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僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第17話 怖い顔のおじさんとJK(4)


#創作大賞2023
#お仕事小説部門#お仕事 #移動販売・対面販売 #ラブコメ・恋愛 #おじさん #駄菓子・豆菓子・珍味・ドライフルーツ #未亡人・JK少女 #女子大生 #人妻

第17話 怖い顔のおじさんとJK(4)

 でも家の怖い顔のおじさんが、いつもこんな不愛想な人間だと。

 絵里ちゃん自身はね。

 先ほど僕【芋かりんとう】が言った。

 告げた。

 説明をした通りだ。

 彼女は知っているから。

 家の怖い顔のおじさんが、やっと自身が組み上げた販売台の上に大きな竹の篭を置き、設置すれば。

 今度は篭の中に僕【芋かりんとう】を以前説明をした通りに。

 鳥取県は、西の富士──大山の霊山のように大きく高く。

 そう、5キロぐらいの量の僕【芋かりんとう】達を客寄せに使用……。

 遠くからでもお客さま達の瞳に、僕【芋かりんとう】が映り。

 お客さま達が『何だろう?』と興味を湧かせ、注目させるため。

 そう、お客さま達が「何、あれ?」

「何だろう?」

「ちょっと見に行ってみょうか?」と、各自各々が口に漏らし、会話を始め。

 ぞろぞろと足踏み揃えて。

 この販売ブースへと。

 ワイワイ、ガヤガヤ喧騒しながら向かう。

 来てくれるようにするための客引き、客寄せのセッティングを。

 家の怖い顔のおじさんが『うんしょ、うんしょ。どっこいしょ』と、作業を始めだした。

第18話 怖い顔のおじさんとJK(5)

 そんな様子を絵里ちゃんは、家の怖い顔のおじさんの大きな背、背後から興味津々に見詰めながら。

「おじさん、うちも手伝おうか?」と。

 彼女は容姿に似合わない台詞を、と。

 僕【芋かりんとう】も言いたい。

 述べたいところではあるのだが。

 絵里ちゃんは容姿こそチョイワル、ヤンキーなJK仕様ではあるのだが。

 大変に気の利く、優しいお嬢さんでね。

 そのことを家の怖い顔のおじさんや僕【芋かりんとう】……。

 その他のお菓子や豆菓子、珍味やドライフルーツ、健康食品パウダー達もみな知っているのだよ。

 だって家の怖い顔のおじさんや僕達は、絵里ちゃんがこんなにも小さく……。

 そう、彼女が幼稚園の年長さんの頃からのお付き合いだから。

 彼女が大変に気立て、気さく、心優しいJKの少女だと知っているから。

 家の怖い顔のおじさんが作業中……。

 今日の商い。

 家の怖い顔のおじさんが販売をするための準備をしている最中に。

 絵里ちゃんが家の怖い顔のおじさんへと話しかけて嫌な顔など一切しないし。

 家の怖い顔のおじさんも絵里ちゃんのことが娘や孫のように可愛くて仕方がないから

第19話 怖い顔のおじさんとJK(6)

 まあ、傍から二人の様子を見て──。

 家の怖い顔のおじさんは本当に不愛想だとは思うけれど。

 あれでも彼は喜んでいるから心配はない。

 だってほら見てごらん。

 JKの絵里ちゃんが天使の微笑みを浮かべながら。

 家の怖い顔のおじさんのお手伝いをしようか? と訊ねれば。

「ああ、悪い。絵里ちゃん……。芋けんぴがはいちょぉる箱の袋が変になちょぉるから直してくれんか?」と直ぐに嘆願をするだろう。

「うん、わかったよ。おじさん。ここをこうすればいいのね?」

 今まで家の怖い顔のおじさんの背の後ろから。

(何をしているのだろうか?)と言った顔で、覗き込むように様子を窺っていた絵里ちゃんだけれど。

 彼女は慌てて家の怖い顔のおじさんの前方に立てば──。

 僕【芋かりんとう】が入っている箱から、変に出ている袋の端を握り。

 家の怖い顔のおじさんへと『これでいいのか?』と訊ねれば。

「うん、それでえぇ。絵里ちゃん、ありがとうの」と。

 家の怖い顔のおじさんは絵里ちゃんへとお礼を告げる。


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