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【仕事術】本質を追求する

以前、新入社員向けに『もう「わからないことを訊く」時代じゃない』というnoteを書きました。内容はこんな感じです。

ネットの普及で、わからないことは「訊く」より「調べる」が当たり前になった。
さらにネットが日常化した現代では「誰でも調べられること」より「調べたことから辿り着いた考え」が重宝される。

この時は、考える手段として「嘘か真か見分けられるくらい調べ、調べたことを比較検討して最適解を見つける」という方法を取り上げています。

でも、調べてもわからないことだって沢山あります。
考えるヒントを探そうしても、なかなか良いヒントに巡り会えないことも珍しくありません。
何をどう調べていいのかわからず、途方にくれることだってあるでしょう。

そんな時にオススメしたいのが、このnoteで取り上げる「本質の追求」です。

本質とは?

ほんしつ【本質】
物事の本来の性質や姿。それなしにはその物が存在し得ない性質・要素。
<大辞林 第三版より>

実例を挙げてみましょう。
取り上げるのは「運転免許証」です。
まずは言葉の意味を調べてみます。

運転免許証(うんてんめんきょしょう)とは、自動車や原動機付自転車の運転が特別に許可されていること(一般に運転免許とも呼ばれる)を示す公文書である。
《Wikipediaより》

これは運転免許証が何かをわかりやすく説明していますが、本質を説明しているわけではありません。

運転免許証の本質は「危険物取扱許可証」

自動車は1トンを上回るほどの重量を持った鉄の塊です。何十キロというスピードでぶつかってきたら、人間はひとたまりもありません。ぶつけた側も同様です。
だから自動車は、短時間で労力少なく、かつ長距離を移動できる便利なものである一方で、非常に危険なものでもあります。
そんな危険を回避するため、事故を起こさないくらいの運転技術や知識を身につけた人だけ、公道を走る許可を与えることになりました。その許可を得た証が、運転免許証です。

では、運転免許証を「危険物取扱許可証」という視点で捉え直してみましょう。
「危険物」ということは、いわば「火薬」と同じようなものです。
例えば、次のような人が大量の火薬を扱っていたらどう思いますか?

・酔っ払い
・子供
・老人
・寝不足の人
・ナルコレプシーの症状が出る人
・キレやすい人
・イライラしている人
・注意力が散漫な人

いつ事故が起こってもおかしくないですよね。

でも実際には、数々の危険に対処ができていないまま、大量の車が走っています。
飲酒運転は道路交通法による刑罰で抑止されるだけで、行為を防げるわけではありません。最近はあおり運転の取り締まりが強化されてきていますが、その気質を持っている人でも運転免許証は取得できます。

そう考えると、航空機事故よりも交通事故の死亡者が多いという統計結果は、単に利用者数の違いだけではないかもしれません。
自動運転技術が、ただ便利なだけではないこともわかってきます。運転手に起因する多くの危険が回避できますから。

本質の話に戻りましょう。

「運転免許証」は、その名が示す通り、自動車等の運転を許可された証、という解釈で間違いはありません。詳しく調べなくても(公文書として)身分証明書などに使えることは、多くの人に認知されています。
飲酒運転がいけないことも、あおり運転が危険なことも、常識と言えるでしょう。

その一方で「危険物取扱許可証」という本質を掴むと、常識として語られることのなかったところまで見えてきます。
知れば当たり前のことなのに、ちょっと調べただけでは辿り着けない。
実際に「運転免許証」だけでネットを検索しても、「危険物取扱許可証」としての側面にはすんなり辿り着けません。
だから、意識的に本質に迫ろうとするアプローチが必要です。

一を聞いて十を知る

論語に「一を聞いて十を知る」という言葉があります。
その意味は「物事の一部を聞いただけで全部を理解できる。賢明で察しのいいことのたとえ」(goo辞書より)
本質を掴んだ時には、まさに、このようなことが起こります。

考えることは「始まり」に過ぎません。
大事なのは、考えることでしか辿りづけない「何か」を掴むこと
考えるきっかけになるのが「本質の追求」です。
本質を追求して、その「何か」を掴んで下さい。

まとめ:本質を追求する価値

1)ちょっと調べてただけでは辿り着けない答えを得られる
2)表面上からはうかがい知れない、物事の性質や要素を掴める
3)「一を知って十を知る」ことが多くなる

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