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996な働き方

前回に続いて、昨年の秋から中国動画サイト、騰訊視頻で放送された番組『令人心动的offer』から1記事を。

『令人心动的offer』は、上海の弁護士事務所で1カ月間インターン生として働く8名の姿を追った中国のリアリティ番組です。

この番組の中では、インターン生たちが会社で深夜まで働いたり、帰宅した後も仕事をしたり、帰宅した後に再び夜に会社に戻るといったような場面が度々出てきます。

番組の第2回では、与えられた課題に対してチーム戦で戦う準備をします。会社で遅くまで働き、中には帰宅しても朝の5時まで準備をするインターン生もいる程です。

インターン生にそこまでさせるのはブラックではないかと言う声も聞こえてきそうですが、決して会社が強要しているわけではなく、彼ら自身が自主的に取り組みます。

スタジオゲストがそんな彼らの姿を見て、弁護士の仕事は本当に大変なんだと語る中で、「996」「007」とういう言葉が出てきます。「996」と言うのは朝9時から夜9時まで週6日間働き、「007」は、午前0時から翌日の午前0時まで週7日間働くという意味です。中国では流行語にもなった言葉。

アリババ馬雲氏は、この「996」について、

「私個人としては996で働けることは、とても幸運なことだと思う。多くの会社や多くの人は、996をしたくてもそのチャンスがないんだ。若い時に996をしなくていつするんだ?生涯996をしなくて誇りに思えるのか?」

と、成功を手に入れたいのであれば、それに見合う努力や犠牲が必要だと述べ、昨年話題を呼びました。

ですが当然これには賛否があるわけで、結果として身体を壊すことになり、「996.ICU」(996で働いて、病気になりICUへ行く)になっては元も子もありません。ですので、簡単にはこの発言に賛同するとは言えませんし、私個人も「996」をしたいかと言えば、あくまで「955」(朝9時から夕方5時、週5日勤務)が希望です。

ただ同時に、人生には一度くらい仕事に思いきり没頭できる期間も必要だとも思うわけです。今回のこの番組のインターン生たちのように、仕事を覚えたくて仕事への渇望に溢れ、乾いたスポンジ状態で仕事を覚える時のその吸収力というのは計り知れないと思います。そういう時期に仕事に打ち込める環境があることは、確かに幸運という言葉で表現できると思います。

時には寝食を忘れるくらいに仕事に情熱を捧げられるって、素晴らしいことですよね。

「996」な働き方は時としてかっこいい、と思うのです。


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