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⑳【認知症】忘れても大丈夫な事

今年に入り、母の認知症がかなり進行してきた。
今日が病院の日だったので、先生に近況を伝えるために、前日デイサービスに最近の母の様子について尋ねた。

・午前中はウロウロして落ち着かない
・午後は故郷に戻ると言い外へ出ようとする
・人の物と自分の物が分からないので、
  自分のカバンに人の物を入れてしまう。
・意思疎通がはかれない。

との事。

なかなかのパンチ力。
ある程度分かっているつもりだったが、
箇条書きのように次から次へと聞くと
「迷惑かけてすみません💦」
と謝るしかなかった。
でもその後職員さんは、
「私たちがお世話させて頂いている間は、自由に好きな事したりして息抜きしてくださいねとお父さんにお伝えしてるんです。」
とおっしゃった。ちょっと救われた🥲



私の母は、早い段階から私が娘だと言う事が分からなくなった。
まだまだ自分の事もできている段階から、私のことがあやしくなった。

私は忘れられる事にはもうすっかり慣れていて、そんなことは大した問題ではないと思っている。

でも色んな事が積み重なってくると、そうは思えなくなる時がある。

思えなくなる出来事の一つ。

母から弟の名前はたまに出る。
実際に本人の顔を見ても息子だとは分からないのだが、
「〇〇はどこに行った?」と。
弟は大学の時から家を離れ、年に一度か二度帰ってくるだけなのだが、それでも母の口からたまに弟の名前は出る。

でも私の名前は出ない。

まあ母親にとって、男の子と末っ子は心配で可愛いものなんだと思う。
弟はそのどちらでもあるから、きっと記憶にがっちりと残っているのだろう。
私は長女。どちらでもない。


「私がぱんちゃんやよ😊」
「…わからん❗」

            ………😭

そんな時、理不尽だと分かってはいるが、弟に対して腹が立つ。彼は何も悪いことはしていないのに。
(ついでに…お世話もしていない😁)

思い返すと子どもの時もそうだったなと思ったりする。
お姉ちゃんだから一人でできるでしょ。と言う感じ。私は病気ひとつしない健康体。親を困らせることもしない。弟はいくつになっても末っ子。可愛い男の子。その上、小さい時は病弱な子。

どうしようも無くイライラがつのり、グチグチと愚痴っていた夜。
夫が、

「きっと、ぱんちゃんのことは心配する必要がないから、お母さん忘れられるんやと思うよ。」

と言った。

『忘れる』=『忘れても大丈夫』


もしかしたら認知症の人にとって忘れていく事とは、『忘れても大丈夫な事』なのだろうか?

ふわっと救われた感じがした。

救ってくれてありがとう✨
夫くん。

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