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僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第65話 怖い顔のおじさんと女子大生(25)

#創作大賞2023
#お仕事小説部門#お仕事 #移動販売・対面販売 #ラブコメ・恋愛 #おじさん #駄菓子・豆菓子・珍味・ドライフルーツ #未亡人・JK少女 #女子大生 #人妻

 第65話 怖い顔のおじさんと女子大生(25)

「お姉さん今日はのぅ、いつもなら三つが1千の所をお姉さん等が儂好みのベッピンさんじゃけぇ五つが1千にしちゃるぅけぇ、買わんかぁのぅ? いらんかのぅ?」と訊ねるのだよ。

 それもさ、家の怖い顔のおじさんは眼鏡の良く似合う俺【紫芋けんぴ】のマドンナ沙也さんが一番言われると困る、と言うか?

 女性として一番困る言葉を告げ訊ね始めるのだよ。

 それはこんな風になのだ。

 ◇◇◇

「おじさんなぁ、今日は朝から菓子が売れんけぇ、困っとるんじゃ。だからお姉さん頼むけぇ。おじさんの事を助けると思うて、買うてくれぇんさい」と。

 まあ、赤の他人と言うか?

 俺【紫芋けんぴ】や。

 その他のお菓子達……。

 家の怖い顔のおじさんの隣の販売ブースを使用している。

 櫛肉を焼いて販売をしているお店の店主さん達等が。

(またおじさんが始まった)と。

 各自各々が、脳裏で呟き。

 苦笑いを浮かべたくなることを。

 家の怖い顔のおじさんは平然、シラッと。

 沙也さんに告げる物だから。

「えっ! うそぉっ!」となり。

 驚嘆を漏らす。

 それは家の怖い顔のおじさんに対して悪い意味の驚愕、驚愕……。

 沙也さん自身が、家の怖い顔のおじさんが。

 お客様達へと沢山用意をしていた試食を沙也さんが沢山食べたから。

 その為に買わされる!

 押し売りをされてしまうから。

 沙也さんはどうしよう? ではなくてね。

 この娘さんは。

 大変に良い娘さんだから。

 家の怖い顔のおじさんが本当に朝から、商品が売れていないのだと思ってね。

(おじさん、朝から商品が売れずに困っているのね。本当に可哀想……)と。

 沙也さんは素直に思ってしまうから。

「おじさんいいよ。私が買ってあげるよ」と。

 これだけ沢山の人……。

 お客様達がいる中で。

 家の怖い顔のおじさんへと同情心を募らせながら、微笑み呟いてしまう。

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