爆死するパート5
すみませんね。お付き合いくださいよ。
涙と鼻水でドロドロのあたし。自分でそれを拭う。
前はね、目の前にいる愛する方が拭いてくれたのです。汚いと思う素振りも見せず、あたしが拭うよりも先に。
今はどうでしょう。見ているだけでした。
ですよねー。毛嫌いしている奴の涙や鼻水なんか触りたくないですもんね。汚物から流れ出る汚物なんですから。
「もう思い出したくない」と。「好きな人がいる」と。「あたいは一歩前に進もうとしてるのに」と。
わかりますよ。前の恋を忘れるために新たな恋へ踏み出す。わかりますよ。
でもね、あたしも踏み出すつもりで準備してたのです。
「この先も好きでいさせてね」って、「貴様と一緒にいたい」って、「ずっと愛してる」って、そうおっしゃってくれたから。
あなたのところへ行くつもりでこの数ヶ月過ごしてきた。できるだけ早く。数年かかるかも。いや、できるだけ早く。待っててと言えば期待させて、あたしの存在に縛りつけてしまうかも。だから、待っててとは言わなかったんです。「今までありがとう。楽しかったずら。ずっと大好きだぜい」に留めて、心の中では待っててと。できるだけ早く行くから。
ところが、あちらには好きな人ができてたとさ。あたしのこと嫌ってるとさ。「ずっと大好き」は無責任な言葉だったとさ。どっひゃー!どっひゃー!ですわ。
え、ここまでの人生捨てるつもりで足踏み出したとこだったのですが?あたし、ここまで何してきたの?踏み出した先に道はなかったみたいですわ。そりゃ爆死するっしょ。
「あたいのことはやめといたほうがいいよ」
なぜか訊きました。
「あたいは絶対浮気するよ?」
だってさ。
そういうのはいいです、と。本当に。
あたし言いました。
「そういうことを言うと思ってたから、答えを用意してるよ」と。
「浮気してくれていいよ。終わったら必ず戻ってきてくれればいいから。最後はあたしのとこに戻ってきてくれれば、それでいいから。浮気しても怒らないよん」
「なんで」とおっしゃってました。
「大好きなので」と返しました。
久しぶりに見たあの方の目は軽蔑の眼差しではなく、いつも通り綺麗な目をしてました。キラキラしてて、一度見れば目を離せなくなる美しい目。
その目が少し困った表情を見せていましたよ。
あたし言いました。
「セフレでもいいよ。どんな扱いでもいいからそばにいたいよ。あ、性欲処理機として使ってくれてもいいよ!あたしのこと!それでもいいよ!」
「いや、あちき最近もう性欲ないから」
そんな断り方~?ってね。
「じゃあ、奴隷でいいよ!」
「奴隷って?」
「奴隷!だから、どんな扱いしてくれてもいい!あなたの奴隷になる」
「いや、いらない」
奴隷なんか絶対いるでしょ。1人につき1人は欲しいはずでしょ。奴隷ですよ?
そこら辺に落ちている石をひろってきて、あたしに投げつけてもいいわけですよ?あたし文句言いませんよ。黙ってストレス発散のお手伝いさせてもらいますよ?
嫌らわれると奴隷にもしてもらえないらしいですよ。学びました。
ほんとすみません。もうちょい続けます。パート6へゴー。
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