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第14夜 イタリア旅行記①

まえがき

前回まで3回に渡り
ミラノの美味い飯やカフェを
紹介して参りました。

今回から5回に渡りミラノを忘れて
イタリア国内の旅行記録を綴ります。

何を隠そう私はヨーロッパにいながら他のヨーロッパ諸国に一切行くことなく旅行の全てをイタリア国内で済ませてしまったのです。それでも行けていない地域は沢山あります。底が知れないぜイタリア。

今回は
・ガルダ湖
・パドヴァ
・ヴェネツィア
・ジェノバ
の4箇所について執筆します!!

※最初の写真は
   ヴェネツィアで撮れた知らんカップル。

本日もよろしくお願い申し上げます!!


ガルダ湖 (Lago di Garda)

イタリア最大の湖【ガルダ湖】。

総面積は370㎢
と言われてもわかりづらいですね。

滋賀県は琵琶湖の約半分の面積です。

琵琶湖のサイズも想像が難しいですね。
もう滋賀県位だと思っておきましょう(大嘘)

琵琶湖がデカすぎて霞んで見えますが、
実際は超巨大な湖たるガルダ湖。

私はガルダ湖畔にある温泉地
シルミオーネ (Sirmione)に行きました。

シルミオーネの夜景

シルミオーネはガルダ湖に突き出た半島で、
温泉が出ることもあり古くから
景勝地や保養地として有名だそう。


シルミオーネに行く

幸運なことに板前の板前さん一家も同じ日にガルダ湖畔に旅行に行くとのことで、御厚意でシルミオーネまでお車に乗せて下さいました。ミラノから車で概ね2時間弱です。恐縮なことにお高いレストランで御飯まで御馳走になってしまいました。本当にありがとうございました。

【Osteria Del Vecchio Fossato 】

生肉!!!
フォアグラ!!!
黒トリュフのパスタ!!!

※ミラノから公共交通機関を利用する場合、高速鉄道90分程度かけてガルダ湖畔のドセンザーノ(Dosenzano)駅に行った後、ガルダ湖内を周遊するフェリーに乗って20分程度揺られるとシルミオーネに到着します。帰宅する時はこれの逆を辿りました。


時は2021年12月23日から12月25日、
イタリア国内はすっかりクリスマスムード。
一般的には家で家族と過ごすのが普通なので
観光客はほぼ皆無と言っていい。

夜のシルミオーネを独り占め。

そしてホテルも中々にお安かった。
Hotel Sirmioneは四つ星ホテル。そして温泉地だけあって施設内に温水プールとサウナがあった。シャワー文化ゆえに長らく全身で湯に浸かることが出来ずに喘いでいた私にとっては最高のホテルである。

綺麗過ぎやしねぇぇかぁぁ?!?!(感謝)

予測していなかったラッキーがあった。
私は普通のシングルルーム宿泊であったのに部屋にバスタブが付いていた。部屋にバスタブがあるだけで最高にハイになれる。

ずっと風呂でいい!!!!

※今後これ以上のホテルに巡り会うことはなく、ハズレを引き続けることを当時の私はまだ知らない。

ホテルのエントランスにもクリスマスツリー
ブレブレの乳呑み子可愛い。
生命力と勢いを感じる。

シルミオーネの街はミラノの都会的な
雰囲気とは全く異なり、
どこか田舎っぽい雰囲気が感じられる。

歩いて回れる程度の規模間のため泊数はそんなに必要ないと思われる。二泊三日で十分でした。

シルミオーネの観光地は
なんと言ってもスカリジェロ城。
13世紀に建設された要塞の頂上から、
シルミオーネを一望できる。
高所恐怖症なので少し怖かった。

シルミオーネの玄関口にはスカリジェロ城が鎮座
生憎の曇天。
突き出した半島の先端から根本の方を見てます。
湖の透明度たるや……!!!
嗚呼曇天!!!

最終日12月25日にピンチが訪れる。

この日まさに公共交通機関において
FFP2規格のマスクの着用が義務付けられた。
当然持っていない。

「どうしたものか」と頭を悩ませていたら、ホテルのバーのお兄さんがそれらしきマスクを付けていたので「それ一枚売ってくれへん?」と頼んだらタダで下さった。これで無事にミラノに帰れることになった。

FFP2マスクの着用義務が出されて品切れが多いとの情報をキャッチしてTwitterでマスクピンチをぼやいたら、在住日本人のS様が御自宅で余っているものを下さると連絡を下さいました。Dosenzano駅からミラノ中央駅に帰還すると、S様がミラノ中央駅で待って下さっていた。カフェでコーヒーを飲みながらお話までして下さった。

マスクをホテルマンから調達した話をすると
「その【なんとかする力】がイタリアでは大事よ」と仰っていた。

元々観光ガイドをされていたそうで、
マスクに加えて、かつて勉強に使用していた
ミラノの文化遺産の本まで頂戴しまった。
暖かすぎるぜイタリア。

本当にありがとうございました。


パドヴァ (Padova) 

パドヴァという地名
初めて聞く人も多いかも知れません。
当時の私もそうでした。

パドヴァに行くに至った理由

例の板前さん曰く、
・美食目当てならパドヴァ
・宿泊費がヴェネツィアより安い。
・ヴェネツィアまで電車で数十分。
・板前さんの推しレストランがある。
・ヴェネツィアは散歩程度で十分

Twitterでも似たような御意見があり【ヴェネツィアの飯は大したことないのに高い】【パドヴァは全体的にプロシュートとワインのレベルが高かった】と仰る方がいらっしゃいました。要するに観光客向けにボッタクっているのでしょう。

元々ヴェネツィアに行く予定だったのですが、以上の情報を聞いてしまったからには宿泊拠点をパドヴァに置いて、ついでにヴェネツィアに行った方が遥かに合理的だと考えたのである。そしてパドヴァも立派な観光地なのだ。

良く撮れた。別に観光地ではない。
美しい夕暮れ時の街並み。
ラジョーネ宮(Ragione Palace)

2021年3月8日 パドヴァに着弾。

Twitter上でお知らせすると、パドヴァ大学の大学院生のSさんからDMで連絡があり翌日9日にランチをご一緒して頂けることになりました。因みにSさんはリモートで働きながらパドヴァ大学院でイタリア食材とワインの勉強をされておりました。

1222年創立、イタリアで二番目に古いパドヴァ大学の御膝元ということもあり、学生街で若い人も多く、英語もかなり通じやすいらしい。観光客もと学生達で非常に活気がある街だ。街中に大学創立800周年記念を知らせる看板があった。日本が鎌倉時代やっている間にイタリアには大学があったのだ。

初日はとりあえずホステルに荷物を置いて、夕闇に包まれるパドヴァの街を独りで徘徊することにした。ちなみにパドヴァのホステルは駅から若干遠くバスタブこそなかったが、宿泊費も安く部屋も綺麗で内装もイケてた。

夜な夜な奥のテーブルで就活の面接しました。

2021年3月9日 ランチ&ディナー

Sさんオススメのお店でランチをする日。
そしてヴェネツィアのカフォスカリ大学に交換留学中だったYさんとも連絡が取れたのでYさんも合流して3人でランチをしました。パドヴァとヴェネツィアはそれ程に気軽に移動できる距離なのです。

Sさんオススメの店で、バッカラ(baccalà、塩漬けにした鱈)をペースト状にしたものに、固めたポレンタ(Polenta、トウモロコシの粉をお粥状に似た料理で、かつては小麦の栽培に不適な北イタリアの寒冷な山岳地帯で主食とされていた)を付けて食べました。魚のペーストと聞くと嫌悪感を示す方もいるかもしれませんが、美味いです。

バッカラのペーストとポレンタ

ランチ後は3人で散歩、
そして甘い物を食べ散会しました。

開けた気持ちの良い広場。
ティラミスカウント : 1

Sさん、ガイドして下さり
誠にありがとうございました。


散会後もまだ甘い物が食べたかったので、
瀟洒な内装が外から見えたカフェに
独りで入店し、ティラミスを食しました。

ティラミスかカウント : 2
このカフェは荘厳さと雅
両方の性質を合わせ持つ♥♠

3月9日のディナーは板前さんが御教示下さったリストランテで食すことに決めていたので前日に事前にメールで予約しておきました。パドヴァの中心部から結構離れているのでバスで移動です。

店に到着しました。

店名は【Il Calandrino】(イル・カランドリーノ)。ミシュランガイドで三ツ星を獲得したことがある【Le Calandre】(レ・カランドレ)という店の姉妹店だそうです。

70ユーロのコースを注文しました。
(あれ、結構お得ですね。)
お酒が得意ではないので炭酸水と共に。

ちなみにお酒をしっかり楽しむと
恐らく100ユーロは超えると思います。

盛り付けが前衛的過ぎて
食べ方が謎な料理が沢山出てきました。
こういう時にお育ちの悪さが出るのですね。

これが一番食べ方が分からなかった。
麺みたいなのは林檎です。
内装がお洒落過ぎている。

食べ方は分からなくても
口に運ぶたびに美味が広がりました。

皆様もパドヴァへお越しの際は是非!


3月11日 蒼い教会とラーメン

ヴェネツィアに行った翌日
3月11日はいよいよ旅行も最終日。

予約した高速鉄道が夕方の便だったので
ホステルを後にしてパドヴァの中心外で
時間を潰す必要がありました。

パドヴァで最も有名らしい
【青の教会】その名も
【スクロヴェーニ礼拝堂】
に行ってみることにしました。

価格は忘れたが入場料が必要だった。

学割があるらしいが生徒証が無い。
そもそも生徒証なんぞ配布されていない。

そこで妙案を思いついた。
ビザである。

ビザには入国目的が書いてある。
私のそれには≪Studente≫つまり≪学生≫
と記載があるため

「Yo!これを見てくれい!
 俺は紛うことなき学生やで!」

とビザを見せつけて交渉することで
「も~!今回だけよ!」
と学割を勝ち取った。

存外なんとかなるものである。

こちらが青い教会の中です。
写真で見ても実に美しい。

スクロヴェーニ礼拝堂の中。

しかし、やはり現地で生を見るのが望ましいです。本物はアウラが違います。


教会を後にすると
不思議な緊迫感から解放され、
腹が減りました。

何を食べようか。

9日にSさんが日本人経営の美味しい
ラーメン屋を教えて下さった事を思い出して
早速行くことにした。
「イタリアにきてラーメンかよ」
というツッコミが入りそうですが、
外国での日本食は味云々もそうだが、
「外国での日本食市場を生で見れる」
という点でも結構興味深かったりするのだ。

こちらがパドヴァのラーメン屋
【間 MA RAMEN】です。

入口

入り口を入ると
雅でお洒落なバーカウンターがお出迎え。
仄暗くて落ち着いた上質空間です。

ラーメンの盛り付けも良い。
味噌ラーメン美味しかったです。
味玉がちゃんと美味しいのがアツい。

ビジュアルに抜かり無し!!!

ただ、スープは少しぬるいです。
これはイタリア人の口に合わせた結果だと
推察されます。
カプチーノを注文しても
熱々の日本茶を嗜む日本人からすると
ぬるく感じることが多いです。
猫舌に優しい。
ローカライズがちゃんとしている。

御馳走様でした!!!!


ヴェネツィア (Venezia)

2021年3月10日
先述の通り、
パドヴァを拠点にして、ついでに
ヴェネツィアに寄るプランにした私。

3泊4日の3日目にヴェネツィアへ訪問。

なんと3月9日に一緒にランチして下さった、ヴェネツィアのカフォスカリ大学に交換留学中だったYさんが案内して下さることになりました!

プロが味方について非常に心強い。

≪水の都 ヴェネツィア≫

快晴のヴェネツィアは最高ですね。
同じ青でも空と海では違うのがわかります。

点在する島に行くのが有名ですが、移動だけで結構時間を食いそうなので遠い島への移動はしないことにしました。

またプロ曰く、
「その辺行くのにも船は使えますけど
 結局歩いた方が早いっすよ」

プロが言うなら間違いない。
一日歩き倒そうじゃあないか。

主要な観光地を歩いて回り、
飯を食うのも忘れて
街中で写真をパシャパシャ撮影。

サン・マルコ寺院

ヴェネツィアで食したものは
Yさんオススメのお菓子屋で食した
ティラミス3つのみである。

ティラミスカウント : 3
ティラミスカウント : 4
ティラミスカウント : 5

どこを歩いても飽きがこない。
散歩のし甲斐がある街である。
1日で合計3万歩歩いた。23㎞である。

場末感のある路地もまた良い。

充実感のある疲労である。

Yさん、その節は
本当にありがとうございました。

因みに、この後パドヴァに戻って
レストランで夜ご飯を食べた際に
更にティラミスを注文したので
1日4ティラミスを達成しました。

ティラミスカウント : 6

ジェノバ (Genova) 

2022年5月24日 日帰り弾丸旅行

2022年5月20日に大学の授業が終了し、
残すところインターン並びに
修士論文もどきになったので、
キャンパスに赴く必要がなくなりました。

清々しい気持ちなっている人間が1名。

忌まわしきキャンパスライフと
おさらばして清々したところで
早速旅行に行くことにしました。

目的地はジェノバです。
ミラノから鉄道で片道2時間弱
日帰り弾丸旅行でございます。
滞在時間はたったの5時間。
5時間で爆速でジェノバを堪能します。

Genova Piazza Principe駅

旅程は
・とにかく練り歩いて街並みを楽しむ
・Boccadasse
・Osteria di Vico Pallaでディナー
という超ガバガバプラン。

時間もない上、
歴史や文化に造詣が深くないので
今回主要な観光地は無視しました。

また、私は寄り道が大好きなのです。
気になるものを見つけるとフラフラと
行ってしまう幼稚園児の行動様式なのです。

また、基本的に情緒が薄いので、一人自由な時は本能の赴くままにしてやりたいのです。

目的地が多過ぎると
ノルマ感が出て何か嫌なのです。


Genovaの街歩き。

Genova Piazza Principe駅に到着。

Genovaは港湾都市です。
みなとみらいと沖縄を
混ぜ合わせたような雰囲気があります。
少しごみごみとして混沌としています。
なにやら開放的な気分になります。

古い建物が乱立していて
狭い路地が沢山あり、
迷路のように入り組んでいます。
これはワクワクが止まりませんぞ。

狭い路地って、良いですよね。

しばらくの間は地図も開かず
気の向くままに歩きました。


Boccadasse

本当は世界遺産の
Cinque Terre(チンクェ・テッレ)
に行きたかったのですが、
そこは数日宿泊するのが望ましい場所で
とても日帰りでは行けません。

そこで似たような雰囲気の景観のある
Boccadasseという地区に行くことに。

世界遺産のジェネリックである。


BoccadasseはGenova Principe駅から
概ね6km程度なので頑張れば歩ける。

少し足の調子が悪かったので
地下鉄で最寄駅まで行った。
最寄駅とはいえ目的地まで2-3㎞あった。

のんびり歩き続けて数十分、
目的地のBoccadasseに到着。

パステルカラーで彩られた家々が所狭し
海に面し立ち並ぶ素敵な景観が楽しめます。

鮮やかな可愛らしい住宅街。

海岸で色彩鮮やかな建物群と海をボンヤリと眺めながら、ジェラートを楽しんでいました。何とも贅沢な時間であろうか。

インスタのストーリーズに反応アリ。
私がGenovaにいることを知り、
イタリア人同級生から(※この人は良い人)
こんなメッセージが来ていた。

don't know how long you're staying , but if you have time visit Boccadasse and get some ice cream at the seaside, 10/10 experience!!

ニコロ君より

今まさに私がやっていた行為だ。

イタリア人的にも良い過ごし方を
何の前情報もなくやっていたらしい。
小生も中々センスが良いのでは!?

冗談はさておいて、
ゆったりとした最高の時間を過ごし
身体も休まったので、Principe駅周辺に戻り
お目当てのレストランに行くことにした。


Osteria di Vico Palla

かなりの有名店らしい。
本当は予約がないと厳しいのだが、
「30分ならエエで」と
気を遣ってくれたので
二つ返事で入店させて頂いた。

夜の外観の趣と風情が半端ではない。

30分なら1時間は堅い。
意味が分からないだろうが
そういうことなのである。
(本当は良くないから予約してね!)

Genova,
そう、ジェノベーゼのGenovaだ。
そして港街である。
食べるなら海産物であろう。

※本来「ジェノベーゼ」は一般的に日本で想像されるものとは異なるが、簡単な解説はイタリア旅行記④に記載するので、今回はいつもどおり「緑のあのジェノベーゼ」という解釈で問題ありません。

店内の手書きメニューの字があまりに汚くて解読不能だったのでギリギリ解読できたジェノベーゼのミネストローネと、オススメを聞いたら店員が教えてくれたバッカラ(baccalà、鱈の塩漬け)のフリットを喫食することにした。

イタリアの大文字で書く文化に慣れない。
グーグルレンズでも解読が難しかった。

当時までフリットに対して美味しいというイメージがあまり無かったのですが、この店の塩鱈のフリットがあまりにも美味で驚かされました。鱈がフワフワのトロトロで口のなかで繊維が解けていくようでした。ジェノベーゼのミネストローネは表現が難しいですが、大地の味がしました。総じて美味でした。

塩鱈と小魚のフリット
明らかに一人で食べる分量ではない。
ミネストローネ
ハウスワインも頂戴した。

腹も心も満たされ、
ジェノバを後にしました。


あとがき

書くたびに旅の思い出が蘇ってきて
ついつい文章が長くなってしまいました。

様々な人に支えられることで
楽しく旅行できておりました。

私はとにかく食い気しかなく
歴史や文化への造詣が深くないですが、
好きな人や事前に予習をした人は
私の倍は楽しめると思います。

全く知らない土地を歩く時
ゾクゾクとワクワクが
波のように押し寄せてきます。

自分を知る人間が誰もおらず
街を行き交うのは今後の人生で
会う事が無いであろう人間ばかり。

人間の目から脱した感覚。

異国の地の旅行は
私を開放的な気分にさせるようです。

旅行というのものには
【単に身体的な移動と体験】
という側面に留まらず、
【自分の内面性との対話】
が含まれるのかも知れません。


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それでは
第15夜ヘ続く…To Be Continued…

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