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意識がない桃太郎

「ご家族の方ですか?」

「家族……だと!? ふざけるな! 俺とあいつは……戦友だ!」

猿は叫んだ。ダメージの残る体で気丈に振る舞う猿を見て、ただ涙が流れた。

その2秒後、俺は自問する。

何を間違えた? どこで失敗した?

担当医と猿との重そうなやりとりを見ながら、俺は何度も自問する。

何を間違えた? どこで失敗した? 何故俺たちの主人は、体の7割を吹き飛ばされた?

あの地獄から、生きて笑って帰ってくるはずじゃなかったのか?

俺の腕の中で、ずいぶん前から雉は冷たいままだった。

まるで美しく汚された、剥製のようだった。

お爺さんとお婆さんからひっきりなしに届くLINEには、既読スルーで答えるしかなかった。


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意識高い桃太郎|柳内 啓司(やなぎー)|note https://note.mu/kjyng/n/n26222560c682

意識高くない桃太郎|雨月メッツェンバウム次郎|note https://note.mu/drdolittle/n/n811f217063b4

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