ペルシア系のお話が好きなのですが、邦訳された作品は少ないです。中でも未邦訳というだけでなく英訳すらされてない幻の冒険小説が読みたくて、ついにペルシア語の原本データを入手したくらい、面白そうな作品を紹介します。

つってもまだ読めてませんけど(^◇^;)ペルシア語が読めないからしゃーない。

イランの古典の英雄叙事詩
「アミール・アルスラーン・エ・ナムダール（有名な・セレブな・大人気・の）アルスラーン王」
Amir Arsalan-e namdar
Persian author Muhammad 'Ali Naqib al-Mamalik died in 1891.

いわゆる貴種漂流譚・恋愛・冒険・活劇の御伽噺です。時代背景は古代ではなく、すでにイスラム化された近世から近代にかけての東欧から中東のもよう。バージョンもいろいろあって、当時の王様の命令で編纂されたのも近代に入ってから(そのいきさつはうろ覚え)
イランでは人気の古典で、映画化やドラマ化もされているそうですが、ペルシア語でしか出版されてなくて、英語訳本もありません（涙）
ただ、詳しいあらすじを載せているレビューサイトがありましたので、大まかな内容はわかります。

ガチで王道な冒険小説です。ちなみにイランの古典小説にはほぼ必ず恋愛がからんできます。盲目的に、そして圧倒的に恋愛の比重が高いのですが、たいてい悲恋に終わるんですね。
さてこのアルスラーン王の大冒険は、どうなるのでしょう。

☆☆以下：A　Literary Saloon　&　Site of Review　より翻訳☆☆

物語は、カイロの商人チャデシェ―・ノ’マンがインドへ旅立つところより始まる。

　航海の途中、ノ’マンの船はある島に立ち寄った。かれはそこで髪を振り乱しひどく汚れてはいるが、とても美しい女性を見つけた。その女性はルーム王国イスタンブールの貴婦人バヌーであった。
　ルーム王国は、ヨーロッパからの侵略者パトラス王によって征服され、王のマレクシャーは殺害された。バヌーは虜囚となったが、ヨーロッパに護送される途中、船が遭難し島に打ち上げられた。
　ノ’マンはその女性と恋に落ち、旅を放り出してカイロに連れ帰った。彼女はマレクシャー王の子を宿しており、やがて男子を産み落とすと、ノ’マンはその子を自分の息子として、熱意をもって育てた。
　子どもはアルスラーンと名づけられた。「獅子」という意味である。

　アルスラーンは非常な才能に恵まれた少年であった。アラビア語とペルシア語に堪能なだけでなく、七つのヨーロッパの言語も習得した。十三歳で勉学に飽きた彼は、狩人また戦士としても成長し、まもなくエジプト総督をその勇気と武勇で感心させるまでになった。
　しかし、西方使節の訪れが、カイロの宮廷に大きな変化をもたらした。かれらはルーム王国を征服し、アルスラーンの実の父を殺したパトラス王によって遣わされた使節であった。パトラス王は、アルスラーンの出自を暴露し、少年とその母親、そしてノ’マンの身柄をパトラス王のもとへ護送するようにカイロの総督に命じたのである。もし従わなければ、軍団を送ってカイロを侵略し、都市を破壊すると脅して。

　この使節の言葉を理解する数少ない通訳として、宮廷に仕えていたアルスラーンは、自分の高貴な出自を隠していたノ’マンと、この無礼で傲慢な異国の使節に対して非常な怒りを覚えた。
　使節は殺害され、その一行は怒れるエジプトの群集になす術もなく、使節の船に乗っていた百人のうちたった一人しか生き残らなかった。
　パトラス王がこの不運な成り行きを知って激怒し、カイロに攻め込むのを防ぐため、アルスラーンはエジプトを去ることを決意した。
　アルスラーンは、ルーム王国を取り戻したいと考え、そして実行した。そこに巣食っていた西洋の軍隊をさくっと追い出し、父親のものであった玉座を奪還したのである。

　すべてはアルスラーンの望みどおりに進むかに見えたが、たまたま美しい姫君の肖像画を発見したことが、若者の運命を変えた。アルスラーンはその女性に一目惚れしてしまい、望みのない恋に胸を焦がすこととなったのだ。その姫君とは、ほかでもない、ファロークー・ラガハー、パトラス王の王女であった。

　アルスラーンはお抱え天文学者の「西洋における冒険はまったく希望がないからやめておけ」という占い結果にもかかわらず、パトラス帝国の首都パトラシアへと潜入してしまったのである。

To be continued 

☆☆☆

ここから戦争異世界魔物と魔神入り乱れての大冒険が始まります。続きをお楽しみに(あらすじですが😓)

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