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天売島へ行きたかった

 先日、天売島で開催されるイベントに参加すべく、羽幌に向かった。札幌から高速バスで3時間。乗車時に「島へ行きますか?」と聞かれた。「島」というのは天売島と焼尻島のことを差しているのだろうけど、札幌のバスターミナルで「島」としか言われないのが面白い。
「はい」と答えると、「高速フェリーは欠航が決まっています。普通のフェリーは天候調査中で、出航1時間前にならないと出るかはわからない」という。「それでもいいですか」と言われるが、行ってみるしかない。高速バスは出発。3時間の道のりだ。
   
 大学生の時は、クマの調査のために北大天塩演習林に通っており、車で羽幌を経由して北上したものだったが、あの頃は高速なんて使わなかったからだいぶ遠かった。しかも、今は深川から留萌方面に高速が延びていた。北海道も、だんだん狭くなっているような感じがした。
 それでも座っている3時間は長かった。普段、ポモドーロ法で原稿書きの仕事をしているので25分に1回は立ち上がっているので、ずっと座っているとあちこち痛くなってくるのだ。

 ようよう羽幌に着き、集合場所のフェリー乗り場へ。小雨が降っているだけだから、船は出るだろうと思っていると、フェリーが港にやってきて、燃料を入れている模様。出そうだなと思っていると、イベントの主催者がやってきて、「まだわかりません」とのこと。

 そして出航1時間前になった。外の漁協の直売所をのぞいていたのでアナウンスを聞き逃す。主催者に会うと「欠航になりました。船が出ないと島へは行けないのでイベントは中止です。陸路なら遠回りとかして行けますが、海はどうしようもないんです」と。
 特に焦った風はない。
 こちらはかなり、ガッカリしているのだが、どうも、これは「よくあること」のようなのだ。
 えっ。と思う間も無くすぐに解散。うーん。島関係者にとっては、「欠航=行けない=イベント中止」は「あり得ること」なのだった。
 確かにイベント案内には「天候によっては中止になります」と書いてあったが、ここまできて本当にそういうことになるとは思わなかった。
 仕方なく羽幌温泉に入って、また3時間のバスの乗ったのだが、「島い行くとはそういうことなのだ」ということがよくわかった1日だった。

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