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【ぶらり散歩】東京赤坂 日枝神社の千本鳥居でフランス人と話す

とんでもない人出だった。

最近は週2〜3回、横浜から東京に通勤するのだが、今日は盆休み前にも増して電車が異常に混んでいた。混雑による遅延が発生する有様。何が起きているんだ? みんな、リモートワークは?(お前もな)。

今日は自由時間が限られているので、職場に程近い赤坂の日枝神社をぷらぷらすることにした。この神社は数回の移設を経て現在の溜池山王駅付近に鎮座しており、古くは、江戸の守神・徳川家の産神として、明治以降は「皇城の鎮」といって皇居の守り神として崇められている。

しかし何と言っても、魅力はその造形にある。

まず、この真っ白な大鳥居
大人6人分位の高さで、近くに寄るだけでオーラを感じざるを得ない。

鳥居というと朱色のイメージが強いが、朱色を使うのは仏教の影響によるものらしく、元来は神聖な色とされる「白」が基本だったという。

隅っこで一礼して鳥居をくぐると、恐るべき段数の階段が….
この炎天下に登る気力ははなからなく、脇にある屋外エスカレーター(!)でスイスイと境内へと登っていく。

20代と思しきマッチョな兄ちゃん2人が、筋トレのために猛ダッシュで階段を上下に往復しまくっているのに呆れながら。。

境内は現在何やら一部工事中だったが、本殿は見ることができた。
こちらが正面入り口だが、ここへ到着する30分前の午後5時に閉門しており、中には入れなかった。

この神社のダイナミックさをボクの拙い写真で伝えるのは無理なのだが、ちょうど日の入り時刻ということもあって、空がこの建物の威容を引き立ててくれている。

門の隙間から見る本殿は、こんな感じで、薄青いトワイライトと黄金色に輝く夕焼け雲が神々しさを演出していた。

さて、参拝はこれであっけなく終わりではない。

境内から駐車場へと伸びる急な下り坂の一つは、こんな風に両脇を真っ赤なノボリに埋め尽くされ、それが夏の深い緑とコントラストを成す。

途中、ひっそりと隠れ家のように大きな茶屋にアクセスする小さな扉があり、一足踏み入れると鬱蒼とした木々のおかげで薄暗い日影ゾーンができており、心地よい涼気に包まれる。茶屋の2階からは何を話しているのか、おじさん達の笑い声が溢れていた。

一度降りたこの下り階段を再び駆け上がる。

実は、本当に見たい景色はこれとは別にあるのだ。日枝神社の境内には、もう一つ、上の写真のノボリにも書かれている山王稲荷神社という小さな神社があり、その参道がまた見応えがあるのだ。

千本鳥居

というと、京都の伏見稲荷がメッカ的な超有名スポットだが、実はここ赤坂でも幾重にも連なる鳥居の紅いトンネルを潜り抜けることができる。

何でこんなにたくさん鳥居を並べるのか? これは、現世から神様のいる幽界へと続く門として多くの鳥居が建てられたのが起源だそうだ。また、参拝者が鳥居を奉納することによって、願いが「通る」という信仰とあいまった語呂合わせの意味があるという。

ここはあまり大勢の人がいるとこのようなスッキリとした絵が撮れない。今日は(電車は死ぬほど混んでいたくせに)幸い人通りがほぼなく、じっくりと撮影することができた。

「ほぼ」と言ったのは、実は2人だけ他の訪問者がいたからである。

階段を降りる途中でふとトンネルの出口を見ると、4本の白い脚が見えた。登ってくる気配もなくじっと佇んでいるので、「あ、撮影したいんだな」とわかり、やや足早にその脚の方へ下り抜けた。

さて、千本鳥居の麓にいたのは、リュックを抱えスマホをスタンバイした背の高い金髪の男女。旅行者風だ。

ボクが降りると、その男女は誰もいなくなった千本鳥居を背景に互いに写真を撮った後、今度は2人仲良くツーショットを撮ろうとしている。

ハイハイ、おじさんの出番ですな笑
写真撮ってあげましょうか? 通じるかわからないが、英語で「Would you like me to take your picture?」と話しかけると、男性はニッコリ笑って日本語で「ありがとございます、お願いします」だって。

喜んで彼のスマホでツーショットを撮る。彼らは鳥居を登り、ボクは下からの写真をおさえる。

帰路に着くため再び鳥居を登り抜けると、境内で再びその2人と出会う。というか、もう少し話がしたくてやや間を置いて追いかけたというのが正直なところ。

聞けば、2人はフランス人で、東京に住みマーケターとして働く彼のもとを彼女?が2週間の旅行に訪れて一緒に東京見物をしているらしい。

渋谷・原宿・新宿・浅草など定番スポットを巡った彼女が最も気に入ったのは、そのどれでもなく、柴又帝釈天だった。

「フーテンの寅さん」で有名な柴又帝釈天
画像:TOKYO UNIQUE VENUES

とにかく観光客が一人もいなかったらしい。帝釈天の造形の素晴らしさに圧倒されたし、ゆっくりと日本茶を楽しむ余裕もあって最高だったという。今や原宿特に竹下通りなんかは、例の韓国のギューギュー詰め事件よろしくドロドロ血液のように観光客がひしめき合っていて、賑やか過ぎて辟易としたのだろう。

東京や横浜を街ぶらしては投稿しているボクのインスタを見せると喜んでフォローしてくれたので、もしかしたらこの後も連絡を取れるかもしれない。

彼らはこの後元赤坂の豊川稲荷に行くとのことだったので、鳥居の写真を待たせてごめんね、でも話せてとても楽しかったよ!と伝え、今日のところはおいとました。


今日のぶらり散歩はいかがでしたか?少し涼んでいただけたらスキしてくださると喜びます。また次回、どこかの街からお送りしますので、よろしければフォローもどうぞ。

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