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サイボウズの製品をデザインする醍醐味とは?

こんにちは、篠原(@shinopara_jp) です。サイボウズという会社でデザイナーとして働いています。

早いものでサイボウズに中途入社して5年目になりました。所属しているチームが少しづつ大きくなったり、仕事上での自分の役割が変わったり、いろいろな変化がありました。

この5年間、変化もありつつ入社してからずっと変わらないこともあります。それはサイボウズ製品のデザインって難しい…けどデザインしがいがあって面白いぞ!という思いです。

でも、それって社外はもちろん社内でもあまり知られてないのでは…?なんて思うと急に寂しい気持ちになってきたので、この場を借りてサイボウズの製品をデザインする上でどんなところが難しくもあり面白いのかを紹介したいと思います。

サイボウズの製品について

「サイボウズの製品ってアレでしょ?」と、みなさんが思い浮かべる「アレ」として、この画面をイメージされる方が多いのではないでしょうか。

スクリーンショット:サイボウズ OfficeのUI

この製品は、「サイボウズ Office」と言って、スケジュール共有・ワークフローなど社内の情報共有を支援するグループウェアです。同じグループウェアとして「Garoon」という兄弟製品もあります。

また最近ではテレビCMも流れているので、こちらをイメージされる方もいるかもしれません。

kintone」は開発の知識がなくても自社の業務に合わせたシステムをかんたんに作成できるサービスです。ちなみにUIはこんな感じです。

スクリーンショット:kintoneのUI

このほかに、複数人でメールを共有して履歴を一元管理するメーラー「Mailwise」などがあります。

サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」という理想のもと、チームワークを支えるこれらのソフトウェアを開発しています。

BtoB製品ということもあって、ビジネスマンの認知度は高いのですが、学生さんや若い方は知らない人が多いかなと思います。

UIと共に製品を紹介させていただきましたが、パッと見てUIに関してどのような印象を持たれましたか?私は正直なところ「あまりの渋さに手も足も言葉も出ないぜ…!」と感じました。(今も)

どのようなことを考慮してこのUIになっているのか?それにはちゃんと理由があって、その部分がサイボウズの製品をデザインする上で難しくもあり面白いところだと思うので、これから紹介したいと思います。

「ユーザーが多様である」ことの難しさ

単にUIが渋いから難しいのではなく、デザイナーとして考慮すべきことの多さがデザインの難易度を上げています。特にユーザーが多様であることは、サイボウズならではの難しさだと実感してきました。どのように多様なのかを簡単に列挙してみます。

役割・立場

・管理者(製品を導入・管理するいわゆる「情シス」の方々)
・エンドユーザー(製品を使う方々)
・パートナー企業(製品を一緒に広めてくれる方々)

一口に「サービスを使うユーザー」といっても、導入・管理する情シスの方々、実際に使うエンドユーザーの方々がいます。また、サイボウズにとっては製品を一緒に広めてくれるパートナー企業の人たちの目線も忘れてはいけません。

このように役割や立場が異なるため「ユーザーにとって使いやすい」の「ユーザー」とは、どのユーザーのことを指しているのか常に意識する必要があります。

BtoC製品だと管理者とエンドユーザーが同じになることが多いですが、BtoB製品は別の場合が多いです。そこが大きな違いだと思います。よく「管理画面のデザイン」と言われる部分は、こういったユーザーの違いを意識する必要があります。

新規・既存

・新規顧客
・既存顧客

UIを変更する場合、製品を使う前後の体験にどのような影響が出るかも考えます。

例えば、長年ご利用いただいている既存ユーザーの場合、すでに社内にあるサイボウズ製品の使い方マニュアルを作り直す必要があるかもしれない…といったことです。新規ユーザーにとっては影響が小さいかもしれませんが、既存ユーザーには影響が大きそうだな、ということも改善の検討材料としています。

習熟度

・初心者(初めて製品を触る)
・中級者(基本的な操作ができ、プラグインや外部サービス連携を使える)
・上級者(jsを使って機能をカスタマイズできる)

製品を全く触ったことがないという方から、ゴリっとカスタマイズする方まで習熟度の幅がとても広いです。初心者向けの改善なのに上級者向けの難しい操作や説明になってはいないか?など習熟度のレベルも意識しています。

業界・業種

・企業(製造・卸売・小売・不動産・医療・福祉・教育…etc)
・自治体
・官公庁
・NPO

様々な業界や業種でご利用いただいているからこそ、実際の現場でどのように活用されているのか知るというのは非常に重要だと捉えています。そのためにサイトビジットやユーザーテストを行っています。

多言語・年齢・性別・障害
誰かのための特別対応ではなく、「チームに参加・貢献したい」と思う人は誰でも環境にアクセスできるアクセシビリティを担保することを目指しています。サイボウズ デザイン&リサーチではアクセシビリティに特化したチームがあり、製品チームと連携して改善を行っています。

多様なユーザーを考慮し「チームワークあふれる社会を創る」ためのデザインに挑戦できるところが面白い

では、面白さはどこにあるのか?それは、上に挙げた多様なユーザーを考慮しつつ、「チームワークあふれる社会を創る」ためのデザインに挑戦できるところだと思います。

デザインしたUIによってチームの作業効率が上がったり、コミュニケーションがスムーズになる。最終的にはチームで働くことに喜びを感じてもらえて、そんなチームが世界中にあふれる…。

そのような世界を目指してデザインに取り組めるところがサイボウズならではであり、一番の醍醐味だと感じています。

正直なところ、作業としてやっていることは「地道・泥臭い・渋い」ことが多いと思います。「チームワークあふれる社会を創る」ためのデザインは確立された手法があるわけではないので、自分たちで発見し、創っていかなければなりません。しかし、そこが奥深くて、やりがいのある部分だと感じています。

この難しさと面白さについては、kintoneデザイナーとPMがPodcastで語っているので興味のある方はぜひ聴いてみてください。文字で読みたい方は文字起こしをどうぞ。

多様なユーザーに長く愛されるために意識していることもあります。それについてはサイボウズ Officeのデザイナーの回をどうぞ!文字起こしはこちらです。

「チームワークあふれる社会を創る」デザインに興味を持たれた方がいたらぜひ気軽にご連絡ください👋

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