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上阪徹著『職業、ブックライター。』

 こんにちは。shinshinです。

 上阪徹著「職業、ブックライター。」(講談社)を読みました。私はライターでもないし、ライターを目指しているかと言われれば「??」です。でも、ライターを目指す人にとっての必読書、とSNSで見たので、「必読書」ってどんなものなの?という思いで手に取ってみました。
 心に残った部分を2点。

1.ブックライターって何する人なのか

 そもそもタイトルを見て最初の疑問はこれでした。そして読み終えた私の答えは、「素晴らしい考えやスキル、経験などを持つ人のコンテンツを、その人の代わりに世の中へ送り出すために、書くことでサポートする人。」です。

 簡単に言えば、書籍などを出版する際、著者の代わりに文章を書く人です。原稿を書くにはとてつもないパワーが必要です。一方で、素晴らしいコンテンツを持つ人が書くことに長けているとは限らないし、そんな時間はないでしょう。だから、ご本人には本業に励み、ブックライターが著者と編集者とチームになって書く。そうすることで、ご本人にとっても社会にとってもプラスになる、ということだそう。この「社会にとってもプラスになる」を読んだ時に、なんだか心打たれましたね。
ブックライターの皆様!ありがとうございます!!
 学びたい時や答えが出ない時、あとモヤモヤした時、本屋さんや図書館へ行きます。なんとなくですが、本が優しく手を差し伸べてくれているように感じるんです。(本棚から手がいっぱい出ているわけではありません。それはホラーですから。)
でもその本棚に、文章スキルがあって、原稿用紙何百枚を書く時間がある著者の本しか並んでいなかったらどうでしょう。きっと物足りないですね。(優しさ不足です。路頭に迷います。)
 代わりにブックライターの方がインタビューをして、私にも分かる言葉に目線を揃えて記してくれるから、本屋さんには優しい手がいっぱい並んでいるんですね。

2.書く時には「”相場”を理解すること、”読者”をイメージすること」

 書こうとしているテーマについて、市場ではどんな本が読まれているのか、これから何が求められそうなのか、という”相場”を理解する。そして、”読者”をイメージして、その人がどんな課題を抱えて、どんな意識を持ち、何を得たいと考えているか、を考えて書く。
 マーケットに商品(本、文章)を送り出すわけですから、当たり前といえば当たり前です。なのに、すごくドキッとしました。どこかで、著者のコンテンツをぶち撒けて、さぁ覗きたければどうぞ、っていうのが本(文章)だと思っていたんでしょうね。
 だからですね。相場を理解し、読者をイメージしないまま、ぼんやりと今、キーボードを打っているのが私です。生業としているわけではないですが、意識するようにします。はい。「読者=世間一般」では誰にも届かないことを認識しました。

 最後に。著者であり、ブックライターの上阪徹さんは「もともと書くことが得意でも好きでもありませんでした」と記しています。私と一緒ではありませんか!!きっとレベルが違いますね。でも、その著者が、文章が上手なことも必要だろうけど、「素材が七割、書くのが三割」というのです。素材というのは、ざっくりと「”相場”と”読者”を見極めた良い企画」と「著者のコンテンツを引き出す取材」というところです。割合反対じゃないの?とも思ったのですが、そうらしいです。なので「上手く書こう!」とは思わずに、これからも書きたいと思います。必読書、読んでよかったです。
おしまい。

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