人間は原則アマノジャク

子どもは、というよりどうやら人間はアマノジャクであるらしい、と捉えている。こちらが「こういうことしてほしいな」と期待すると、その期待を重荷に感じてパフォーマンスが悪化したり、逆の方向に進もうとしたり。人間はどうやら、「期待」に自分を操縦しようという欲を感じ、反発するらしい。

ところが不思議なことに、自分が相手に「期待」する場合はプレゼントと考えるフシがある。相手に「期待しているよ」と声をかけることは、期待してあげてるよ、私に感謝するといい、くらいのニュアンスなのかも。「信じていたのに裏切られた」という言葉は、期待通りに動かなかった相手への恨み。

自分が期待されると重荷に感じるクセに、相手に期待することは恩恵を与えているのだと思い、滅多にない僥倖だから感謝するといい、と考える。矛盾してるけど、私達の心はそんな具合に考える仕組みがあるらしい。こうした仕組みを観察・経験から読み取り、矛盾を上手く解消する知恵が必要なように思う。

「期待」は重荷に感じるけど、驚いたり感心したりという反応はハッスルするらしい。もっと驚かせよう、感心させてやろうと目論む。人間は赤ちゃんのとき、言葉を初めて話したり立ったりした時に大人が大変驚いた様子を見せたことを、どこかで覚えているものらしい。

幼児は「ねえ、見て見て」とよく言う。昨日までできなかったことを今日はできた、その事実に、成長した自分に驚いてもらおうと思って。「やったね!」とハイタッチすると、喜んで次なる挑戦を始める。「驚く」という反応は、やる気をますます増幅する仕組みがあるらしい。

ただ、驚くポイントを間違えるとまずいことがある。「100点なんてすごいね!」とか、「○○ができるなんてすごいね!」など、パフォーマンスや結果に驚くと、かえって意欲を失うことがある。常にそのパフォーマンスを維持するのはしんどいから。常にそんな好結果を出し続けるのはつらいから。

私は、驚くポイントを工夫や挑戦、発見などに絞ることにしている。結果は顧慮せず、うまく行ったか行かなかったかも気にせず、それまでにない工夫、挑戦、発見をしようとしたことに驚く。すると、何かしら新たな試みをすることで驚かそうとする。

工夫、挑戦、発見という新たな試みをする取り組みは、最初はうまくいかなくても、いずれは突破口を見つける力となる。なにせ、能動的にしつこく新たな試みを続けるわけだから、失敗しながらも新たな発見があり、「次はこうしてみたらどうだろう?」と新たな工夫を思いつく。するといつか、打開する。

工夫、挑戦、発見を驚くことで促す。すると、自然と問題解決能力が上がる。新たな試みをすることはワクワクするし、失敗の中からも新たな発見があるから楽しい。楽しいから能動的になる。誰が命じたわけでもなく、自ら楽しんで取り組む。

工夫、挑戦、発見というポイントで「驚く」ことは、他人からあれこれ言わなくても進んで取り組む能動性を高める効果が強いらしい。アマノジャクは人を驚かすのが大好きだから、このアプローチはアマノジャクにもかなり有効な様子。

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