コツコツ型と爆発型はなぜ生まれるのか

これは同感。女の子はどうしたわけかコツコツ型が多く、少しずつ、少しずつ、しかし着実に成績上がるけど、爆発力を示さない子が多かった。
男の子はどうしたワケか爆発型が多く、普段はダラダラして全然成績伸びないのに、中三夏休み過ぎて部活終わると爆発的に成績上げるの多かった。
https://twitter.com/himari_20210801/status/1519470838348943360?s=20&t=bPbOeWihMdJcU-XHmiBHQw

私の感触では、女の子で爆発型は1~2割、男の子でコツコツ型は1~2割。いないことはないけど少ない。なぜそんな性差が生まれるのかわからない。私はボーヴォワール「第二の性」を読んでいたので、先天的ばかりとも思わないのだけど、なぜそうなるのか、とても興味深い現象だとは思う。

後天的な理由の一つに、親の接し方が違う、という可能性がある。このツイートでもあるように、なぜか男の子と女の子で母親の接し方が大きく異なるケースを見かける。異性の子どもと同性の子どもとで、接し方が微妙に違うというのが、文化的に影響与えるのかも。
https://twitter.com/readeigo/status/1519168654448889856?s=20&t=bPbOeWihMdJcU-XHmiBHQw

先天的だとばかり言えない理由に、指導する際に「揺さぶる」と違ってきたりする。コツコツ型は教科書をはじめとする、本から学ぶタイプが多い。このためか、模範解答的な理解が中心。そこで現実の複雑な話を紹介すると、知識体系が揺さぶられるのか、学習スタイルが爆発型に近くなることがある。

爆発型はどちらかというと現実から学ぶタイプ。遊びの中から複雑怪奇な現実を学ぶ。例えば火遊び大好きだったりする。それがふと、勉強しなければになったとき、教科書で燃焼を習ったら、あんなに複雑な現象だったはずの火遊びが、燃えるもの、熱、酸素の3つだけで説明されるシンプルさに驚く。

爆発型は、現実体験から学んだ複雑極まりない、しかし整理されていない体験が、教科書というシンプルな記述を核にして知識に結晶化していく快感を覚えるらしい。だから、遊びの中ですでに学習の受け皿が育ってる感じ。教科書はバラバラだった情報を結合する役割。

こう考えると、学習スタイルの違いが生まれる原因は、もしかしたら優等生タイプか、遊び好きのイタズラっ子タイプか、という仮説が思い浮かぶ(どっちつかずも思い浮かぶ)。比較的、空気を読むのに長け、親の意をくむのに敏感な女の子が優等生タイプになりやすく、男の子は暴れん坊になりやすい?

ここでボーヴォワール「第二の性」の仮説が思い浮かぶ。女性はおしとやかさを求められ、男の子は乱暴でも許されて活発さを期待されるという性の役割が、性差を助長している可能性がある。女性でも、現実の複雑さから学び取るタイプは爆発型だったりする。

男の子でも、親から優等生として振る舞うことを期待され、それに応じる気質の子は、コツコツ型になりやすいように感じる。爆発型は現実から学び、コツコツ型は教科書から学ぶという形にどうも分かれるけど、これはその子が優等生として期待されたことを受け入れるかどうかの違いなのかも。

コツコツ型は、コツコツ勉強するのが苦にならないので着実に成績上がるのだけど、爆発力がないからヤキモキする。こういう子は、遊びの中から、現実の複雑さを体験し、知識体系を揺さぶることで、複雑なものがシンプルさに結晶化する興奮を味わってもらう方が、学習のギアが変わったりする。

爆発型は・・・コツコツ型に切り替えるの、ちと難しい。現実の複雑さ、たようさの面白さを一度知ってしまうと、なかなか教科書の無味乾燥さに耐えることが難しい。ならば現実の複雑さを堪能し、体験的に膨大な情報を五感で味わってもらう方がよい。そして十分に蓄積をする。

十分に蓄積したところで教科書に当たると、複雑に見えた現象がシンプルに記述されてるのを知って驚く。五感で得た情報が、教科書の記述を核にして知識へと結晶化されていく快感を覚えることができる。

どっちつかずの子の場合、私は現実から学ばせることを優先する。料理したり掃除したり洗濯したり遊んだり部活したり。体験をまず蓄積し、あとで教科書で情報を整理するやり方。足りない体験をなるべく補完することを優先。

コツコツ型の多い女の子を爆発型に変えるのは比較的可能かな、と考えている。しかし、爆発型の男の子をコツコツ型に変えるのは、受験みたいなイベントでもないとなかなかきっかけがない。
このあたり、指導する側としてはとても興味深い現象なので、いろいろ仮説を考えて工夫したいところ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?