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ケーキ屋株式会社第2章 良子のケーキ屋はどうなる??

良子のチョコレートケーキ

      🍰ケーキ屋株式会社🎂


さて大喜びしていたおばさんですが、急にお金が必要になり残念ながらケーキ屋株式会社の株を手放すことにしました。
おばさんは本当はこの株を1000万では手放したくはないのですが、どうしてもすぐにお金が必要になったようでナオミ(姪)に「この株を買い取らないか?」と打診しました。とても有利な投資先であることは実績からも分かっているので何とか手に入れたいところでした。しかしナオミには投資できる資金は100万しかありません。
 
良子は1年間の稼ぎで600万円もの貯金が出来ました。しかしオーナーになるにはやはりお金が足りません。良子自身、このケーキ屋のオーナーになりたいのは山々なのですが…。
そこでナオミは100万ずつ投資できる友人のケイ、葵、ジュンに声をかけて良子とナオミとその他3人の資金合計1000万円で株を買い取ることにしました。
この際、1株だけの状態では不便なので1株を10株に分割することにしました。1000万円の株を10株、(1株100万円)ということになります。
良子は600万円で6株、ナオミ、ケイ、葵、ジュンは100万円で1株ずつ購入することにしました。
さて、分割後の1株に対して1年間で見込まれる配当金はいくらでしょうか?
元の1株=今は10株、に対する配当金=純利益は200万円でしたね。ですから、今の1株に対する配当金、あるいは1株当たりの純利益は200万円÷10=20万円ということになります。
これを1株益(1株あたり純利益)といいます。
100万円の投資に対して1年間で20万円の配当金はかなりいい投資といえます。
さて分割後の株のPERと配当利回りはどうなりますか?
PER=株価(100万円)÷一株益(20万円)=5倍
配当利回り=配当金(20万円)÷株価100万円=20%

成長戦略のための3つの選択肢
さて、1店舗目の好調が続き、常連客も沢山できました。新規客も増えています。1店舗では客数やケーキを作れる数も限られていますし、売上には限界があります。混雑する事が多く、行列ができてあきらめて帰ってしまうお客さんも多くなりました。
そこで、オーナー経営者となった良子は「2店舗目を作ろう」と言い出しました。その他4人の株主もそれに賛成しました。
しかし、問題は出店費用が1000万円かかることです。
ケーキ屋株式会社にはそのお金がありません。元の資本金1000万円は1店舗目に費やしました。その後稼いだ純利益はすべて配当として支払っていたからです。
ここで選択肢は3つあります。

今後稼ぐ利益をためておいて投資する(内部留保案)
銀行から借金して投資する(銀行融資案)
新しく株を発行して新しい投資家からお金を出資してもらう(増資)

銀行融資案は借金にリスクを感じる株主が多くて却下されました。
増資案の場合、新しい株主が増えるとその会社に対するシェアが落ちてしまいます。有望な会社ですから、できれば新しい株主は入れたくないというのが全員の総意でこれも却下されました。
そこで内部留保案が採用されました。

内部留保という言葉。よく耳にしませんか?日本企業は内部留保を溜め込み過ぎているというのをニュースで見かけます。良子達は新しい店を開くために「内部留保」という選択をしました。
ケーキ店がどうなるか…?次回3章へと続きます。



  


              

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