達成の容易なノルマに低める報徳仕法

ビジネスの世界ではノルマを課すのは当たり前になっている。むしろノルマを課すことこそ上司の仕事、それを達成させるべく尻を叩くのが上司のつとめ、が常識化しているように思う。
しかし私には、とても非生産的なアプローチに見える。
https://t.co/RxZTHHU1XT

達成の困難な高いノルマを課すと「桜町の惨状」を招くリスクがある。
江戸時代、桜町は負担しきれないほどの高いノルマ(年貢)を課せられ、働いても働いても甲斐がないため、住民はやる気を失い、生産性が甚だしく低下していた。

その流れを変えたのが二宮金次郎(二宮尊徳)。まず、尊徳は桜町のノルマ(年貢)を思い切り下げてもらった。いくら桜町の生産性が低いといっても、これだけでよいならまあ納められる、という程度に。十分余裕をもって達成できるノルマになってホッとした桜町は、紆余曲折の末、生産性は大幅改善。

尊徳のアプローチは報徳仕法と呼ばれ、戦前まで広く知られていたので昭和の間は記憶がしっかり残っていたようだ。報徳仕法の詳細を私もまだしっかり勉強してないので定かではないが、尊徳は必ずノルマを下げ、みなのやる気が湧きやすい環境を整えている。

尊徳のアプローチは、働く人のやる気を高め、結果的にノルマを課すよりもはるかに高い、期待以上の成果を上げる方法として知られる。なんでこんなよい方法があるのに、そして桜町が高いノルマを課して惨状を招いた歴史的事実があるのに、どうして達成困難な高いノルマを課してしまうのか。

ビジネスの世界にも、報徳仕法を導入してはどうだろう。余裕をもって達成できる低いノルマにし、後は意欲が湧きやすくなる様々な仕掛けを設ける。そんなやり方に変えてみてはいかがだろう。その方がパフォーマンスは大きく向上するように思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?