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H2Hマーケのキー概念「サービス・ドミナント・ロジック」はプロセスエコノミーのことかな

どもっ、しのジャッキーです。本記事は、マーケティングに関する個人的な学びのアウトプットです。

以下の記事の続きになります。以下の記事では、私とマーケティングのかかわりと過去どんなことを学んだかを振り返らせてもらいました。

今回からは、2021年に発刊されているコトラー氏の「コトラーのH2Hマーケティング「人間中心マーケティング」の理論と実践」からの学びをアウトプットしていきます。

H2H(人間中心)マーケティングの見取り図

ばーっと読んだのですが、けっこう難解というか、同じような図が何回も出てきて、頭がこんがらがったので、とりあえず、同じような図で言っていることを統合して、1枚にまとめたらいい見取り図になりました。それが以下になります。

前回の記事では、この見取り図の左上の部分を取り上げました。それを再掲します。

H2Hマーケティングの完成モデル

2Hマーケティングは、以下の図のように「マインドセット、マネジメント、プロセス」×「デザイン思考、サービス・ドミナント・ロジック、デジタライゼーション」からなるモデルを完成形として示しています。

図:「コトラーのH2Hマーケティング「人間中心マーケティング」の理論と実践」 をもとに篠崎作成

H2Hマインドセット、マネジメント、プロセス

H2Hマーケティングの要素は以下の3つで、これらに対して、デジタライゼーション、デザイン思考、サービス・ドミナント・ロジックという大きな3つの要素が多大な影響を与えているという構造で示されています。

図:「コトラーのH2Hマーケティング「人間中心マーケティング」の理論と実践」 をもとに篠崎作成

サービス・ドミナント・ロジック

個人的には、デジタライゼーション、デザイン思考はなじみがあるのですが、サービス・ドミナント・ロジックという言葉は初見でした。いったん、書籍の中で紹介されている概要をまとめたものが以下となります。

図:「コトラーのH2Hマーケティング「人間中心マーケティング」の理論と実践」 をもとに篠崎作成

これだけだと、ちょっとよくわからないのですが、H2Hマーケの3要素に、どのように影響を与える概念なのかを整理したものが以下です。

図:「コトラーのH2Hマーケティング「人間中心マーケティング」の理論と実践」 をもとに篠崎作成

<用語の補足>
RBV: Resource based view, 資源ベース理論
MBV: Market based view, SCP理論のこと
オペラント資源: ナレッジ・スキルなどの無形資産
反対語はオペランド資源:生産設備などの有形資産

ドミナントとは支配的、という意味で直訳すれば、「サービスが支配的な論理」ってことですが、反対語はグッズ・ドミナント・ロジックであることがミソです。

かつては、企業は生産設備など(オペラント)を増強したスケールメリットが競争優位上とても重要で、製品を作って売れば、顧客に価値が届けられました。

それが、昨今は、製品・サービスというよりも、体験価値の重要性が高まり、絶対的な「よい製品・サービス」という基準があるというよりは、一人ひとりの顧客が感じたときにはじめて価値が生まれます。そして、それは一つ一つ異なります。つまり、価値は企業側が作って売ればよいものから、企業と顧客が共同で作り出す、一つ一つことなる価値の共創が大前提になった、というパラダイムシフトなのだといいます。

そうしたことから、企業にとって重要な資源はブランドや、ナレッジ・スキルといったものにシフトしたとも言います。

プロセスエコノミー

昨年ヒットした書籍「プロセスエコノミー」では、この企業と顧客が価値の共創を行うパラダイムシフトのことを、書名である「プロセスエコノミー」という言葉で表現していました。

以下に「プロセスエコノミー」を6回にわたってまとめたnoteの総集編がありますので、ご参照ください。

プロセスエコノミーからのキーワードは、「プロセスは模倣が困難」「プロセスの価値は”役立つ”から”意味がある”へのシフト」「ローカルコミュニティーモデルによる多様化」「マーケ4.0経験価値志向」「指数関数的成長をする組織の6D」です。

太字にした部分が、まさにサービス・ドミナント・ロジック的な内容にリンクします。「プロセスは模倣が困難」というのは、RVBの考え方そのものですね。RBVについては以下ご参照。

ピーター・ドラッカー氏の名言

出典確認までしてないですが、記憶では、ピーター・ドラッカー氏は、企業のやることは突き詰めるとイノベーションとマーケティングだと、おっしゃっていたと思います。

今回、「コトラーのH2Hマーケティング「人間中心マーケティング」の理論と実践」を読んでいて、「あぁ、なるほどなぁ」とドラッカー氏の言葉が、妙に腑に落ちました。

本書の中では、どうやって製品・サービスをつくり出すのか、については論じていません。製品・サービスはあるとして、それをどういうマインドセット(規範)で、どのように組織を動かしながら(マネメント)、具体的にどういうアクティビティを実行(プロセス)することで、顧客のバリューとして具現化するのかを論じています。つまりそれがマーケティングなんだな、と思いました。

その際に大きな外部環境の変化としてデジタル化、サービス・ドミナント・ロジック)や、新しい知識体系(デザイン思考)を取り上げ、それがマーケティングに与える影響を整理・統合しています。

前回の記事(こちら)で、以下、BBTで受けたマーケティングの講座でのマーケティングの定義を取り上げました。

マーケティングとは、顧客サイドにたった「売れる仕組み」をつくること

いやぁ、まさに。なんか、10年越しくらいで、妙にすっきりした自分がいます。きっと、読者のみなさん完全置いてけぼりだと思いますが(苦笑)

以降、H2Hマインドセット、マネジメント、プロセスで印象的だった学びを何回かに分けてお送りしたいと思います。

おわりに

このほか、当方のマーケティングに関する記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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