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「写真集」のツクリカタ(当社比)。

篠山が、常に「写真集」を制作できるくらいの内容やボリュームで撮影をしているということはレンズとボディと写真の関係。でも書きました💡

では実際に、どのように撮って、どのように写真をセレクトして、最終的に写真集としてまとめていくのでしょうか。
完全に自己流ですので、良いとか悪いとかではなく、こうやっています、という話です。
篠山の写真集が嫌いな人は、こうやらなければ良いと思いますし(笑)、お好きであれば参考にして頂ければと思います💡

まず撮影に関してですが、ストーリー物のように何回かに分けて撮影するようなものでなく、1日で撮ってしまうものでも、写真集を見る人が飽きてしまうのを避けるために、できるだけ3パターン以上の衣装を用意しようとしますし、できるだけ多くのシーンで撮影しようと努力します。

ある決まったイメージの写真を撮るために、同じシーン・同じ衣装で長時間撮影するような類のものとは根本的に違います。
私はそういうのは大嫌いです(笑)
モデルさんも疲れちゃうじゃないですか。

ある日の予定:

09:00 渋谷駅(マークシティのほう)で待ち合わせ、スタジオに向かう
09:30 ●●到着、買い出し
10:00 ■■到着、準備
10:20 パターン1撮影開始
11:40 パターン1撮影終了、休憩、着替え
12:30 パターン2撮影開始
13:50 パターン2撮影終了、着替え
14:20 パターン3撮影開始
15:40 パターン3撮影終了、片付け
16:00 撤収

パターンというのは衣装 x メイク/ヘアスタイルと考えて頂いて大丈夫です。
この時は、80分 x 3本で撮影しました。
モデルさんによって、私の価値観と合わない謝礼を期待されるかたがおられまして💦
そういう場合は時間を短縮して対応します。例えば、50分 x 3本とか。
その分内容が薄くなる可能性はありますが、価値観を合わせるつもりはありませんので仕方なしです。

さて、そうして撮影した写真をまずどうするか。
とりあえず、全部チェックして、OKなカットを現像します。

ここで、現像に関してなのですが、当然、写真によって良く見える現像パラメーターが異なると思います。
でもそんなことをしていたら大変ですよね。
そこで私は、個別最適化はすっぱり諦めて、全て同じパラメーターで現像します。
同じパラメーターで現像すると何となく統一感が得られるような気もしますし。
もちろん写真(シーン)によって露出の合い具合が違いますので、明るさだけは個別に調整します。

撮影枚数ですが、例えば 80分 x 3本 で 240分撮ったとして、大体500枚前後かと思います。
その程度です。1回で1000枚とかもっと撮られる方もおられると思いますが、セレクト大変ですよね。私にはとても無理です💦

それで現像されるOKカットがどれくらいかというと…80~200だと思います。
数はロケーションの良し悪しやモデルさんの腕や私の好み(←)に左右されます。

さて、ここでセレクトして現像までした写真ですが、まだレタッチはせず、まずは小さいサイズのjpegで出力します。例えば長辺1600pix等です。
そしてそのjpegデータを、衣装、シーン、ストーリー等で分類し章としてフォルダーに仕分けします。

私は章を数字で表現しており、写真集で並べる順に数字を大きくしていきます。特に00は表紙や裏表紙用の写真を入れるようにしています。
そう、表紙や挿絵的に使う写真もありますので、セレクトの時点でそれも考慮して選ぶことをお勧めします。
メインの被写体はピンボケでも変顔でも(笑)、トリミングすれば雰囲気の良い写真になる可能性があります。

ちなみに、章仕分けに使うデータを小さいサイズのjpegにするのは容量と時間の節約のためで、余裕のある方はフルサイズのjpegでもtiffでも、レタッチ直前のデータにして頂ければよいかと思います。
私の場合この時の小さいサイズで仕分け/セレクトしたデータは削除せず残しておきます。
それは、自分がどの写真をボツにしたかを記録するためで、なので小さいサイズのほうが望ましいのです。

さて、ここで写真集に向けた2次セレクトを行います。
そのために、全体のページ数を想定し、全体で使うおよその枚数を決定します。
例えば、70ページの写真集にしようした場合、私はギチギチに詰め込みますので💦、65枚くらいセレクトすることになります。

もし1次セレクトで120枚くらい選んでいたとしたら、半分強にまで減らさないといけません。
各章フォルダーの写真を眺めて、だいたい半分くらいになるようにセレクトしていきます。
ここで注意すべきは、この時点で写真集としてのレイアウトを意識しながらセレクトするということです。
写真として良いもの、好みのものだけを残しても駄目です。それでは単なる「写真」集になってしまいます。
制作するのは「写真集」ですので、個々の写真なんかよりも流れとレイアウトが重要なのです。

写真の縦横、並べ方、等を考慮しながら、各章(フォルダー)で写真に順番を付けながらセレクトします。
私は、
01_DSC06328.jpg
02_DSC_0011.jpg

のように、ファイルの頭に番号を付けて順番を明確にします。
必要に応じて章の入れ替えや分割/統合等もここで行います。

全ての章の2次セレクトが終了したら、セレクトした写真を改めて現像(フルサイズ出力)し、レタッチ作業をします。
もちろんレタッチを行ってからセレクトをしても良いのですが、私の場合レタッチが一番時間の掛かる作業ですから、ほぼ確実に使用すると決まってからしか手を付けません💦

さあこれで、写真集に使用するデータが全て用意できたことになります。

あとは、写真集制作サービスや、通販印刷業者、それぞれが求めるフォーマットで写真集のデータを作ってオーダーするだけです。

この記事では、そういったサービスや業者に関する話は書きません。

繰り返しますが、「写真」集ではなく「写真集」を制作するのであれば、セレクトの時点から意識すべきと思います。
できれば1次セレクトから意識、少なくとも2次セレクトで意識、です。
1次セレクトでは主に写真集全体の流れ/構成(章立て)を意識して写真を選び、仕分けをします。
2次セレクトで最終的な仕上がり(写真の並び順やレイアウト)を意識して写真を選びます。

あくまでも自己流ですが、もし参考になれば👍

モデル: 新谷るる(@_nyaruru_222)
写真集『桃廊。』より


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