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音楽NFTが世界にもたらし得るもの。

2020年、私たち (maishitna) が作ってきた全ての作品をストリーミング配信から引き揚げた。

自分たちの作品に値付けができないこと。
たくさん再生されなければ収支が立たないシステムによって生じるマスゲームに参加したくない。

理由は多々ある。
いずれにせよ、作品を人質に取られているような感覚があった。


後に知ったことであるが、山下達郎は、
「表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない。本来、音楽はそういうことを考えないで作らなきゃいけないのに」

と語っていることを知り、彼がずっと歌い続けてきたこと、愛や、人間への眼差しが、表層的なことではないことがはっきりと伝わってきた。
「死ぬまで解禁はないだろう」とすら明言している。その姿勢から、音楽をどれほど愛しているのか、自分にはひしと感じられる。


2016年、maishintaの活動が始まって以来、ずっと私たちは、マーケットや、音楽業界という、既存の構造の中ではなく、独立した個人として音楽を作ってきた。

自分は、そういう本当に自由な場所から生まれてくる音楽にずっっっと鼓舞され、感動して、生きてきた。

だから純粋に音楽を作りたかった。

たくさんの先人たちからバトンをいつの間にか受け取っていた。

いつかリバプールのビートルズ博物館の最後の部屋で、ジョンレノンのimagineの歌詞をじっと読んで、立ち尽くし涙を流した自分がいた。

それは、愛と平和を信じて、まっすぐに命のままに歌うことが、もたらす純粋な音楽を自分は歌っていくんだ、という予感であり、決意であった。

「既存の枠組みを超えたところで、音楽を作る」

その精神が、この新しいテクノロジーの波、NFT、web3に自分が呼応する部分である。

その根底には、Power to the peopleがあり、自由への讃歌が含まれている。

だからこそ、私たちは、2023年、ストリーミングから取り下げた171曲と、新しい作品をNFTにしていく。

自由に創造して、収支を立てて生きていく。

それができる可能性があるNFTで、やらずしていつやるんだ!

maishintaの作品は、一見、自然の中でのほほんとしているように聞こえるかもしれない、だが、 それを作ってる私たちは、本気で、世界をHOHOEMIで満たしていく、平和な世界に響く音楽を歌うと腹をくくって今日まで音楽を作り、生きてきた。

2016年から、2022年の間に作った205曲から選んだベストアルバム"HOHOEMI"を、私たちはホームメイド版と称している。

こうした作品を自主制作版と呼ぶ習慣にも疑問があり、あえてホームメイド版と言うことにした。

自主制作盤があり、その先にレーベルとの契約が生じ、レーベルあるいはレコード会社から予算が出るという体制へと移行していく、その時、アーティストは自分のウォレット(お財布)を渡してしまう。

そこはとても大事なポイントなのだ!!!
自らの財布を握らずに、自由な表現をし続けることなどできるはずがない。
それは、自分が、20代前半の頃、音楽業界の真ん中を歩き、辺りを見渡し、気づいた実際的な知恵だ。

クライアントあるいは、レコード会社内の習慣や、コンプライアンスなどを気にしたり、3年間で何枚のアルバムという契約によって、締め切りが設けられて作られた音楽に、一体どこまでの誠実さがあるだろうか。

ウォレットを自ら管理するということが、どれほど自由な創作活動を産むのか。その可能性は無限大だ。

内発的な、自由な心から、音楽は湧いて来る。それが数十年に渡り音楽を作ってきた確固たる自分の体感だ。

そう、だからこそ、私たちは、どこまでいっても自主制作あり続ける。

自分たちで、作りたいものを作り切る。そしてそれを直接、届ける。
そこに、アーティストとリスナーの唯一無二の心の通路が開く。その現れとして、ワールドコンピュータにその軌跡が、一度きりのやりとりとして、NFT(代替不可能な印)として記録される。

そのようにして体験される音楽は、同じ曲を聞いていても一人一人が、全く異なる体験をしているという基本的な事実をよりはっきりとさせるだろう。

私たちは生きている。たった一つのオリジナルな存在として。そして、同時に、深いところで生命、宇宙という巨大な”何か”を通じて繋がっている。

もう一度、そのことを思い出して、生きていることの奇跡、その響きに満ち溢れたみずみずしい音楽を届けていく。

アーティストとリスナーという関係を超えて、今を生きる一人一人の人間として、ここに立ち、音楽をともに奏でて生きたい。

リスナー同士もまた網の目状に音楽NFTを通じて、繋がりあっていく。

心の響き合いを土台にした緩やかな連携の美しさを、NFTを通じて出会った仲間たちと体験した私たちにとって、これらが社会にもたらす豊かさが計り知れないと確信する。

NFTが生まれる土壌となったイーサリアムの一つの指針をご存知だろうか?

Nurturing the Infinite Garden / 無限の庭を育む

“A finite game is played for the purpose of winning. An infinite game for the purpose of continuing the play.” ~ James P. Carse
"有限のゲームは勝つことを目的に行われる。無限のゲームはプレイを継続する目的のために行われる"~ James P. Carse

https://ethereum.foundation/infinitegarden

私たちは、永遠に音楽を奏で続けるという無限のゲームをプレイするものだ。勝つことを目的にしていない。

だから、そのプロトコルとしてブロックチェーンを基盤としたNFTがフィットするのだった。

元を辿れば、それはシンプルな響き合いだ。

表層的には様々なジャンルが、しかしその多様さを失うことなく、本質的に命の躍動、愛の感覚の表れとして、それぞれに自律的、分散的に各々の世界を展開する、豊かな音楽の未来を確信して、これからもブロックチェーンに作品を刻んでいこうと思う。

shinta

ホームメイド版 HOHOEMI ALBUMのNFTコレクション

https://opensea.io/collection/maishinta

音楽NFTマーケット・プレイヤー 「サウンド・デザート」のリリースとともに、サウンドデザート版もリリースします。(2023年3月末頃)

それまでは、Open Seaにて、数十点をめどに、この最初のタイミングで出会えた皆様との出会いをブロックチェーンに刻めたらと思います。

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