目標を設定する〜高校時代〜

指導者として生徒に話す時「目標設定は必ずしなさい」と言います。
設定の仕方は、引退までの大目標を設定して、1年後にどうなるかという中目標を設定して、月ごとの小目標…という感じです。
目標が変わればプロセスも変わるので、少しずつ微調整しながら最終の大目標に向かっていきます。

ちなみに私は…高校生の頃は目標をちゃんと設定していませんでした。その反省から上記のようなことを言っています。

アーチェリーを始めてすぐの頃は、とにかく部活について行くのに必死でした。立ちっぱなし、毎日1時間のトレーニング、上手く引けない弓との格闘、射型を整える大変さ…などなど。でも、楽しい先輩と愉快な同期と、時々厳しい先輩や恩師に反抗しつつ、休まず部活に行っていました。
高校1年生の夏休みには「初心者戦(30M36本)」があり、9月には「新人線(30・50Mを36本ずつ)」があるため、先輩から「初心者戦と新人戦は上位を独占して当たり前やから」と何度も言われていました。なので、去年の先輩たちが何点を出したのかを聞き、それに向かって日々練習していました。
それが終わると2年生の春から始まる国体予選までこれといった目標もなく、1年生の冬が一番のんびり過ごしていたと思います。
ただ何となく、同級生の間でライバル心があり、上手い子に少しでも追いつきたい、追い越したい気持ちで練習していました。

ただ、2年生の5月に全日本フィールドに出場することができました。これは1年生の秋冬の間、インドアだけでなくフィールドの記録会も出ていたからでした。それも、自分の意思でと言うよりは、記録会に出るのは当たり前と言う周りの雰囲気に合わせていたから、でした。
しかしそんな中でもそこそこの点数を出して、全く意識していなかった全日本の大会に出場できると知って、驚きと嬉しさと怖さと…で気持ちが忙しかった記憶があります。
その全日本フィールドには、私と同級生2人が出ました。
そこで何と、同級生が上位に入ったのです。私ともう1人は、もちろん、後ろから数えてなん番目?のレベル。
羨ましさと悔しさで、宿に帰って2人でゴム引きをしました。

そんな悔しい事があってもまだ、長期的な目標設定はできず、とにかく目の前の「同級生に追いつく、追い越す!」が目標になっていました。
その同級生は高校2年生にして、3年生と一緒にインターハイ、国体にも出場しました。しかも国体では入賞したので、賞状を持って帰って来ました。私は補欠だったので、国体には行けませんでしたが、賞状に名前だけ載っていました。行ってもいない試合の賞状だけ貰っても…1ミリも嬉しくありませんでした。しかしこれがかえって私には良くて、「ちゃんと国体に出て賞状をもらうぞ」という目標ができたのでした。
さらにもう一つ、刺激になったのが、2000年のシドニーオリンピックでした。恩師がミーティングで映像を見せてくれ、衝撃を受けた私は「4年後なら行けるかな…」とぼんやり思うようになっていました。

こうしてやっと、高校2年生の時に全国大会に出て賞状をもらうこと、日本代表になることを目標として意識し出したのでした。

目標が決まればやる事は、練習です。
今までは同級生に追いつけ追い越せでしたが、視野が広がったので、全国の上手い同級生、世界の上手い選手の写真(当時は今ほどネット環境は整ってなかったので)を見て、自分の頭の中で動きを想像し、自分の体で再現する、と言うことをひたすらやるようになりました。

すると、高校3年生の時には、京都の高校生で敵なし!の状態になれたのです。しかし、私の目標はあくまで「点数」でした。全国の高校生の点数を雑誌で見て、それを目標に練習していました。京都での記録会はそのシュミレーションでした。そのおかげか、インターハイでは予選で1位になれました。
…しかし、インターハイには当時、個人トーナメントがありました。トーナメントにおけるメンタルコントロールやペース配分などを全く想定していなかったのです。私はあっさり1回戦で負けました。
そして、団体戦もありましたが、それもあっさり負けてしまいました。こちらも個人トーナメントと同様、何の想定もしていなかったし、目標設定もしていませんでした。

その後、国体にも出場しましたが、こちらも入賞できませんでした。なぜなら、速報がデカデカと会場に掲げられており、シューティングラインから見えていたからです。私は恩師の指導方針もあって、試合中に順位を見ることをしたことがありませんでした。なので、嫌でも目に入る位置に速報が置かれると、気になって仕方がない…!と言う状態になってしまったのでした。これもまた、インターハイ同様に、私の想定不足、リサーチ不足です。

せっかく出場できた全国大会で、こんなに不甲斐ない結果に終わり、悔いしか残らなかった私は、スポーツ推薦で大学に行くことを決意します。その話は、またいつか…。

目標設定には、情報が必要なこと、情報をもとに試合を想定して対策を考えること、その対策をどこまでやるのかという目標が必要だと言うことを高校生の時に知りました。



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