミュニケーションに大きな影響を与えます。極端にいうと、第一印象は覆すことが極めて難しいということです。

初頭効果については、色々な実験があります。ポーランドの心理学者ソロモン・アッシュの実験が有名ですね。印象形成の実験です。一度は聞いたことがあると思います。

AさんとBさんの性格を次の順番で説明し、どういう印象を持つか被験者に聞きます。
Aさん : 頭がいい、勤勉、素直、用心深い、頑固、嫉妬深い
Bさん : 嫉妬深い、頑固、用心深い、素直、勤勉、頭がいい
結果、ほぼ全てがAさんに好感を感じた。

印象は最初の言葉に引っ張られ、全体の印象をカバーしてしまうことを表す好例です。
自分が初対面においてどういう印象を与えたいかを考え、どういう印象を与えがちかを知っておくことは、ビジネスをスムーズに進める上でとても有効です。

正確に自分の良さを印象としてもってもらうために、自己紹介やプレゼンの冒頭で散りばめておくべき言葉を決めておくことも有効でしょう。

ちなみに、対になる心理学の考え方に、親近効果というものがあります。
あらゆる心理学の書籍やインターネットでも同様に解説されているので皆さんもご存知だと思います。

親近効果も真です。最後に提供された情報に親近感を覚えるというものですが、この親近効果が発揮されやすいのは、コンペなど複数選択肢から1つを選択する場合です。

最後のプレゼンの印象が強く残り、選択確率が上がるというものです。
僕が人と会う時に心掛けている動作や言葉、心の持ち様は、
笑顔 (口角を上げる)、謙虚な姿勢、感謝が伝わる言葉、爽やかに感じてもらえる匂い (フレグランス)、そして大切なことは、もちろんビジネスですから、相手にとって有益となる情報やサービスを分かりやすく持っていく・伝えることです。

なので、逆にいうとその準備ができるまでは無闇矢鱈に会いに行かないという姿勢でいるようにしています。

最初の印象で、あれ?違うなと思われてしまったら、恐らくその後も自社サービスを導入してもらえる可能性は低いでしょう。それくらい初頭効果はその後のコミュニケーションに影響するんです。

初頭効果に関連して、僕が重要だと考える心理学の考え方に、単純接触効果というものがあります。

言葉の通りで、接触回数によって好印象・好感度が増していくというものです。これも多くの実験結果で立証されています。営業パーソンが、用もないのに顧客さんに顔を出すというのは科学的に有用なのです。

これを初頭効果とリンクさせれば、ひとたび第一印象で好感度を得られれば、単純接触効果でガンガン印象度合いを高めていくということをやります。これは実訪問に限らず、メールや電話、あらゆる手段でコミュニケーションを強化します。

逆の場合は、無理に接触をせず、我慢して一度コミュニケーションを眠らせます。コミュニケーションをすればするほど無駄足になるからです。

初頭効果。自身がビジネス空間の中で、理想とする印象を想像し、五感で表現することを実践してみましょう。身なり、表情、匂い、言葉(サービスや商品)、あらゆる五感情報が第一印象の形成に大きく影響します。

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