見出し画像

【仕事術】失敗した時にいつもの自分を取り戻すには

負けに不思議の負けなし。

先日、左脳めしで松浦静山の言葉「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」を紹介しました。

静山は江戸時代の大名で、心形刀流剣術の達人でもあります。
彼は、言葉の意味を次のように語っています。

「法則に従い、技術を守ってたたかえば、たとえ気力が充実しておらずとも勝利を得ることができる。このときの自分の心をふりかえれば、不思議と思わずにはいられない」
「法則を無視し、技術を誤れば、負けることに間違いない。それだからこのように言うのである」

ここでいう法則や技術とは「剣術」のことを指しますが、剣術を「ビジネス」に置き換えても学びが得られることから、この言葉は、現代のビジネスパーソンにも親しまれています。

とくに「負けに不思議の負けなし」には、
「(静山のいう法則の無視や技術の誤りのように)失敗には必ず原因があるから、たとえ想定外の失敗をしても、運が悪かったで済ませず、原因を追求して失敗を繰り返さないようにする」
という学びがあります。

ただ、「失敗の原因を追求する」場合、やり方を間違えないよう注意が必要です。

失敗の原因を“担当者”にすると、失敗を繰り返す

失敗の原因となった箇所を特定できたとしましょう。
もし、その箇所の「担当者」に失敗の原因があるとし、担当者に対して失敗を繰り返さないよう反省・改善させることで「問題を解決した」としたらならば、それは大きな間違いです。
担当者の自信を無意味に喪失させ、かつ同じ過ちを繰り返す危うい対応です。

望ましい対応は、

失敗の箇所を特定したら、誰が担当しても失敗しないような仕組みに改善する、です。

そうしなければ、担当者が変わっても同じ失敗を繰り返してしまいます。
「失敗しないような仕組み」では、「人為的なミスを起こしにくいデジタルなシステムに変える」こともありますが、時間やお金がかかる場合は見送られます。
大抵は「ミスを起こしにくい手順になるよう、ワークフローを改善する」方法がとられます。

※ワークフローとは、業務の流れや担当職種の仕事の順序を可視化したものです。最初の方の作業を「上流」、最後の方の作業を「下流」と言うことも。
例えば、作業終了までに複数の担当職種を経る場合、受け渡し時の必要事項(データ種類や数、誰のチェックを通すか等)を明確にすることで、上流から下流まで滞りなく進められるようにします。

また、「改善のための仕組み作り」は、仕組み作りが得意な人が対応します。
必ずしも失敗した担当者がやる必要はありません。不得意なら尚更です。
これを「責任論」で担当者に押し付けるようなやり方は最悪。責任を盾にした、ただのパワハラです。

では、失敗した担当者がやることは何か

それは2つ。

1つは、ワークフローの改善に役立つ情報を提供することです。
実際に失敗をした当事者にしかわからないことがあるからです。そうした生の情報を拾わないと良い改善はできません。

もう1つは、「改善されたワークフローが、誰が担当してもミスを起こしにくい手順に改善されているか、確かめること」です。
もし改善されていなかったら、どの箇所で再び失敗をするのか、上長やワークフローの作成者にできるだけ詳しく伝えます。その上で、別の改善方法を提案できたら最高!です。

失敗したことに負い目に感じて、意見をためらう必要はありません。
失敗した当事者が「改善された」と実感することが大事なのです。当事者が改善を実感するから、上長もワークフローの担当者も、改善に手応えを得られるのです。

この2つに共通するのは「失敗した当事者だからできることをする」です。

次のように言い換えることもできるでしょう。

失敗を自分の「欠点」ではなく「強み」に捉え直す。

失敗を無視するわけではありません。
何事も「強み」として捉え直す努力をする、ということです。
落ち込んだり、負い目を感じる暇なんてないくらいに。

自分が持っているものに目を向けよう

アメリカのワイドショー司会者でプロデューサーでもあるオプラ・ウィンフリー(1954年 - )は、次の言葉を残しています。

自分が持っているものに目を向ければ、さらに多くのものが手に入る。
自分が持っていないものに目を向ければ、満足することは絶対にない。

失敗を“自分の欠点が生んだもの”と、足りない自分にフォーカスするのはやめましょう。
失敗も新たに得た経験の1つ。その経験を「強み」にしていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 気に入っていただけたら「スキ」やSNSでのシェアをお願いします。