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【道元と宇宙】6 インドから帰国して翌月南アフリカに

インドの真ん中に、
1956年10月、アンベードカルが
数十万人の不可触民とともに
仏教に改宗したナグプールという街がある。

学会が終わって、僕はその街へ行き、
超ラッキーなことに!
1億人のインド人仏教徒を導いておられる
佐々井秀嶺上人のもとに案内された。
佐々井上人は、僕を
南天竜宮城や改宗記念公園(ディークシャブミ、カバー写真)に連れて行ってくれた。

佐々井上人は、夢枕にナーガールジュナが現れ、
ナグプールに行けと言われ、30年以上(当時)
インドで仏教徒を指導しておられる。

人にはお役目のようなものがあり、
僕の場合は、
人類の言語の起源の解明が任務であるように思えてきた。

帰国後、そのままの勢いで、
翌月、南アフリカに行くことにした。

人類の起源といえば、もちろん、
ユネスコ世界遺産「人類のゆりかご」と呼ばれる
スタークフォンテン洞窟が有名だが、
そこはアウストラロピテクスの化石の発掘現場であることは
僕も知っていた。

出発の5日前、
最初の人類の体感をできるかもしれないと
その洞窟に一泊できないかを確認すると、
泊まれるような洞窟ではないという。

僕は焦った。
なぜなら、僕が行くべき洞窟は
現生人類が生まれた場所で、
それはつまり、
ヒトが言語を獲得した洞窟。
「人類のゆりかご」では、まだ言語は獲得されていない。
つまり、
300万年前の初期人類の化石が掘り出された場所なのだ。

同じ「人類」という言葉だが、
初期人類と言語を獲得した現生人類では
時代も大きくずれているし、

なんといっても脳ミソの大きさから、
顎の発達まで決定的に違っている。

「人類のゆりかご」という言葉に騙されて、
7万年前に現生人類が生まれた遺跡だと勘違いしていたのだ。

どうしよう!と慌てたが、
その瞬間、
僕が1994年に読んだ新聞記事に
ヨハネスブルグから700マイルのところに
現生人類の生まれた洞窟があると書いていたのを思い出した。

現生人類が言葉を獲得し、裸になった洞窟も、
南アフリカにある!!
これは新たな驚きだった。

 それが、クラシーズ河口洞窟だった。

 「人類のゆりかご」を訪れようとして、
そこが200万年前の初期人類の遺跡であると気づき、
7万年前に現生人類の生まれた遺跡を探しあてる。
これは一種の通過儀礼であり、
過ち(自責)と発見(快哉)の経験を通過しないことには、
「人類のゆりかごで現生人類が生まれた」
という思い違い(思いこみ)を拭い去ることができない。

誰もが行き詰まる認知バイアスの迷路を、
縁と運に恵まれて、無意識に抜け出すと、
待っていたのは、
前人未到の新たな課題であった。



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