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投球障害 インピンジメント

投球障害の肩インピンジメント障害は野球をやっているとよく耳にすると思います。今回 インピンジメント障害の種類やなぜ起こってしまうのか?を解説していきます。ちなみにimpingement・インピンジメントとは「衝突する」意味になります。

PSI Posterosuperior impingement

肩関節窩後上方で衝突する意味になります。

発生機序
投球時の後期コッキング期で肩外転外旋位で腱板の関節包面が後上方関節唇と衝突する事で起こります。後期コッキング期に肩水平外転が生じると上腕骨頭が前方に偏位して上腕骨頭と肩甲骨関節窩の間に後上方関節唇や腱板が挟まれると考えられています。
投球時の上腕骨と肩甲骨関節窩の位置関係の乱れにより起こりやすい。

原因
肩関節が外転挙上して伸展(水平伸展)しなければ肩甲骨関節窩の後上方部と上腕骨の腱板付着部の衝突は起こらないとされています。
後期コッキング期に肩の水平外転(水平伸展)が強くなると上腕骨頭の前方偏位が強くなり上腕骨頭と肩甲骨関節窩の間に後上方関節唇や腱板が挟まれると考えられます。
後期コッキング期~加速期に肩の外転角度低下(肘下がり)すると肩関節にかかる圧力が増加し上腕骨頭が前方に偏位すると報告されています。
投球では後期コッキング期~加速期にかけて肩の過度な水平外転や外旋を強制された時に起こり、大結節と後上方関節唇が衝突して関節唇・腱板・関節包面の断裂が起こります。肩水平外転のが増加すると比例して大結節と肩甲骨関節窩後上方の接触圧が増大したと報告されています。他にも後下方関節包の拘縮・前方関節の弛緩・肩甲下筋の筋出力低下・肩甲骨上方回旋や内転の可動域低下によっても接触圧が増大したと報告されています。


肩峰下インピンジメント

発生機序
肩甲上腕関節(肩関節)の上腕骨頭や肩甲骨関節窩が衝突する・腱板が挟まれる・烏口肩峰アーチを通過する際に腱板や滑液包が圧迫されるなどの原因で起こります。

原因
肩甲上腕関節の動きは肩甲上腕リズムという肩甲骨と上腕骨が2:1の割合で動きます。その為、肩甲骨の動き特に肩甲骨の上方回旋ができなくなるとこのバランスが崩れてしまいインピンジメントが起こりやすくなります。
猫背の姿勢の方は肩甲骨の動きが悪くなるので注意が必要です。
後方関節包の拘縮があると肩挙上時に肩関節の接触圧が優位に増加したと報告されています。
接触圧が高まる運動は肩内旋90°で肩外転挙上90°すること、そのため投球 テイクバック時に肩の内旋が強いとインピンジメントを起こりやすくなると報告されています。肩の水平内転と肩の内旋が強制された場合も起こりやすくなります。

前上方関節内インピンジメント

発生機序
後コッキング期から加速期やフォロースルー時に腱板・上腕二頭筋腱基部・上方関節唇が上腕骨頭と関節窩に挟まれて起こります。

原因
肩関節の上腕骨頭と肩甲骨関節窩の位置関係の乱れにより起こり、後コッキング期~加速期の肩最大外旋時に過度な水平外転が起こると上腕骨頭が前方に偏位して上方関節唇が挟まれてしまう。また上腕骨頭が前方に偏位した状態でフォロースルーが行わると肩の水平内転や内旋が強制されて腱板や上腕二頭筋腱が挟まれてしまう。

インピンジメントについて解説をしましたがこれらは筋肉の拘縮や関節可動域の低下で起こりますが、ほとんどの原因は投球フォームの不良により肩に大きな負荷がかかり起こります。そのためマッサージ・リハビリ・ストレッチや体操・トレーニングを行っても改善しない事が多いです。投球フォームを修正し身体の使い方を覚える必要があります。


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