見出し画像

余白 / 星乃 琉香

君が居なくても日々過ぎていくけど
君が受け入れた瞬間がどうしてもどうしても切なくて

空いた席が日常に溶け込んでしまえば
哀しかった事もいずれ忘れるの

部屋には抜け毛が落ちていないし
おふとんにコロコロしなくても済んでる
掃除が楽になったけど

だけど壁の汚れは落せずにいるし
 
君の場所も おもちゃも 何ひとつ片付けられない

もう一度会いたい

もう一度抱っこで眠る君が見たい

まん丸で無邪気な目を見たいから
ずっと面影を探してる

お風呂上がりの君のぼやきが聞きたいの

細いホースの後で隠れてるつもりの君に会いたい

ダッシュボードに前足かけてフロントガラス越しの景色を見る君

ゴロンゴロンと転がりながら不都合を回避する君

まだまだあるの君の面影が


朝七時の東の空は
乳白色と薄いオレンジと黄色のグラデーションで

横長の薄雲を照らしながら 太陽が登ってきていた
素材画像にありそうなきれいな空

冷えた空気はほんのり甘くて
バニラアイスみたい

いつもならお散歩してる時間
恋しくて恋しくて恋しくて

スマホのホーム画面いっぱいに笑ってるこの子につい話しかけてしまう

少し埃っぽくて甘い香りのあの子を抱きしめたい
すごくすごく会いたい
とても会いたい

虹の橋を渡れなくなるといけないからと
泣くのを我慢したのに勝手に溢れてくる

赤い靴がよく似合う君



よく頑張った君へ


 
涙滲んでにわか雨って 天才 
にわか雨のあとは晴れるから。

よかったらサポートをお願い致します。 私の励みと活動資金にいたします。